■2万5000分の1 地図の読み方/平塚晶人(小学館)
この本を読まずして、ルートファインディングは始まらない。重箱の隅をつつくような恐るべき地図読みの手法はリーダー必読。
■登山の運動生理学百科/山本正嘉(東京新聞)
山に登るなら、これを読むべし。
■沢登りの本/岩崎元郎(白水社)
沢に登るなら、これを読むべし。
■最新クライミング技術/菊地敏之(東京新聞)
岩に登るなら、これを読むべし。新保講師はビレイの章に異論を唱えているが、本科生なら、まずは一読して自分なりに考えてみたい。
■新版 邂逅の山/手塚宗求(平凡社)
今月3日、白樺湖へ出張に行ったついでに霧ケ峰の車山肩まで足を伸ばした。あぁ、コロボックルヒュッテはここにあるんだ・・・と思いつつ中に入り高原牛乳を一杯飲む。そのときに買った一冊。手塚氏は昭和31年から小屋を守っている。その珠玉の随想集。
■山小屋の主人の炉端話/工藤隆雄(東京新聞)
36の山小屋の主人が語る話はどれも秀逸。事実は小説よりも奇なり。山小屋には様々なドラマがある。
■殺意の三面峡谷/太田蘭三(祥伝社)
「脱獄山脈」「誘拐山脈」とこの3作を読んでみたが沢の季節なのでこれを推薦。ミステリーとしては二流だが沢や登攀の描写はワクワクだ。
■遠き雪嶺/谷甲州(角川書店)
「白き峰の男」の谷甲州が、日本初の本格ヒマラヤ登山となった立教大のナンダコート登頂を淡々と描いた。熱い思いが静かに伝わってくる。
■処女峰アンナプルナ/モーリス・エルゾーグ(山と渓谷社)
人類初の8000m峰登頂の陰には、こんな苦難があったとは・・・。
■荒野へ/ジョン・クラカワー(集英社)
エヴェレストでの大量遭難を描いたクラカワーの「空へ」は有名だがあえてこちらを推す。アラスカで衰弱死した青年の足跡を追い、何故彼は荒野を目指したのかをルポ。我々が山を目指す理由も同時に考えさせられる。
■ヒト、山に登る/柏瀬祐之(白水社)
近代文明開化のきっかけはモンブラン登頂であった・・・、という独自の論や、人は何故山に登るのかといったやや哲学っぽいが、興味深い内容。
■クマにあったらどうするか/姉崎等(木楽舎)
クマ研究家の22期A人氏にオススメしたい。アイヌ最後の熊撃ちハンターが語るヒグマの全て。説得力が違う。
■百名山の人 深田久弥伝/田澤拓也(TBSブリタニカ)
深田久弥の意外な人間像が浮かび上がる。日本百名山に関心があるなら是非読みたい。
■世界百名山I〜V/白川義員(小学館)
現在、世界百名瀑を撮っている世界的(?)写真家白川義員の写真集。登ったこともない山の写真を、3冊も見るのは疲れる。一冊3万8000円と超高価。興味があれば、図書館で借りよう。
無名山塾・会報「C-UPワールド」2003年6月号に掲載