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抽象画研究会のページ ──



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『漣景 - circuration』

抽象画研究会(SSAW) 第二回展


●今年('08)の展覧会に向けて行った課題の概要
 この課題は2007年10月から2008年4月まで続いた。

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《リサイクルゲーム》
ルール
1.与えられたモノに関する何かを作る。
  その「何か」は、平面・立体どちらでもOK。
2.最低3日に一度は、与えられたモノについてのドローイングを描く。
3.次の集会で、ドローイングと「何か」を披露する。
4.与えられたモノと作った「何か」を次の人に渡す。
  (モノの受け渡しは、アイウエオ順。)
  直接「モノ」に手を加えた場合は、「モノ」と「何か」が同一の場合もあり得る。
5.受け取った「モノ」、「何か」、あるいはその両方に関する何かを作る。
6.以下、繰り返し。

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以下は、各人に最初に手渡された素材。

川崎さん    → プラ板(パンチング)
齋藤さん    → 磁石(ドーナツ型)
塚原さん    → 電気コード(赤・白)
松浦さん    → 銅クギ(一箱)
吉田清子さん  → ボルト&ナット
吉田千津子さん → 鏡面円盤(ハードディスク) 

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■今年の展覧会について
  昨年の展覧会を終えて講座は一区切りついた。今後の展開をイメージすることは困難
 だった。そこで、以前から気になっていたヴィジュアルコミュニケーションを、即興的
 なものではなく、より長い時間をかけて行う作業を通して自己表現を考えてもらうこと
 にした。
  「素材」は私の作業部屋の中にあるこれといって特徴の無い無機質なモノを選んだ。
  ミーティングを重ねるうちに、この課題のポイントは、味も素っ気もない素材をいか
 に料理してテーブルに出すかということ。作品制作に懸かる画材の方法論よりも、それ
 以前の「素材」を自分の中に取り込む方法を見つけることだとわかった。
  メンバーそれぞれに、多くのドローイングやアイデアスケッチを要求した。毎回提示
 される作品は、平面に限らず立体的なオブジェやレリーフになることもあった。
  出品作品はどれもここ数ヶ月の間に作られたものです。課題《リサイクルゲーム》を
 通しておもてに現れてきた作品のテーマ、画材、大きさ等、メンバーそれぞれが苦しみ
 ながら辿り着いた現在地点を表現したものです。


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◆抽象画研究会について
  この会は文京区民大学の「抽象画を描こう」という絵画の講座を継続する形で2003年
 4月にスタートした。当初とは参加メンバーも、講座の内容も大きく変わってきている。
 個人的には、絵を描く行為そのものが世界を抽象化することだと思っているので、”抽象
 画”という言葉をやめて、単に”絵画”研究会としても良いのではないかと思うが、しっくり
 くる名称に心当たりのないまま現在に至っている。
  今年になって会の略称をSSAWとした。”A Society for the Study of Art Works” の
 頭文字をとった。SSAWは日本特有の季節感を表す記号でもある。Spring, Summer, 
 Autumn, Winter 春夏秋冬である。去年の展覧会名を考えた時もそうだったが、繰り返し
 やってくるイメージ群、展覧会、〆切、一年、波、生と死、季節、といった言葉が頭の中
 で必ずヒットする。ダラダラ反復することは避けたいと思うのだが、やたらとあちこちグ
 ルグル回る性分は、DNAが螺旋を描く以上、仕方ないことなのかもしれない。出来ればど
 こかで断ち切りたいところだ。たとえば ” ボルトギロチン " を使って。

                            2008.09.15   鬼頭 明稚




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■「漣景」展 出品者コメント

  人と人とは「好き」でも「嫌い」でもお互いその瞬間、すごいオーラで感じあっている
 と思うのです。暖かいオーラ、冷たいオーラ、憎々しいオーラ、からみつく様なオーラ・
 ・・。 引きつけたり、反発しあったり、からみついたり。でも、そこに存在する限り離
 れられない。
  今回の『標本』では1人対1人か、数人のオーラのサンプルとして描きました。たとえ
 ば、自分の中での人間関係を全て描くとしたら、画廊いっぱいになってしまうかも知れま
 せんネ。人は、たった1人では存在できないのでしょうか・・・。
                                    川崎 重美





  足づくしでした。その足が何かと進まず足踏み状態となり、最後はギブアップかな、と
 思いましたが、どうにか首の皮が一枚つながったかどうかと言うところでしょうか。
 ほんとうに大変でした。
                                    齋藤 堯子










  リサイクルの各試料は、イメージが小さくなるばかりでした。最初の電線コードに戻っ
 て、やはり固まりそうなイメージから自由になろうと努めて、「線」となりました。線と
 遊ぶか戦うかとかは思っても、やっと色をつけて遊ぶことと、今の自分に出来るだけの直
 線を描くことに挑戦してみることだけで終わりました。
                                   塚原 眞佐子








  抽象画研究会は毎回難しい課題が出ます。ここ半年ぐらいは『リサイクルゲーム』とい
 うのをしました。その名とおり、これといって魅力のないビニールコードや磁石、プラ板、
 銅クギなどがまわって来て、作品を作るというものでした。
  「雪の音を聞いて」は、穴のあいたプラスチック板から広がっていったものを、本の形
 式にしてみました。今回展示したものは、その中の一部です。
 イメージを膨らませて見ていただければ幸いです。
                                    松浦 敏子






  最初に取り掛かった作品は、講座で関わった6つの題材の流れもあってボルトとナット
 を元に身近に見えるものの線や形を組み合わせて出来ました。後の2枚は最初の作品を視
 野に入れて修正した連作です。
                                    吉田 清子









  突然の豪雨で大きな水たまりが出来た。頭から離れなかった”映し出された形”が、水た
 まりに現れた。木、草、空、グランドのネット、轍の跡・・・。少し凹のある公園の片す
 みが、それは魅力的な姿になって燦めいていた。
                                    吉田 千津子







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