早いもので2003年も残すところあとわずかです。(この号がお手元に届く頃には、2004年になっているかもしれません)先月号のコラムでは、2003年の講習を受講者の多かったベストテンという形で振り返りましたが、今月は『十大ニュース』の発表です。
山塾本科で今年起きたいろんな出来事。辛かったこと、楽しかったこと、感動したこと、ビックリしたこと、悲しかったこと・・・、皆それぞれが色々なことを一年の間に体験してきました。そうした中から印象に残った出来事を、本科生や同人の皆さんに投票して頂きましたので、10のトピックスとしてここにご紹介することにします。(12月11日集計)
第10位 技術委員会、月一回に定例化
6月から技術委員会が、月一回開催されることになりました。「技術委員会」って何?と思っていた私たち本科生にとって、ようやくその存在意義が分かってきました。また、技術委員会と直接関係はありませんが、今年から月例山行が始まりました。今のところ、まだ3月の安達太良と11月のわらじ納めだけですが、今後は、技術委員会主導で月例山行が企画されるようになればいいな・・・という声もチラホラあるようです。金沢委員長よろしくお願いします。
第9位 人工壁トレーニングが本科生に浸透
人工壁のための人工壁トレーニングではなく、私たち本科生それぞれが、それぞれのやりたい山のための人工壁トレーニング。岩崎さんの考えに反するものでは全然ありません。各自で、会社帰りや時間のあるときなど、練習をする人が増えています。
第8位 新保氏、山塾講師に復活
新保さんが6月から山塾講師として再登板しました。主にマスターステップを担当ということで、小川山クライミングや一ノ倉の本番ルートもありました。初めて教わる技術もたくさんあり、とても勉強になりました。
第7位 白毛門、飲み過ぎで沈没者多数
今や伝説となった2月の講習会。夜中、シュラフの中にゲロってしまったI君や、二日酔いの中、死ぬ思いで登った人々多数あり。
第6位 新ハイもビックリ!八子ヶ峰であわや遭難
山スキー初体験メニューとして企画された日帰り講習。明るいうちに下りる予定が、遅れに遅れて夜8時に下山。下山場所も予定とは全く違った場所になり、とあるホテルの庭に出てしまいました。S氏の奥さんが心配して警察に通報しあわや遭難騒ぎに。
第5位 長谷川カップ、M同人とY本科生が完走
71.5kmの日本山岳耐久レースで、同人のM氏と本科のY氏が出場。二人とも見事完走しました。M氏は自己ベストを更新する12時間で、Y氏は16時間20分でゴールしました。来年は山塾からチーム(3人編成)でエントリーしたいものです。
第4位 水無川集中。沢初めの好企画、戸沢に集結
2ヶ月前から練りに練った沢登りの集中企画。コースの選択、グループ分け、技術委員会との折衝など、企画者のI氏は大変なエネルギーを使ったはず。この場を借りて御礼申し上げます。このほかにも、今年一年、自主山行が盛んに行われました。
さて、ベスト3を発表する、その前に・・・、
『番外』です。
◆その壱 天気には勝てない? 講習中止が相次ぐ
夏には『北岳バットレス』が雨で二週連続中止、さらに『南ア大無間・小無間』も中止となりました。また、この冬、山スキーの『かぐらシーズンインフェスタ』も雪不足のため残念ながら中止。そう言えば、夏は講習中止の残念会を池袋で開催。朝までカラオケでウサを晴らしました。
◆その弐 韓国インスボンにS氏とH氏が遠征
スラブとクラックの素晴らしいマルチピッチクライミングが楽しめるというインスボンへお二人が行ってこられました。海外でのクライミング経験は貴重なものだったのではないかと思います。私たちもいつか海外の岩や山に登ってみたいものです。
◆その参 深川SCの人工壁閉鎖が決定
山塾が管理している深川スポーツセンターのクライミングウォールが来年3月に閉鎖されることになりました。講習会での事故が影響したようですが、ちょっと残念です。
◆その四 次期編集長に山野美香さん決定
シーアップワールドの編集長は来春から山野美香さんが引き継ぐことになりました。現編集長の末木さん、あと3ヶ月どうぞよろしくお願いいたします。次期編集長の山野美香さん、4月からどうぞよろしくお願いいたします。
では、いよいよ、ベスト3の発表です。
第3位 前主任講師独立。工藤・金澤新体制へ
前主任講師のM氏が3月に独立、それに伴い、工藤さんが主任講師になり、金澤さんがそのまま技術委員長という新体制がスタートしました。それにしても、山塾本科の山スキー、スノーシュー、ビーコン等がM氏独立と共に全て消え去ったのには本科生一同、唖然呆然。
第2位 大鹿村集中、分杭峠でゼロ磁場効果体験
11月の三連休、南アルプスと中央アルプスで自主集中。その後、ゼロ磁場の不思議な効果があるという分杭峠近くの大鹿村に集結。豪快に飲み、豪快に酔っ払った人も数知れず。例によって、本科生と講師が活発に議論しました。分杭峠効果でヒザ痛が直った人も。
第1位 剱合宿。16時間行動で八峰から本峰登頂
夏合宿は二年ぶりに剱岳。天候にも恵まれ、八峰上半部を縦走し、北方稜線から剱本峰に立ちました。
剱沢のBCを朝4時に出て、戻ったのは夜8時過ぎ。日はとっぷりと暮れていましたが、参加した多くの本科生にとって、たいへん思い出深い山行となりました。
『新人クライマーのひとりごと』は今月号で最終回となります。一年間、つたない文章を読んで頂き、どうもありがとうございました。少し充電期間をおいて、来春からパワーアップした内容で、再開する予定です。
無名山塾・会報「C-UPワールド」2003年12月号に掲載