講習山行の記録
2005/8/9(火)
八ツ峰VI峰 Cフェース 剣稜会ルート
◆メンバー 工藤寿人(講師)、田口浩昭、福島彰男、尾久一朗、松永己幸、宮下卓宏
◆記録 福島彰男
夏山合宿3日目。起床2時半、出発4時。昨年は長次郎谷雪渓途中まで行って雨が降り出し引き返したが、今年はどうやら天気は良さそうである。長次郎谷の雪渓を登ること2時間位で熊ノ岩下の二股付近に、そこからガレ場を登りY峰Cフェースの取り付きに到着。既に5人のパーティが登る準備をしていた。早速我々も身支度を開始。
登攀の順番は、1番目は福島・宮下さん。2番目は田口さん・尾久さん。そして最後は工藤講師・松永さんである。アルパインルートの本格的マルチピッチクライミングは初めてなので、トップ組で登ることに不安があった。最後までルートが分かるだろうか?まあー、5人パーティの後に続けば何とかなるとその時は思った。
いよいよ登攀開始である。最初は福島と宮下さんのコンビ。1ピッチ目のリードは福島。宮下さんと組むのは無論初めてである。出だし緊張、だんだん登るにつれ落着く。間もなく支点にあとわずかの所でロープが足りず(9mm45m使用)、宮下さんに少し登ってもらいなんとか支点にセットすることが出来た。その後2P・4P目は宮下さん。3P・5P目は福島。途中ルートを間違い苦労したが何とか登りきることができた。
初めてのアルパインクライミング。最高の舞台である剱で、すごい高度感そして雄大なロケーション、岩稜の凄さに圧倒された。そして絶好のクライミング日和。こんな最高の天気は滅多にないだろう。クライミングを緊張の中で無事終え、なんとも言いがたい感動と興奮を覚えた。
Cフェースの頭から見る剱のスケールの大きさにただ驚くばかり。北東に目を向ければ剱の本峰が、そこから北に向かい北方稜線が。そして一昨日登った長次郎谷の雪渓が。西には昨日登った源次郎のT峰・U峰が。そして南側には昨年八ツ峰の下半部を登り最後に懸垂で苦労した八ツ峰のX峰が目の前に。すべてが剱でしか味わえない景観の迫力であった。
全員が登りきったあと、しばらく休息して下山開始。下山がまた大変であった。懸垂下降を2回するのだが、その懸垂の支点の所に行くにも苦労。最後のクライムダウンも嫌らしかった。登攀より難しいのではと思った。
実際にアルパインで「つるべ」方式のマルチピッチをやってみて、まだまだロープワーク、ルートに手こずり自分の未熟さを痛感。それと事前のルート情報も詳細にやるべきだったと反省。大変勉強になったCフェースの登攀であった。是非また剱に来てトライしてみたい。
【行程】 剱沢BC(4:00)〜Cフェース取り付き(7:30)〜登攀開始(8:00)〜終了点(12:30/13:30)〜剱沢BC(17:40)