自主の記録
2005/8/20(土)
奥多摩/小川谷 カロー川谷
◆メンバー 南谷やすえ(L)、久野眞由美
◆記録 久野眞由美
日原鍾乳洞から小川谷林道を15分ほど辿り、「カロー橋」が小川谷カロー川谷の出合。橋を渡ってすぐに、カロー川谷右岸に沿う仕事道があり、これをしばらく辿る。右下に見える沢を見ながら、どのあたりから下降しようかなあと考えていると、古びて錆びてはいるが「カロー川へ」と示す標識がしっかり立ち、かなり明瞭な踏み跡が入渓点へと導いてくれた。
今日も暑い晴れた日であったが、入渓点は緑陰濃く、日差しがすっかり遮られて涼しげだった。しばらく穏やかな沢の中を歩いて行くと、最初の3m滝に出会う。この滝に始まり、総じてこの沢は、水量は多からず少なからず、滝はつるつると磨かれていて遮るものが無く水勢があった。(油断すると、つるんと滑ってしまうのです)3m滝をあーでもない・こーでもないと乗り越して、次に現れたのが大きな淵を持つ滑り台のような滑滝。滑滝の横まで這い上がったものの、水勢強く・幅広でホールド皆無・ツルンツルン。もし足を滑らせたら、滑り台をつ〜っと滑り落ち、上を向いている落ち口から空中に放り出されるように3m下の釜にダイブ、となるのだろうなあ〜・・、とこの滑滝を駆け上がる勇気は湧かず、左岸の巻き跡に入った。が、これは滑滝に続くゴルジュ帯を巻く大高巻きとなり、少々足場が悪く、唯一細い木の根のホールド頼みで少々嫌らしい巻きとなってしまった。
ゴルジュの上にやっと降り立つと、沢が開けて周囲の広葉樹林の林相も相まって、明るい谷の雰囲気。杓子窪の出合を過ぎて、谷は大きく左に屈曲して再びゴルジュとなるが、ここは小滝や釜が次々と現れ、楽しく乗り越していけた。このゴルジュの最後の方に、カロー川谷のF1(5m)がやっと出現。Mさんリードで大きな釜を泳いで(?)取り付き、F1上部が立っているのでピンを打ってランニングを取り滝上へ。ゴルジュを抜けると、また谷は明るい・穏やかな渓相となった。
ジャボジャボと沢を辿ると、立派な直瀑のF2(7m)で直登は不可とあり、丁度良く右岸に仕事道がある。カロー川谷は、F4「カローの大滝」の巻きまで、ほとんどこの仕事道を辿るようだ。F2の巻きからこの仕事道を歩いたが、登山道と思ってしまうようなしっかりした仕事道だった。F3(これも直瀑・6m)をながめ、ヨコスズ窪出合の先の小屋跡までしばらく仕事道を辿り、遡行&下降という今回の計画に則り、小屋跡から下降に転じた。遡行図では、F2の巻きから使った仕事道は、F2の少し下流で途切れている。しかし、遡行図上で途切れている地点から更に、右岸に沿って続いていたので、使える所まで使ってみようと、仕事道を下降してみた。しばらく沢沿いに明瞭に道は続いていた。やがて、細い尾根となってきたが沢にはしっかり沿っており、この尾根は杓子窪出合からカロー川谷が大きく屈曲しているあたりに落ちているようだ。尾根の途中で、仕事道はテープで進入禁止となっていているが、踏み跡は尾根に続いており、尾根の末端から沢床へ下降できそうであった。結局この踏み跡により、懸垂下降する事も無く、杓子窪出合直下に降り立つことができた。
今度は沢の中をどんどん下降。大高巻きとして、すっかり巻いてしまった最初のゴルジュは、3つほどの小滝を滑り台のようにして浅い釜へジャボンジャボンと滑り降りた。最後の滑り台状の滑滝は下降とはいえ、やはり釜へ空中ダイビングする勇気は湧かず、ロープで確保しながら、滑滝を途中まで下り左岸へ逃げた。下降しながら、この滑滝、左岸の立ち木を利用して振り子トラバースの要領をうまく使えば、巻かずに登れたかな?とも、二人で思い至り、やはり観察と柔軟な思考(?)が沢では(山では)大事ですね。
入渓点にもどるまで、人っ子一人出会わなかった、静かな明るい沢でした。
【行程】 日原鍾乳洞駐車場(8:25)〜小川谷林道カロー橋(8:40)〜入渓点(8:52/9:00)〜小屋跡(12:00/12:15)〜入渓点(13:45)〜日原鍾乳洞駐車場(14:30)