自主の記録
2005/8/7(日)
剱岳 八ツ峰Y峰Dフェース富山大ルート
◆メンバー H(L)、山野美香(SL)
◆記録 H
左がDフェース | ラントクルフトから取り付きへ |
富山大ルート取り付き。右上の岩の形が目印 | 3P目の左上するランペ |
1P目は小ハング下で切る。 | 3P目のリッジ上 |
下り | 5・6のコルへ登り返す |
剱沢雪渓から長次郎雪渓へ入る。一転してきつい登りとなり、ここから約2時間、我慢をしながら高度を稼いでいく。足元は軽量アプローチシューズにペツル・シャルレのベルト式12本爪アイゼン。去年はミドルカットのハイキングシューズを使ったが、今年はローカット。来年はサンダル・・・それは無理か、などとくだらないことを考えながら一歩一歩足を踏み出していく。
途中クレバスを避けるため左の岩に乗り移り、再び雪渓へ戻る。正面には熊の岩が見え、右手前方には目指すVI峰フェース群が姿を現してきた。Dフェースはその中でも一番奥だ。Cフェースまで取り付きに雪はなさそうだが、Dフェースの基部周辺にはたっぷりと雪が残っていて、急な雪壁を登りシュルントを避けつつ、岩と雪の隙間ラントクルフトに降りていく。
準備をして取り付きを探すが、どうも様子がおかしい。富山大ルートの取り付きがこんなに立っているはずがない。これだとかなり高難度のフリーかA1となりそうだ・・・。では、さらに奥へ入り込まないといけないのだろうか。ラントクルフトがぐっと狭まって岩との間が通れなくなっているその先へ行くことにする。クライミングシューズのまま雪をよじ登って進む。ようやく写真で見た凹角を発見。
これで第一関門をクリア。残す不安はルートファインディングだけだが、順調にロープを伸ばす。さすがに1ピッチ目は多少時間はかかったものの小ハング下まで40m進み、2ピッチ目も同じく40mぐらいで左上バンドの手前についた。ここからのルートは間違いようがないので美香さんにリードを交替。リッジに出て10mほど登ったところでピッチを切り、つづく4ピッチ目もほぼロープ一杯に伸ばす。このあたりはなかなか高度感があるところだった。最後はゆるい岩稜となってDフェースの頭にでる。
さて、問題となったのはここからの下降だ。踏み後をたどって降りていくと右と左に道が分かれる個所があり、我々は薄いほうの左へと入った。しばらくすると懸垂の支点があり、50m一杯の下降。10mほど悪いトラバースをして、さらに20mの下降。そして3回目は30mほど。この3回目のラペルで一番下のテラスまで降りずに、一段手前で左へバンドトラバース。さらに岩と草付きを進むと、何とかV・VIのコルへと到着した。東京白稜会の3人パーティと協力し合っての下降となった。
富山大ルートそのものはとても快適なルートで、支点もそれなりにあり、我々の実力と照らしてもちょうどよいルートだったように思う。下降に時間がかからなければAフェースに継続しようと思ったがそれは次回へのお預けとなった。
【行程】
8/6(土) 室堂(8:30)〜雷鳥沢ヒュッテ(9:00)〜剱御前小屋(10:30)〜剱沢BC(11:10)
8/7(日) 剱沢BC(2:15)〜長次郎谷出合(3:35)〜V・VIのコル下(5:20)〜Dフェース取り付き(6:30)〜登攀開始(7:10)〜Dフェースの頭(10:00)〜V・VIのコル(12:30)〜長次郎谷出合(14:00)〜剱沢BC(15:40)
8/8(月) 別掲
8/9(火) 剱沢BC(6:05)〜剱御前小屋(6:45)〜室堂(8:25)〜アルペンルート〜扇沢(10:30)