自主の記録

2005/9/19(月)
奥多摩/小坂志川 ウルシゲ谷沢右俣遡行&左俣下降


◆メンバー 久野眞由美(L)、南谷やすえ、伊藤幸雄、伊藤栄子
◆記録    久野眞由美


 今年は残暑が長い。奥多摩の林では、さすがにセミの声より秋虫の声が大きく聞こえるにもかかわらず、この日も暑い日でした。
 小坂志林道の湯場ノ沢出合付近の小広い所に駐車して、ウルシゲ谷沢出合まで林道を歩く。程なく出合で、橋の脇のウルシゲ谷沢に沿う林道(現在の遡行図には記載なし)を上流へ。10分少々でこの林道は終点となり、そこから沢へ踏み跡が続いていた。
 入渓してしばらくは、小坂志川と同じような緩やかな流れの中をジャボジャボと沢歩きをしていくが、いきなり薄暗いゴルジュへ入り、小滝や滑が現れようやく沢登りらしくなる。ゴルジュを抜けた先で、ウルシゲ谷沢の右俣と左俣が分かれる二俣となる。
 右俣は、のっけから4段28m滝。水流は少ないが、1段目15m滝は水流の中の直上の、シャワークライミング。4段どの滝も幅が狭いクラック状だが、ホールド・スタンスは倒木も交えてしっかり有り、見た目よりも容易だった。高度感はあり、ここがこの沢のハイライト・シーンでしょう。結局、ロープを出すこともなくクリアできた。その後、2段8mや3m程度の滝が次々と現れるが、楽しく乗り越していける。そしてまた、パタッと穏やかな渓相になり、滑床などの沢歩きをしているうちに、水が途絶えてきた。水流のない2mの滝を越えてからは、沢を忠実に詰めていき、明るい源頭部は藪漕ぎなしで、尾根上ウルシゲの頭から10mほど東に飛び出した。
 詰め上げた尾根を東へほんの一投足で、戸倉三山の登山道に合流し、市道山をめざす。右俣の遡行中、「長谷恒カップのトレーニングで、市道山から笹尾根付近を今日Fちゃんが歩いているんだよね」、なんて話にのぼっていたのだが、市道山ピークで、なんとなんとそのFちゃんとバッタリ遭遇!
 「がんばれ〜!」とトレーニング中のFちゃんを送り出し、私達はゆるゆると市道山山頂で休憩の後、下降に転じた。山頂から西へ、尾根上を踏み跡を辿り、750mが下降地点と思っていたら、丁度そのあたりに古ぼけた赤テープあり。杉の植林地の斜面を延々と下っていくと左俣の様相となった。源流部はとても穏やかな流れ。
 と思いきや、いきなり10m滝が落ち、懸垂下降。その後、3〜5m程度の滝が続き、高巻き用の踏み跡を下降したり、一部懸垂下降を交えたりで、二俣に戻る。朝、薄暗かった二俣の下のゴルジュは、午後の日を浴びてなんだか明るい。光の入り方で、沢の印象って変わってくるものなんだな〜と思いました。
 ウルシゲ谷沢、遡行するなら右俣が楽しいと思います。でも、遡行だけではちょっと物足りないかも。ここは、右俣遡行して左俣下降が楽しい沢だと思いました。


【行程】  JR武蔵五日市駅(8:30)→小坂志林道・駐車地点(9:06/9:20)〜ウルシゲ谷沢出合(9:30)〜二俣(9:50)〜ウルシゲの頭(11:26)〜市道山(11:58/12:20)〜二俣(13:25)〜林道駐車地点(14:00)→JR武蔵五日市駅