離 婚


1.離婚の方法

協議離婚
 協議離婚は夫婦の協議で離婚する方法で、市区町村役場に離婚届が受理され
たとき成立します。 日本国内での離婚の90%以上がこの方法です。
調停離婚
 調停離婚は、家庭裁判所の調停手続で調停離婚する旨の合意ができ、それを調停調書に記載されることによって離婚が成立します。 
 裁判上の離婚原因があっても、調停前置主義(家審法18条)がとられていますので、まず、調停手続を経る必要があります。日本の離婚の7-8%です。
 ※調停の席上で、協議離婚の届出をするとの合意が出来たとしても、市区町村役場への届出と受理よって離婚が成立することになるので注意が必要です。
審判離婚
 審判離婚は、調停が成立しない場合、家庭裁判所が相当と認めるときに行う離婚の審判(家審法24条1項)の確定によって、離婚が成立するものをいいます。
 審判は、当事者の異議申立によって効力が失われてしまうため、この手続がとられることはあまり無いようです。
判決離婚
 判決離婚(裁判離婚)は、協議離婚、調停離婚が成立せず、審判離婚がなされないときに、法律の定める離婚原因(民法770条1項)に基づいて、夫婦の一方が家庭裁判所に離婚請求の訴訟を提起し、判決の確定によって離婚が成立するものをいいます。
 日本国内の離婚の1%未満といわれています。
和解離婚
 和解離婚は、離婚請求の訴訟で離婚の和解が成立し、和解調書に記載されることによって離婚が成立します(平成16年4月1日から)。
認諾離婚
 離婚訴訟の途中でも被告が原告の訴訟上の請求を全面的な受け入れ(認諾)により、認諾調書が作成され、認諾離婚として離婚が成立します。
※ 以上のいずれの離婚方法によっても生ずる法律問題
@ 親権者の指定
 離婚する夫婦に未成年の子があるときには、必ず子の父母の一方を親権者と定めなければなりません
(民法819条)。
A 監護者の指定
 上記@による親権者を定めるほか、未成年の子について監護者の定めをすることができます
(民法766条、771条)。
B 財産分与
 離婚した当事者の片方が、相手方に対して財産分与の請求をすることができます(民法768条、771条)。
C 復氏
 離婚によって氏を改めた妻又は夫は、離婚によって婚姻前の氏に復します(民法767条1項、771条)  が、離婚の日から3ヶ月以内に戸籍法77条の2の定めるところにより、届け出ることによって、離婚の際に称していた氏を称することができます(民法767条2項、771条)。
 復氏した者は、原則として、婚姻前の戸籍に入りますが、復籍すべき戸籍が除籍になっている時、又は復氏する者が新戸籍を編製することを申し出た時には、新戸籍が編製されます(戸籍法19条1項)


2.離婚原因

 離婚が協議でも調停でも成立しない場合、それでも離婚を求めるには、離婚訴訟を提起して、判決離婚を求めることになりますが、判決によって離婚が認められるためには、法で定められた離婚原因が必要です。     

民法770条1項は具体的離婚原因(裁判上の離婚原因)として

 1号 配偶者に不貞な行為があったとき

 2号 配偶者から悪意で遺棄されたとき

 3号 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき

 4号 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき

    (以上は、具体的な離婚原因)

 5号 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

    (5号として、抽象的離婚原因を掲げています。) 

 @有責配偶者からの離婚請求

 日本の裁判所は長い間、婚姻の破綻について、もっぱら又は主として責任のある、いわゆる有責配偶者からの離婚請求を認めないという消極的破綻主義の立場を取ってきましたo

 しかし、有責配偶者からの離婚請求を排斥しても、破綻した夫婦間の復元はほとんど不可能ですし、不自然な夫婦関係を維持固定化することになり、根本的な問題解決になりませんでした。

 それに社会状況や、国民の価値観等の変化により、離婚に対する国民の考え方も急速に変化するという、社会背景の中で最高裁判所は、昭和62年9月2日の大法廷判決で一定の制限を付して、長期間別居(同居期間13年、別居期間36年余)を続けている有責配偶者である夫からの離婚請求を認め、従来の判例を変更しました(民集41-6-1423)。

 この判例変更のときに付された制限とは、 

@夫婦の別居が両当事者の年齢および同居期間との対比において相当の長期間に及んでいること

Aその間に未成熟の子が存在しないこと

B相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状況におかれる等離婚請求を許容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情がないこと

というものであり、その後の判例も大筋において上記の制限を踏襲していますが、

「別居期間が相当の長期間に及んだかどうかを判断するに当たっては、別居期間と両当事者の年齢および同居期間とを数量的に対比するのみでは足りず、時の経過がこれらの諸事情に与える影響も考慮に入れるべきである」(別居約8年間期間の夫婦最判平2.11.8)

「その間に未成熟の子がある場合でも、ただその一事をもって請求を排斥すべきではなく、有責配偶者の責任の態様・程度、相手方配偶者の婚姻継続についての意思および請求者に対する感情、離婚を認めた場合における精神的・社会的・経済的状態および夫婦間の子、殊に未成熟の子の監護・教育。福祉の状況、別居後に形成された生活関係、時の経過がこれらの諸事情に与える影響等を総合的に考慮して、請求が信義誠実の原則に反するとはいえないときには、有責配偶者からの離婚請求であっても認容することができる」(一番年下の子が、ほぼ高校卒業の年齢に達している最判平6.2.8)

というように、一部制限を緩和或いは判断基準をより明確化して、有責配偶者からの離婚請求を認めています。

 しかし、そのようななかでも、夫婦間に未成熟の子がある場合など、離婚後の相手方配偶者の生活が不安定などとして、信義則に照らして、有責配偶者からの離婚請求を是認しがたいとする高裁判決もだされています。

要約すれば、

 判例は、別居期間中婚姻費用を負担していることにより、信義則上離婚を認める事情のひとつとしています。

 離婚後の相手方配偶者の経済的基盤の問題。

 子の養育や社会生活を送る上での手当等は十分であるかの問題。

 子の養育については、ほぼ高校卒業程度を目途としていると考えられます。