◆ インタビュアーや調査対象者がいる ’調査の現場 ’は宝の山! ◆
会場調査の現場は、調査会社の調査企画部(営業部)や実査部の担当者が優秀なリサーチャーになるための宝の山です。
調査の現場での厳しい意見が、リサーチャーの間違ったプライドを正す!
会場調査の実査初日に、スーパーバイザー(会場の責任者)やインタビュアー(調査員)のために行われる <説明会> 、 <模擬インタビュー> は、毎回、色々な問題提起をしてくれます。
また、実査中に <インタビューのやり取り> を聴取することも、大変、良い勉強になります。
<説明会>
調査票作成者が考えた調査票や実査手順に対して、スーパーバイザーやインタビュアーから問題点の鋭い指摘があります。
その時に、その意見を冷静・謙虚に受け止め、その場で改善(修正)策を提案したり、その内容を頭に入れて次回に生かすことができれば、ひとつの進歩が見られます。
時には、癇(かん)に障る意見や指摘があるかもしれませんが、その時は謙虚な態度で聞いてください。 あとで、冷静になった時に考えると、その指摘がすごく納得・理解でき、自分の思い上がりだったことに気づくことがあります。
<模擬インタビュー>
インタビュアーの中から ’調査対象者’役と ’インタビュアー’役を選んで行う模擬インタビューは大変有用ですから、毎回、実施してください。
インタビュアー役がたまたま予期せぬ問題に遭遇したことが、見学している他のインタビュアーにも役立つことが多々あります。 勿論、インタビュアーの教育・訓練の場にもなります。
<インタビューのやり取り>
実査中に、インタビュアーと調査対象者のやり取りをさり気なく (出来れば、対象者に影響を与えないようパーティションの裏で) 聞いていると、時には、予期せぬ発見があります。
また、インタビュー終了後に、その完了調査票(原票)の内容に目を通すと、問題点が立体的に把握できます。
ここでの経験や学習は、調査票作成者の考え方がどのような点で配慮に欠けていたか、あるいは、調査対象者やインタビュアーがどうして勘違いや混乱を起こしたか、などの原因を把握できるため、すごく有用な知識となります。
◆ ’調査の現場’で得らえる知識を大切に! ◆
「調査の現実」 を学べる貴重な現場が減少している!
今まで会場調査の現場に立合う機会がなかった方は出来るだけ早く、そして、多くの会場に出向くことをお勧めします。 その理由は、最近、インターネット調査の台頭で、訪問調査だけでなく会場調査も実施本数が減少傾向にあるからです。
そのことは、インタビュアーと調査対象者が対面して行う調査の実施機会が減っている、あるいは、「調査票の問題点」や「対象者の心理」を目の前で学べる貴重な現場が減っていることを意味します。 自分の担当プロジェクト以外でも、現場に積極的に行くことをお勧めします。
現場で学習したことはメモに取り、帰社後に見聞録にまとめよう!
会場に出向いたら、漫然と過してはいけません。 自分が注目・確認したい点を明確に決めて会場に行き、関係者の発言・行動を注意深く観察してください。 目的意識を持ち貪欲に知識を吸収しようとする姿勢が大切です。
そして、毎回、学習したことをメモして帰社しましょう。 それはデスクワークでは得られない内容で、帰社後に作成した見聞録がリサーチャーにとって貴重な財産となります。
◆ 「質問」や「問題点の指摘」が出ないような説明会は疑問符がつく! ◆
これは、本題から多少それますが、実査部の担当者、調査企画部の担当者(つまり、調査票の作成者)、スーパーバイザー、インタビュアー、(時には)クライアントが参加して行われる会場調査の説明会で、実査担当者の説明の声しか聞えてこない状況が続いたら、その説明会には疑問符がつきます。
通常、説明会の場では、調査内容に詳しい調査企画部の担当者やクライアントの担当者が補足説明をしたり、スーパーバイザーやインタビュアーが質問をしたり疑問点の指摘をしたりと、色々な発言・意見が飛び交うものです。
それは ▷ 毎回、新たな疑問点や不明点がある ▷ ほぼ毎回、調査票上でタイプミスや不明確な表現・表示がある ▷ 実査担当者の理解不足で、説明が不明確だったり、不十分なことがある からです。
誰もが気軽に質問・発言できる説明会が理想です。 もし、何も意見が飛び交わない静かな実査説明会しか行わない調査会社がありましたら、説明会の「目的」や「あり方」を考え直された方がいいと思います。
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◆ クライアントも会場調査は「調査の現実」を学ぶ絶好の場!◆
クライアントの調査担当者やブランド担当者の方も、会場調査の説明会に行かれることをお勧めします。
その理由は、日頃、調査会社に任せている調査(特に、実査)の中に色々な問題が内包していることに気づいたり、クライアントとして将来的に改善すべき点は何か、などを確認・認識できる絶好の場だからです。
会場では誠実な態度が求められる!
会場では、現場の関係者を見下した態度や横柄な口調はタブーですから、十分に注意してください。 もし、クライアントに対して悪感情を持たれると、その微妙な感情の変化が調査結果に微妙な影響を与えるかもしれません。
’より良い調査を行うために、皆さんと一緒に考えていきたい ’ という誠実な印象を与えてください。 そのような真摯な態度で調査の立合いに臨めば、調査会社の実査担当者をはじめ、スーパーバイザーやインタビュアーに心地良い緊張感を与えることができ、調査の「質の向上」にも役立ちます。 ぜひ、実行してください。
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