自主の記録
2005/9/17(土)
上越/魚野川 仙ノ倉谷 西ゼン
◆メンバー 伊藤幸雄(L)、伊藤栄子、福田洋子、工藤寿人
◆記録 福田洋子
三点確保どころか四点確保(人はこれを四つん這いという・・・)の状態で、幸さんが下がっていく。って、そんな訳ない!
<す、す、すべってるー、イヤー!!>と思ったら、ほどなくわずかな岩の段差で止まった。
見わたせば緩やかにうねる岩、フリクションをきかせて好きな所を登る。登りすぎると行きづまる。登ったもんを下りないといけない時が恐い。<たかが一歩・されど一歩>ってな感じで慎重に下りる。さっきまで下にいた工藤さんは「こっちでしょ〜!」と言いながらスタスタとトラバース。滑って肝を冷やしていたハズの幸さんも、すました顔して「ここ来れるよ」って言うけど、あんなの見せられた後に同じルートは行けません。栄子さんと二人、後ろへの一歩を慎重に足を下ろして段差を拾いトラバース。(あ〜疲れた、ラインの先の先まで読まないと、かえって疲れます)
下から見上げた「第一スラブ」は、とにかく広くて感動もん。斜度はそんなに強く感じないから何処でも行けそうな気がして登ってたけど、半分来たあたりから微妙……。立っているんだか、這ってヨジっているんだかの状態は腰にきます。上見てスラブの出口付近を窺うと、もっと左を行った方が良さそうなんだけど<今度は水流のトラバースかよっ!>ってか。普通に歩けばたかが二・三歩なんだけど、えら〜く遠くに感じました。だって遮るものが無いから下までの高さがモロに視界に入るんだもの。
<ワクワク>で始まり<ドキドキ>になり<ヒヤヒヤ>だった「第一スラブ」も、抜けりゃ<気分は最高〜>。見下ろす巨大(巨大すぎるが…)なウォータースライダーは、絶対にやりたく無いけどキレイです。
「第二スラブ」は階段状に、波打ちながらそそり立って見えました。最初に目にした時はちょっとビビリ心が振れましたが、取り付いてみると岩波の一段一段がはっきりしていて案外らくに登れます。
それでも中には一段がえらく高くて行き詰まり、男連中は上で「ここ登れない?」「ザイル出してもいいけど確保はできないよ」なんてノタマふ。女二人は一か八かの勝負はしません。遠回りでも安全なルートを考えて、ちゃんと上がりましたよ。とにかく、高度感はあるけど足の置き場が平ってのがいいです。さっきの「第一スラブ」は斜面にフリクションで立ってなきゃいけなかったんで、身体も神経もずっと疲れた。足場がはっきりしてるって良いモンです。
そんなこんなで最後の滝も越え、源頭では最初の一滴(涌き水だよ!)を確認し、笹の大海原を泳ぎ池塘にでて山頂(平標山)を踏みました。
「先月の西ゼン、敗退しといて良かったね!」「こんな青空で来れたんだものね!」
遡行中、何度もこの言葉がでました。そう、先月は雨混じりの曇り空で気分も体調も不調。出合で中止にしたのが心残りでいたのですが、今日の再チャレンジは天気晴朗、気分も晴朗。思い返せば適度な緊張感もよいスパイスになり大満足。帰り道の平標新道の途中からは、自分達の遡行した「西ゼン・第二スラブ」を俯瞰するというオマケまで付いて、ウキウキで帰りました。(ウキウキすぎて登山道の徒渉でこけてずぶ濡れになったのは誰!!!…)
【行程】 林道ゲート(6:40)〜平標新道徒渉点(7:45/7:55)〜西ゼン出合(8:50/8:55)〜第一スラブ取り付き(9:35)〜15m2段滝下(9:55)〜第二スラブ出口6m滝下(11:00)〜源頭の湧水(11:40)〜登山道(13:20)〜頂上(13:40/14:00)〜平標新道徒渉点(16:05)〜林道ゲート(17:30)