◆ 調査見積書の内容で、調査会社の基本姿勢が分かる! ◆
調査見積書(コスト / スケジュール)の内容から、調査会社の基本姿勢が確立・徹底しているか、あるいは、調査会社としてのレベルや作成担当者の能力がどの程度かを判断できます。
そのため、調査会社は調査見積書の作成にあたって細心の注意が必要です。
一方、クライアントには調査見積書の内容を精査できる能力が求められます。
調査見積書は、調査会社の能力を反映する!
調査見積書の内容を通じて、次のような事柄が見えてきます。
▷ 経営姿勢や企業体質
▷ 見積書作成の基準や考え方の確立レベル
▷ 公正な考え方をする会社か否か
▷ 作成担当者の思考力・判断力
▷ 作成担当者のリサーチャーとしての知識・能力
▷ 調査プロジェクトを一緒に行う際の信頼度レベル
なお、調査見積書の作成が杜撰な調査会社は、調査業務の遂行においても杜撰な点が多いため、注意が必要です。
≪ 調査会社が調査見積書を作成する際の留意点 ≫
見積金額が安過ぎると「赤字」を招き、高過ぎると「不信」を招く!
調査会社は、調査企画書に明記した「調査目的」、「調査設計」、「実査方法」、「集計・分析方法」に基づいて調査見積書を作成し、クライアントに提出します。
● 調査完了数が同じでも、調査対象者へのアプローチ(訪問、会場、インター
ネットなど)、調査対象者の出現率、分析手法などが異なれば、見積書での
計上項目、単価・数量、実査の所要日数なども異なり、当然、総額で大きな
差が生じます。
従って、見積書の作成時には、調査設計の内容や諸条件を考慮しながら、
慎重に算出することが肝要です。
● 調査見積書の作成者が ’調査(特に、実査の部分)に精通しているか否
か ’、あるいは、’考え方が安易か慎重(心配性)か ’ によって、費用が極
端に高くなったり、安くなったりすることがあります。
妥当な金額なら、調査会社もクライアントも問題はありません。 しかし、
高過ぎればクライアントは不要・不当な費用を支払うことになり、そのこと
が発覚すれば不信感を抱かれます。 一方、安過ぎれば調査会社は調
査設計に即した調査を行うために、赤字になることもあります。
● 調査会社が提出した調査見積書の詳細(計上項目、単価・数量、実査の
所要日数など)について、クライアントから疑問点や不明点の質問を受け
た時は、理路整然とした説明が必要です。
ここで、曖昧な説明をすると不信感を持たれるので、日頃から各項目の
理由や考え方を明確にしておくことです。
≪ クライアントが調査見積書を精査する際の留意点 ≫
不要・不当なコスト請求を防止するためには、見積書の精査が必須!
調査費を適正な範囲で抑えるためには、次のようなコスト管理態勢を整えることが大切です。
● 調査見積書には、コストの内訳明細を必ず要求しましょう。
調査会社によっては、コストの内訳明細(項目・単価・数量など)を示さない
で、単に、調査企画費 OOO円、実査費 OOO円、集計費 OOO円、分析費
OOO円、総額 OOO円というように、大項目の金額しか提示しないことが
あります。
そのような調査会社は、何か訳があって内訳明細を明示したくないか、か
なり大雑把な感覚でビジネスをやっている会社ですから要注意です。
● 調査会社から提出された見積書を項目ごとに精査し、何か疑問や不明な
点がある場合は、必ず、調査会社の説明や見解を聞きましょう。
精査する時のために、調査手法ごとに各項目の単価や数量、あるいは、
一票当りの費用(総額をサンプル数で除算したもの)を把握しておくことが
大切です。
● 調査見積書の内容をチェックする際、その調査会社に過去に発注した時
の見積書と比較して、考え方に一貫性があるかを確認しましょう。
また、他の調査会社に発注した類似の調査における見積書と比較すると、
両社の考え方の違いなどから新たなチェックポイントが増えて、参考になり
ます。
● 調査見積書の精査、あるいは、過去の見積書との比較作業を効率的に行
うために、調査見積書のフォーマット(書式)を統一しておきましょう。
そのフォーマットを、どのような項目や形式にするかが重要なポイントです。
以上のようなチェック作業を怠ると、調査費がいつの間にか膨張していきますから、日頃からコスト管理意識をしっかり持つことが大切です。
なお、調査見積書を作成する際の考え方やルールが確立されていない調査会社は、その会社が行う 「調査」 自体にも疑問符を付けた方がいいでしょう。
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