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E 調査会社とクライアントの健全なあり方


E-2 : 調査会社はクライアントによって成長


 調査会社とクライアントの間には適度な緊張感が必要!


調査会社とクライアントが、同一レベルの厳しさを保ちながら健全な関係を構築すると、調査の「品質」や「信頼性」の向上が期待できます。


人間の態度は、相手の態度によって変わる!

人間は、厳格な人に対しては緊張感を持って対応しますが、考え方の甘い人に対しては気が緩みがちになります。

調査の世界においても、
クライアントの調査担当部署の責任者や担当者の意識・態度によって、調査会社の仕事振りは明らかに変わります。
例えば、クライアントの考え方が甘いと、調査会社の担当者には緊張感がなくなり、仕事内容が雑になったりミスを頻発するようになり、必然的に、調査の品質も低下します。


このような気の緩みを起こさないために、クライアントと調査会社は次のようなことを心がけるべきです。

 クライアントの調査担当部署の責任者や担当者が心がけること

 調査に関する見識・知識・経験を十分に身につけ、調査会社と対等に議論が
  出来るようにする

 正確性や公正性を常に意識しながら、フェアな判断や決定を行う

 調査会社に対して毅然とした態度で接するが、クライアント目線や横柄な態度
  はとらない

 調査の全プロセス(調査設計・調査票作成・実査・集計・報告書作成)に関心
  を持ち、調査会社と十分なコミュニケーションをとる

 調査のプロセスにおける各作業を調査会社任せにしないで、随所で、クライ
  アント視点によるチェック作業を行う



 社内のユーザーは、調査担当者の能力や適性をチェックしている!

クライアントの調査担当部署の責任者や担当者が、このような努力をすることによって、
調査会社と良好な関係を築くことができ、調査の「精度」も必然的に高まっていきます。
また、リサーチャーとしての能力が
社内のユーザー(ブランド担当者や経営幹部)からも評価され、信頼性も高まります。


 調査会社の担当者やその上司が心がけること 

 調査に関する見識・知識・経験はもとより、各種調査技法・分析技法も身に
  つけ、クライアントに説得力のある説明や提案が出来るようにする


 正確性や公正性を常に意識しながら、リサーチャーにふさわしい判断や決定
  を行う

・ 
クライアントに対して自負心を持って接するが、もし、ミスや不手際があった時
  には正直に報告し、誠実に対処する

 調査の全プロセス(調査設計・調査票作成・実査・集計・報告書作成)の各段
  階で、クライアントと十分なコミュニケーションをとる

 調査プロセスの中で、クライアントの判断を要するところは、随時、相談をしな
  がら決める



 クライアントは、調査会社の各担当者の能力や適性をチェックしている!

調査会社の担当者が、このような努力をすることによって、
クライアントからの評価・信頼が高まり、同時に、調査の「精度」も高まっていきます。
また、リサーチャーとしての能力が
社内の同僚や競合会社の人に比べて高まり、ステップアップのチャンスも出てきます。


なお、クライアントの調査担当者で調査にくわしくない人と仕事をするのは楽かもしれません。 しかし、緊張感のない仕事を続けていると、自分自身がリサーチャーとして成長する機会を失います。
クライアントから理にかなった注意を受けたり、ユーザー視点の有意義な指摘を受けながら、適度な緊張感の中で仕事をする方が、優秀なリサーチャーになるためには得策です。




 クライアントの誠実な態度が、調査会社と良好な関係を築く!



クライアントが調査会社に仕事を安心して発注できる状況をつくるためには、調査会社と
会社レベルの信頼関係を築くことが大切です。


調査会社の受入れ態勢に不満を感じる時は経営幹部とミーティング!

調査会社の経営姿勢や受け入れ態勢に問題がある場合は、実務担当者とその上司も同席の上で、その会社の経営幹部とミーティングを持ち、問題の解決や改善に向けて具体的な提案・要求を行うことです。
その際、クライアントはそのミーティングに誠実な態度でのぞみ、率直な感想と筋の通った指摘や要望をはっきりと言うことが大切です。

このような過程を経て問題が
解決・改善できれば、まず、調査会社とクライアントの会社レベルの信頼関係が築かれます。 そして、実務担当者が会社の対応に何かと不満を感じていたことが、外圧(クライアント)によって改善・解決されると、その実務担当者のクライアントに対する気持や意識に変化が芽生えるはずです。

そのようにして築かれた良好な関係で日常業務に取組めば、誠実なリサーチャーは
著しい成長を示し、延いては、調査の「品質」や「信頼性」の向上にも役立ちます。


 仕事に対する熱意やリサーチャーとしての自負心を持つ社員が多い調査会社ならば、クライアントが誠意や熱意を示すことによって、その社員たちはそれに応えようと努力をし、色々な点で良い結果が生まれてくるものです。
調査会社はクライアントによって成長する’ と言っても過言ではありません。 


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