にやり・・・。
タイミング的に相打ちだった、しかしこちらは運良く防御も出来た。
それに・・・。
 ドォォォン!!
空中でバランスを崩した怪物は勢いあまり、そのまま部屋の外まで飛んでいった。
轟音。かなりの勢いで、外のろうかの壁に突っ込んだのだろう。
 おそらく、すぐに攻撃には移れまい。
粟倉は立ち上がりながら確信する。
―ガッ!
粟倉は部屋から飛び出た。

 まだ、廊下には怪物が壁に激突したとき出た粉塵がけむっていた。
「どこだ・・!?」
粟倉は暗視装置をはずしたことに今更ながら後悔した。
「!?」
背筋に寒気が走った。
粟倉は後方に振り向き・・・。
 いた。
怪物が銃を構え。
彼を狙っていた。
「くっ!」
 粟倉は慌てて銃を構えようとする・・・が。
無い。手の中にあるべきはずの銃が・・・。
粟倉は怪物を、青ざめた顔でかえり見た。
「おいっ・・・。」
怪物の体中に仕組まれた赤いセンサーが一斉に彼を捉える。
「俺の銃、かぇ!!!」
彼の言葉をさえぎるように・・・。
怪物の手の中で黄色いノズルスパークと、何かが破裂するような音とともに、銃が作動した。
ブローバックから飛び出た、空薬莢が宙を舞う・・・。

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