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今回は 7月の江戸散歩 「お岩の墓から鬼子母神」のように またお墓巡りになってしまったが 幸い途中に六義園があるので救われた。 しかし六義園の紅葉にはまだ早く、写真はわずかに紅葉している部分を切り取って我慢するより仕様がなかった。11月末ぐらいが見頃のようだ。今回はなるべくお墓は写さないようにした。


日時: 2010年11月9日
交通: 南北線 本駒込駅、 帰り 山手線 巣鴨駅 
ルート: 高林寺〜養源寺〜蓮光寺〜駒込土物店跡(天栄寺)〜目赤不動〜吉祥寺〜天祖神社〜駒込名主屋敷〜富士神社
〜六義園〜染井霊園〜本妙寺〜高岩寺(とげぬき地蔵) 徒歩約 5キロ

最初の予定にはなかったが 養源寺に行く途中立ち寄った寺。 ここ高林寺には緒方洪庵の墓があった。
養源寺。 この寺は春日局の長男稲葉正勝が開基したもので 江戸時代の儒学者 安井息軒の墓などがある。
養源寺の墓所にあった真っ赤な落ち葉。
  蓮光寺の本堂。養源寺の近くにある蓮光寺に寄ってみる、北方探検家 最上徳内の墓がある。 写真はTさん提供。 
天栄寺。 この寺の門前に 江戸時代幕府の3大御用市場(他は神田と千住)の一つであった馬込土物店の跡の碑がある。当時天栄寺境内で近郊の農民が野菜を担いで来てこの境内のサイカチの木の下で休んでいたが 近所の人々が野菜を買い求めて集まって来たのが始まりと言われている(現在は移転して巣鴨の豊島青果市場となって現在に至っている)。
目赤不動尊のある南谷寺境内、江戸5色不動の一つ。
吉祥寺の長い参道。 吉祥寺はかって水道橋にあったが 明暦の大火でこの地に移ってきたもの。当時の門前町にいた人々はこの地には移らず 武蔵野市方面に移り住み 現在の吉祥寺と言う名前にしたと言う。
本堂に行く途中 見かけた木洩れ日の中にたたずむ大きな大仏様。品川宿にある品川寺(ほんせんじ)にも似た様なものがあった。
その他 途中には「八百屋お七」の物語で有名なお七と吉三郎の碑がある。お七は火事で避難場所となった吉祥寺で吉三に会ったが忘れられず あさはかにもまた火事になれば吉三に会えると思い放火をして捕まり 鈴鹿森刑場で火あぶりの刑になったと言う恋物語。 お七の墓は今回寄らなかったが白山の円乗寺にある。
ようやく本堂が見えた。曹洞宗の古刹。山門と経堂が当時のまま残っている。
  歴史を感じさせる経堂。 写真はHさん提供。 
境内の落ち葉、鐘堂の周りのここだけ葉が落ちていた。
長い参道の両脇は墓所となっている。二宮尊徳や榎本武揚などの墓があり都内でも有数の大きな寺だ。吉祥寺には学坊(栴壇林)があり 当時湯島聖堂と双璧をなしていた。 現在の駒澤大学は栴壇林を前身とする。
天祖神社。源頼朝が天照大神を祀ったと言う。獅子のような狛犬が守っていた。この近くに駒込名主屋敷(高木家)があるが現在も子孫の方が住んでいるようだ。
富士神社の階段とその脇にある神木。 江戸時代は富士講のための富士塚が各地にあり ここの富士塚も「駒込のお富士さん」と言われ人気があったそうだ。
六義園正門入った所にある しだれ桜の大樹。ここの桜はカメラマンにも有名らしいが今まで気がつかなかった。 桜はもちろん咲いておらず枯葉で光も上手く当たっていなかったので 色温度を変えて桜が咲いているようなイメージにしてみた。
六義園内の池のほとりに一部分だけ紅葉している木があったので切り取る。
紅葉と深緑に囲まれる茶屋。
落ち葉で埋まった水辺 モネをイメージしてみた。
モネもう一枚。
これはわずかにあった 本物(もみじ)の紅葉。
赤く浮かび上がっている紅葉を切り取る。
   こんな所もあったようです。残念ながら順光で紅葉が映えていないが いかにも紅葉狩りを楽しむために用意されたようなスポットです。 写真はTさん提供。 
藤波橋あたりの水辺にて。
周りが紅葉すれば赤く染まっているのだろうが 川面はまだ青緑色に映っている。
手前のもみじは まだ紅葉していないが紅葉を撮るにはベストスポットの渡月橋。
橋を渡る人は皆カメラか携帯で写真を撮るようだ。
まだ紅葉には早かったが このはぜの木だけは今が見頃。
水鳥も紅葉の下で一休み。
染井霊園に行く途中の橋の欄干にも桜のレリーフが飾られている。この辺り(当時の染井村)は江戸時代植木職人が多くいて 現在日本の桜の八割以上を占めているソメイヨシノは、オオシマザクラとエドヒガンを掛け合わせて「吉野桜」(ソメイヨシノ)として ここで売り出したことによる。
染井霊園はもと播州林田藩建部家の下屋敷跡。霊園にはソメイヨシノの並木が続き 二葉亭四迷、高村光太郎と智恵子、岡倉天心など明治大正の多くの著名人が眠っている。
二葉亭四迷の墓の近くに真新しい洋式の墓石があり 一人のご婦人が熱心にお祈りしていました。ご遺族の方かと思い話しかけると 実はそれはバイオリストの巌本真理(メリー エステル)さんのもので 彼女は真理さんの大のファンだったそうです。 よく家への帰り道に寄ってお祈りしているそうですが、お墓が朽ちているのに少々心を痛めていたようです。ところが今日来て見ると真新しい洋式の墓石になっいるので よほど嬉しかったのか 色々と巌本真理さんのことを話してくれました。私は浅学で残念ながら彼女が日本の有名な昭和期のバイオリニストだったということは知りませんでした。
本妙寺。本妙寺はもと本郷にあり 振袖火事で有名な明暦の大火の火元とされているが 隣にあった武家屋敷の失火によるものとか 由井正雪の乱の残党の仕業とか言う説もある。通常失火元がすぐに再建されることはなく 江戸市民の不安を取り除くため あえて火元役を引き受けたのではないかと言うものである。
この寺には江戸町奉行遠山金四郎景元、北辰一刀流の開祖千葉周作、本因坊歴代の墓がある。 尚 私の義父の墓もあり お参りすることができた。
とげぬき地蔵がある高岩寺門前の托鉢僧。100円お布施して写真を撮らせてもらう。
今日の江戸散歩はとげぬき地蔵近くのカフェでお茶をして巣鴨駅から帰る。いつもカプチーノしか頼まないメンバーのHさんのカプチーノに可愛い熊の絵が描かれていたので記念に一枚。

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