【山塾の夏山サバイバル講習】 
                
 7月に山塾で例年行われる夏山サバイバル講習会がある。山でのトラブルから身を守る心構えとその技術の習得をすることが目的だ。
CUや研修参加と研究生以上でも何度も参加することでより確実にものにする。また本科メンバーとのコミュニケーションをつけるいいチャンスでもある。技術委員会としてバックアップするときだ。

ここでの内容は、 
 1.基本的ロープワーク再確認
 2.懸垂下降でのトラブル処理
 3.ビレー時のトラブル処理 
 4.渡渉など沢でのロープワーク 
 5.その他 

 これらを通じて、ピンチに至らないための技術的な対応策とセンスを養う。当日は時間的な制約もあり技術的な面を先行させてしまうが、身を守るという心構えは山に出かけようと思った瞬間から始まる。
 山に出かけるとき、いい意味も悪い意味でもドキドキすることはいくらでもあると思う。計画段階では、山域についての情報や準備する用具や食料そしてメンバーのこと、出発時では天候やアプローチ手段でのトラブル、行動中では天候や行動ペースそして地図読みや行動判断など、不安に思う要素はいくらでもある。漠然とした不安な要素もなにがどう足りないのかなど、はっきりわかっているだけでもかなり余裕が出てくると思う。そう、かなりの部分、出発前の準備での心構えで変わってくると思う。
それにはどんなことがあるだろうか、
 1.山に入るための環境作り{自分の気持ち別の言い方すればモチベーション・周囲への配慮、山行計画書や山岳保険といったことも含めてです} 
 2.山の知識の収集{山域の情報や読図・気象・動物の生態その他}
 3.山の道具(必須アイテム)忘れちゃならないツェルトやヘッドランプなど 
 4.そして四つ目に事前に習得が必要となるロープワークがある。
 あ〜っ、山ってかなりエネルギーいるよな。それに始まっちゃうと途中でリセットするのも大変だし・・・。と、そうはいっても、はじめから上を目指すと大変なだけで、段階的に順を追っていけばなんとかなるというもの。
 こんな事前の準備や心構え。そして技術的な習得そして臨機に創意と工夫。それでも防げないピンチ一歩手前の数々。おしゃべりなどに気を取られ道を間違ったり踏み外したり。また思い込みによるルートの判断ミス。なぜか同じ環境にいるとメンバーがみんな催眠術にでもかかったように同じ思い込みをしていることも・・・ま、笑い話で終わればいいのだけれど。
 そうそう北アルプスの縦走での話。ガスの中、地図読みしながら尾根を進む。小屋が出てきてホッ!! その中で小休止。さあ、出発だ。さらに濃くなってくるガス。地図とコンパス出してメンバーのひとりが確認し、進路の北に向かう。しばらくして他のメンバーが「あれっ、ここさっき通過した地形に似てない?」「え〜っ!コンパスで確認したじゃない。見てよ、北でしょ北、コンパスの針は白いほうが北、寒いイメージから白いほう。赤いほうが暑い南のイメージだから南でしょ、ね」「・・・・・・・・」
 あ、この話、別にオヤジギャグではないですよ、ホントにあった話だそうです。人って特殊な環境では何を考えてしまうかわかりませんね。本当に。

 ともかく思い込みが過ぎるといろいろトラブルも・・・視野を広くがいいのかな。