| ザッ・・! 「本部より、エドノキバ・・・。」
 その部屋、都市の真ん中に放棄された廃ビルの一室にはあまりにも奇妙な風景が広がっていた。
 ザザッ・・!
 「状況を報告せよ・・・・繰り返す。」
 立ち込める硝煙とその臭い、それと床に散らばる、大量の空薬莢。
 そして・・・。
 「エドノキバ!状況を・・・・」
 その上に転がる・・・黒い固まり達。
 ザッ!
 ピッ。
 固まりの一つが動いた。
 「本部より、状況を・・・。」
 「ばっ・・・・。」
 黒い固まりの中から腕が伸びた。
 「化け物だ・・・・。」
 その固まり、「A.G」をまとった突入班員は今にも消え入りそうな声で、通信機に返答した。
 「俺の銃・・・」その部屋から壁一つ隔てた、廃ビルの廊下。
 男、狼を思わせる顔立ちの突入班員の一員らしき男は口を開いた。
 「かぇ・・!」
 ―――パァァァン!!
 漆黒の外装を持つ。彼の目の前のソレ、・・・。
 『怪物』の手の中の銃が作動した。
 「!!」
 ―――かわせない!
 そう反射的に感じた男は装甲の付いた腕で生身の頭をかばう。
 ギィン!
 腕を伝わる強い衝撃と、はぜ散る火花。
 きぃん!ガコッ!きぃん・・・
 更に1発、更に1発・・・。
 男は、間髪入れず重なる衝撃の中、だんだんと体が重くなって行くのを感じた。
 「くっ・・・!!」
 銃撃を受けながら、体を崩すその男・・・粟倉は『怪物』を睨み付ける。
 「A,Gのジョイントパーツだけをねらって・・!!」
 接続部分を攻撃され、すでにただの鉄の塊となったA,Gにむかい、銃を捨てた『怪物』がダッシュをかける。
 「あ・・・・・。」
 埃と粉塵の舞う、通路を赤い光を携え、『怪物』が駿足で迫る
 「あああああああああああ!!!!」
 粟倉の絶叫が昼なお暗い通路にこだました・・・。
 Kinta焦点がまだぼやけている、
 『彼女』は目を凝らす、視界が定まってゆく。
 白い天井。
 『彼女』の周りには点滴や医療器具とおぼしき多くの機械がおかれている。
 ここは病院の一室の様である。
 「あの人は・・・・」
 Serialnumber
 ガコン!!
 奇跡に近い行動だった、動かない鉄の塊を背負いながら高速で迫る敵をかわすというのは。さばききれなかった肩を持ってかれながら粟倉は通過する黒い怪物の赤い目を見た。
 「・・・・!?」
 錯覚だろう、本人ですらそう思ったのだから。
 怪物の、赤い光をたたえた可動式の眼球の中に自分でない人の姿が写っていた・・・。
 0_R
 「あの人は・・・・。」
 『彼女』は呆然と呟く。
 
 ―engage
 「花嫁・・・。」ピッ・ピッ・ピッ・・・
 『彼女』の傍らでは無気味な音を立てて、心音計が数字を刻んでいた。
 R(e)MIXforANIMEMEISON'Smikaihoo/PRESENTS......
 
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