講習山行の記録
2005/9/10(土)〜11(日)
奥秩父/笛吹川 東沢釜ノ沢
◆メンバー 工藤寿人(講師)、伊藤由以、福島彰男、尾久一朗、神山直三
◆記録 福島彰男
駐車場から山の神までの間は左岸の旧登山道を歩く。実際の遡行開始は山の家から。両岸に広がる支流の東御築江沢、乙女ノ沢、東のナメ沢、西のナメ沢の優雅なナメ滝を見ながらの遡行は素晴らしい。今回、沢参加初めてのKさんは工藤講師から沢の歩き方など説明を受けていた。
遡行四時間位歩いた所の魚止滝で今日の幕営地を見つけテントを設営。そして焚き火を囲んでの楽しい宴会が始まった。
二日目。今日は出だしからナメの遡行が始まる。慣れないとナメは難しい。油断をすると滑って釜まで流されてしまう。経験が必要だと思った。昨年、釜まで落ちた事があった自分は、ナメは苦手である。
両門ノ滝ではIさん、Oさん、Kさんらが滝の“すべり台”で楽しんだ。また遡行中出会う淵や釜は素晴らしく綺麗であり、水も透き通りコバルトブルーで美しい。あまりにも澄んだ水なのでIさん、Oさんが思わず飛び込み、泳ぐ場面もあった。
両門の滝を過ぎると一転してナメから広河原と呼ばれる長いゴーロ帯に変わる。この頃から天気が怪しくなってきた。ゴーロ帯をしばらく登っていると、とうとう雨が降り出してきた。初めはどうということはなかったが、急に雨足が強くなり様相が変わってきた。見る見るうちに沢が増水し、その水は泥と石で茶色に濁り、その濁流が物凄い勢いで頭上から落ちてくる。一緒に落ちてくる石が半端でない。ナメに当たり石だけが水から飛び出してくる。こんな場面と遭遇するのは初めて。『恐ろしい』。とにかくその沢から右に避け崩壊した岩の斜面を登り、なんとか尾根に避難。その尾根から又大変。そこから甲武信小屋まで登らなければ帰れない。どう行けばよいのか、必死にルートを探す。工藤講師が見つけた時は全員安堵の色を隠せなかった。
そのあと、登って来た元の沢に戻り甲武信ガ岳に。そして西沢渓谷駐車場についたのは19時15分。皆、疲れ果てていた。
今回の山行で雨の怖さを知った。この経験から、雨に対してもう少し神経を使う必要があると思った。またそのような事態に対応できる力を身につけておく必要性を感じた。
【行程】
10日 西沢渓谷駐車場(11:10)〜山の神(12:30/13:00)〜釜ノ沢出合(15:30)幕営
11日 釜ノ沢出合(7:30)〜両門の滝(9:00)〜甲武信小屋(14:30)〜西沢渓谷駐車場(19:15)