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A 「調査不信」を招く諸問題


A-2 : 低出現率の調査を低予算で実施


 難易度に見合わない実査費用は手抜き作業を招く!


「安かろう悪かろう」という慣用語がありますが、調査も難易度に見合った予算で実査を行わないと、「品質の低下」や「信頼性の失墜」を招くような事態がおきます。


実査組織」を持たないコンサルティング会社の弊害!?

これはコンサルティングを銘打っている実査組織を持たない調査会社が、実査の部分を実査専門会社に委託した時の出来事です。

コンサルティング会社から指示された「対象者条件」は出現率がかなり低い上に、実査内容(調査手順や質問項目)もかなり煩雑で厳しい内容だったそうです。

そして、与えられた「予算」は、コンサルティング会社がクライアントからもらう調査費の中に計上した実査費から何%かを中抜きした金額だったため、実査が捗らない(例 : 出現率が低いために一日の完了目標数を達成できない)と赤字になりかねないほどの低額だったそうです。


下請けの実査専門会社は、赤字回避のために手抜き作業!?

運転資金のやり繰りが大変だった下請けの実査専門会社は、赤字になることを避けるためにリサーチャーにあるまじき行為をしながら、その仕事に対応したそうです。
その行為とは、会場調査での一日の完了数を高めるために、コンサルティング会社には内緒で対象者条件を勝手に緩和したり、手間のかかる質問を簡略化して行ったということです。 【 この実査専門会社を退社した人の後日談より 】



弱い立場の実査専門会社は、「リサーチャーの良心」を失ないやすい!

力関係で弱い立場にある実査専門会社は、対象者条件の緩和やコストアップをなかなか要求できません。 そのため、厳しい条件の調査を低予算で実施することを強いられると、手抜き作業を考えてしまうのです。

会社を存続させるために喉から手が出るほど仕事が欲しい状況下では、余程、強い良心をもったリサーチャーでない限り、残念ながら、「人間の心理」 として必然の結果を迎えてしまいます。
しかし、このようなことで「調査の信頼性」を失うことは、調査業界にとってはまさに自殺行為です。






  「実査」の重要性の認識が欠如している!


調査(実査)環境の厳しさを知らないコンサルティング会社は、実情に即さない無理な実査方法強要してきます。

それは、次のような理由からです。

 コンサルティング会社に、実査に精通したスタッフがいないため、実査の
  部分を
軽視・無視する傾向がある

 
実査専門会社がコンサルティング会社に対して弱腰なため、現実的でな
  い実査方法や実査費について、改善要求ができない

 クライアントの調査担当者が、提案された実査方法実査費の兼合いが
  適切・適正かどうか判断できない


外資系のコンサルティング会社や調査会社が提案するモデルの中には、日本の実情(調査環境)を軽視・無視した実査方法が散見されます。

調査業界全体で、「実査」の重要性をもっと理解・認識してもらいたいと思います。



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