自主の記録

2005/8/6(土)〜8(月)
北アルプス/前穂高岳北尾根


◆メンバー 伊藤幸雄(L)、伊藤栄子
◆記録    伊藤幸雄


 7月中旬に計画していた山行であったが天候も悪いし、またまた沢渡へ行く道も崖崩れで通れなく、乗鞍側からの迂回道を使うことでちょっと気落ちしていた。7月末に沢渡の道も開通し、我々も始動開始となった。初日は沢渡の市営駐車場に車を置き、乗合タクシー(\1100/人)で上高地へ向かう。上高地は相変わらずの混み合いでにぎやかすぎ、我々は足早にそこを去ることにした。11:40横尾着、ここまではハイキング風の身軽なお姉さま方が多かったが、涸沢に向かう道に入ると大きなザックを背負ったお兄さん方が目立つようになる。我々は40リッターザックにテントと2泊分の食料、ザイル、ガチャ、インナーシュラフ+シュラフカバー等をコンパクトに突っ込み涸沢に入った。
 涸沢のテント場には雪渓が残っていてひんやりとした風が吹いている。目標の前穂高はやや雲が掛かっていたが、目の前には奥穂、涸沢岳等つらなる山々が迫ってくるので、やはりここは一等地だなーと感心する。
 涸沢ヒュッテでビールを買い、満点の星空を眺めながら一杯やるのは、また格別でした。

 7日AM4:00テン場出発。アプローチシューズのまま雪渓を登り5,6のコルを目指す。我々の前を見ると新人さんを連れたガイド付の4〜5人パーティが2組登っていた。コルに着くと更に1組が登る準備をしており計3組が我々の前に!・・・時間掛かりそう・・・。
 5峰はハイ松の中にしっかりした踏み跡があり、危険要素は少ないが新人組のパーティ2組はそれぞれザイルで繋がりガイドさんがリードして登りはじめた。我々も後に続いたが、ちょっと恐さを感じたのでルートのやや右、涸沢側のしっかりした岩肌を登り一気に2組を追い抜いて5峰のピークに立った。5峰ピークから4峰のコルに出るには右側(涸沢側)に身体をやや出す感じで廻り込んで登ったが、尾根上でも問題ないかもしれない。ただ岩が大きく手がかりに苦労しそうだったので注意。4峰は浮石が多く慎重に登る必要があった。最初は涸沢側から廻り込み、やや広めのテラスに出ると目の前に赤いペンキの矢印が目に入ってくる。その矢印に従い、今度は奥又白側に廻り込み右上する。前方に張り出した岩があるのでそれを右から攻めて越えると4峰ピークに立つ。
 ピークからは踏み跡をたどり3,4のコルに降りる。3峰が一応北尾根のメインになっている。我々もここでザイルを結び登攀を開始、奥又白側から廻り込むとハーケンが何本か打ってあり順調に登れる。2ピッチ目は凹角を登り、チョックストーンを越えてピッチを切る。3ピッチ目は右側のやや立気味の岩を登りピークにでる。2峰までは細尾根を渡り、1,2のコルへの懸垂場所を探す。我々は涸沢側に支点があったので降りたがここが非常に浮石が多く、このルート最大の冷や汗をかいてしまった。
 降りてからゆっくり2峰を見ると尾根上沿いに懸垂用支点がもう1箇所あった。9:30北穂高岳頂上に立つ。
 帰りは吊尾根〜奥穂高岳〜涸沢と歩きテン場に15:30到着。戻り際、涸沢小屋でおはぎと焼酎を買い充実した一日に祝杯をあげた。
8日の帰路は屏風岩のコルを通り、今度はここを登るかと密かに思い、奥又から徳沢に出、上高地に12:00到着。
やはり、上高地は混み合いウンザリした気分で乗合タクシーに乗り沢渡に向かった。


【行程】 
8月6日 上高地(9:00)〜横尾(11:40)〜涸沢(15:30)
8月7日 テン場(4:00)〜5,6コル(5:40)〜4峰(7:00)〜2峰(9:00)〜北穂頂上(9:30)〜奥穂頂上(12:30)〜涸沢(15:30)
8月8日 涸沢(6:00)〜屏風岩のコル(7:20)〜徳沢(10:00)〜上高地(12:00)