今回はトップロープでの岩登り練習で是非覚えておきたいことをご紹介。さて、テンションで降りることを『ロワーダウン』と言いますが、安全なロワーダウンの方法(降り方)はどれ?
(1)ハーネスに連結されている側のメインロープを「両手」でしっかりとつかむ。
(2)ハーネスに連結されている側のメインロープを「片手」でつかみ、半身となる。
(3)ロープは一切つかまず、両手を大きく広げバランスを取りながら降りる。
(4)「反対側(ビレイヤーに連結されている側)」のロープをつかみながら降りる。
いかがですか。あなたはどのようにしてロワーダウンで降りていますか? これも、いろいろ考え方があるかもしれませんが、事故の確率を一番減らせるのは、間違いなく、(4)です。
ビレイヤー側のロープをつかんでいれば、万一ビレイヤーが手を離しても、万一ビレイヤーが落石で気を失っても、万一ビレイヤーが心臓麻痺で突然死しても、落ちることはありません。
また、そういった極端なケースではない場合でも有効です。例えば、クライマーが終了点につき、『テンションで降りまーす!』と声を掛けたとします。しかし、風の影響などで、『懸垂で降りまーす』とビレイヤーに聞こえるかもしれません。懸垂下降なら、ビレイヤーは当然ビレーを解除することになり、悲惨な事故へとつながります。
ですから、まず降り始めの2〜3mだけでも、反対側のロープをつかんで降りることが大切です。そして、ビレイヤーがきちんと降ろしてくれていると確認できたあとは、半身になって下方向を確認しながら降りるのが良いでしょう。「最初は(4)で、途中から(2)」、これが私のオススメです。
※「続・生と死の分岐点」の170頁にも、似たようなことが書いてありました。
無名山塾・本科会報「月刊 岩小舎」に連載