自主の記録

2005/9/3(土)〜4(日)
三ツ峠 クライミング練習会


◆メンバー 横川秀樹(L)、山野昭人(SL)、山野美香(SL)、黒田記代、久野眞由美、福島彰男、松永己幸、尾久一朗、野中達也
◆記録    横川秀樹、尾久一朗、野中達也


いざ出発。 これが屏風岩
一般ルートをリードする 振り返れば富士山
セカンドのビレイ準備に入る 懸垂下降
セカンドを引き上げ中。 アブミもしました

 9月は講習会の予定が少なかったこともあって、大勢が参加できそうなクライミング練習会を三ツ峠で実施することにした。本科講習では通常テント泊が多いが、今回は夜に勉強会を開くために小屋泊。四季楽園にはその旨を伝え、大きめの部屋を押さえてもらった。
 天気も二日間もってくれたので、ほぼ予定通りの内容を実施することができた。
 今回、私と一緒にサポート側に徹してくれた山野夫妻に感謝するとともに、参加された皆さんが今後、『貪欲さ』と『こだわり』と『疑問』を持ち続けて山に取り組むことを期待します。


三ツ峠に参加して(1)/尾久一朗
 盛りだくさんで意義深い2日間だった。マルチピッチやA1のトレーニングに加え、先輩方の山と向き合う姿勢や普段注意していることなどを聞く機会も持てた。
 印象に残ったことがふたつある。
 ひとつが、「都岳連ルート」の取り付き部の少しかぶり気味の部分を登ったとき感じたこと。私にはなかなか難しい部分で、最初はどこにどう手がかりを求めていいのか分からなかった。そこで横川さんからアドバイス。「左側の縦クラックに右側から体重をかけられるように、もう少し右側から取り付いた方がいい。」距離にしたら50センチほどの違いだ。それが、あら不思議。何の苦もなく、すいすい登れてしまう。逆に、1回目に楽々登れたルートが2回目に苦戦することも。恐らく身のこなしが微妙に違うだけなのだろうが…。クライミングでまず大切なのは、合理的なルートの選択、合理的な身のこなしなのだと改めて思い知った。
 そして、もうひとつは、「T字クラック」を登っていたときに思ったこと。下から見ると、なかなか手強そうだが、なんとか登れそうな気がした。しかし…。
 ハング下の凹角部にさしかかったとき、手がかりが右側に見つからずもたもたしているうちに、クラックに差し込んだ左足を軸にドアのように体が左へ90度回転、尻が岩のすきまにぴたりとはまってしまった。やむなく右手でヌンチャクをつかみフルパワーで引っ張ってなんとか脱出したが、ここの通過で疲労困憊してしまった。
 失敗した点は、安定した場所で動きをイメージしないまま登ってしまい、行き詰まってからあたふたしたこと。そして一番まずかったのは、「登れる」と漫然と思ってしまったことだ。確実に登れもしない場所を「登れる」と思った判断の甘さは戒めたい。まずは簡単な壁でもいいから、安定して登れる基礎が必要だと思った。


三ツ峠に参加して(2)/野中達也
今回は横川さんのお声掛によって実現した、私には待望の一泊二日マルチ自主である。自主山行とはいっても内容はトレーニング的であり、初日は登攀の困難度を技術的に追い求めるよりもリード、フォローとしての登りの一連の流れ、懸垂の一連の手順、ちょっとした合間での芯抜きスリングの製作や、コンティニュアス登攀時のロープのまとめ方など、今私個人的には一番興味が湧くところである。開き直りではないが、ロープ捌きにしても、手順にしても、まともにできない私は都度CLやSLの方に教えを乞うマンツーマン状態である。勿論甘えさせてもらっているつもりは無いが、実際とても貴重だと思う。
 四季楽園での夕食後は、勉強会を行う。ただの技術勉強会ではなく、横川さん、W山野さんの無名山塾に対する個人的な熱い思いや取り組み方などを語ってもらう。こういった事こそ、訊きたくてもなかなか訊けないことなのだ、勝手ながら親近感を覚える。と同時に数年後の自分を色々と思い描くが、正直まだまったく自信はない。けれどいつか必ず先輩方のようになる、いや、自分流を探し出す、と密かに心に決める。
 2日目は主に3ルートにトップロープを張ってもらい、アブミでの登り方を教わる。ハングの乗り越し方が特に為になりまた面白い。
 全体を通しての感想は、講習と比べ参加する人が限られるためか(参加したくてもできなかった方、スミマセン)より目的を絞りやすく、アットホームで、きめ細かな、突っ込んだところで色々な場面を体験することができ、疑問を解決することができたことが良かった。
 今度また同様なトレーニング(自主)に参加させてもらえる時は、生ビールの一杯くらいはおごらせて下さい!
 最後に、皆さん本当にありがとうございました。


【行程】 
9/3(土) 裏三ツ峠駐車場(7:00)〜四季楽園(8:00)〜開始(8:30)〜トップロープクライミング〜芯抜きスリング作成〜懸垂下降の説明〜マルチピッチクライミング〜支点の構築〜コンテ用ロープの束ね方〜終了(16:00)
9/4(日) 四季楽園(7:00)〜開始(7:30)〜前日の復習〜リード&フォロー&懸垂〜A1〜終了(14:00)