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G】 「人間の心理」を調査に応用


G-1 : 調査対象者の心理状態


 調査対象者の心理状態が、調査結果に及ぼす影響!?


このホームページで言う 「人間の心理」 とは、心理学の専門書に書かれているような難しい内容ではなく、日常生活において、色々な人から言われたひと言や示された態度・行動、あるいは、配慮・工夫によって、人間は色々な感情を抱いたり微妙な心理的変化を起こすというレベルの話です。

調査でも、ちょっとした 「
配慮」 や 「工夫」 があるか否かによって、次のような分岐点が生じます。

 モチベーションが高まったり下がったりする

 興味を感じたり失ったりする

 調査協力の意義を感じたり感じなかったりする

 間違いや勘違いが減ったり増えたりする

 不正行為をしなかったりしたりする


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調査対象者は実査の現場で ’調査 ’ のイメージを形成する!

調査対象者は「実査」の段階で、調査実施者(調査会社)と接点ができます。


その調査対象者が、
出会い( 調査の協力依頼を受けた瞬間) から 別れ(調査が終了) までの間に、’調査実施者 ’ や ’「調査」 自体 ’に対して、色々な感情や印象を抱き、それに基づいて色々な反応をしていきます。
ここでの ’
反応 ’とは、調査の質問に対する ’回答 ’のことですが、この回答がその時に抱いていた感情や印象の影響を受けやすいのです。

 調査実施者の対応が良かったり、「調査」 自体にも問題がなければ、気持が安定した心地良い状態で調査に臨むので、回答内容もより事実・真実に近い意見・評価が出やすくなります。

 ところが、調査実施者の対応が悪かったり、「調査」 自体に問題点や疑問点があると、
不快感やストレスを抱いた状態で調査に臨むので、回答内容は事実・真実とは違う意見・評価が出やすくなります。


このように調査対象者の心理状態の良し悪しが、調査の「品質」や「精度」にも影響を及ぼします。 そのため、調査対象者に心地良い状態で回答してもらうためには、
調査実施者の対応「調査」 自体の内容に、きめ細かな心づかい(配慮や工夫) が求められます。

また、調査に協力したことに
納得・満足したかどうか、あるいは、将来も、調査の協力者になるか否かの判断は、調査対象者が 「実査」 中に抱いていた心理状態によって決まります。

 このように 「実査」 は非常に重要な場となりますから、調査対象者の心理を考えながら慎重に対応してください。


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調査対象者の心を揺るがす要素とは?


調査対象者が調査に協力した時に生じる心理的要素としては、次のようなことが考えられます。

 (最初の接触時) 協力依頼の声をかけられた瞬間、さらに話を聞いてみよ
   うと思った理由は? ・・・ (調査員やリクルーターの) 話術? 風貌?
   服装? 親近感? 調査のテーマ? など


 協力するか否かを最終的に決めた理由は? ・・・ 謝礼? 調査テーマ?
   殺し文句? 調査協力への意義? など

 (調査開始後) 5~10分経過した時点で、調査に協力したことへの後悔
  
不安を感じることがあったか? あったとしたら、どのような点で?

 質問内容や質問フローで、疑問やストレスを感じることがあったか? あっ
   たとしたら、どのような点で?

 回答用の選択肢の内容で、不満を感じることがあったか? あったとした
   ら、どのような点で?

 調査の内容や展開に興味を感じたか? 感じたとしたら、どのような点で?

 調査員の作業の手際や質問文の読み方で、不満やストレスを感じること
   があったか? あったとしたら、どのような点で?

 (インターネット調査の場合) PCの画面上に表示された質問文・選択肢・
   写真
で、不満やストレスを感じることがあったか? あったとしたら、どのよ
   うな点で?

 (座談会の場合) 司会者の態度や雰囲気で、不満やストレスを感じること
   があったか? あったとしたら、どのような点で?

 (座談会の場合) インタビュールームの雰囲気で、気持が集中・リラックス
   できないことがあったか? あったとしたら、どのような点で?

 (会場調査の場合) 会場内の雰囲気で、気持が集中・リラックスできない
   ことがあったか? あったとしたら、どのような点で?

 途中で、調査に協力することに嫌気を感じることがあったか? あったと
   したら、どのような点で?

◇ 調査実施者の「誠実さ」や「心づかい(配慮・工夫)」を感じることがあった
   か? あったとしたら、どのような点で?


 (調査終了後) 謝礼は、回答の手間や所要時間に見合っていたか?

 調査に協力したことに、満足感があったか?


この質問を調査の 「協力者」 に行うことは、それほど困難なことではありません。
問題は ’過去に調査に協力したことはあるが、その時に何らかの理由で悪印象を持ったため 「
非協力者」 になった ’ という離反者から回答を得ることが、かなり困難なことです。

しかし、調査に協力してもらえる人たちを確保・増加していくためには、新規参入の世代へ期待するだけでなく、
「非協力者」になった人が、どのようなことが原因・理由で離反したかをなんとか把握して、再び、「協力者」のグループに戻ってもらうことが必要です。 つまり、離反した調査対象者の心理を知ることが、大切なことです。

【関連項目 : 
最後に - 調査対象者を大切に!

 
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