自主の記録

2005/7/2(土)
奥多摩/倉沢谷・長尾谷


◆メンバー 福田洋子(L)、工藤寿人、南谷やすえ
◆記録 福田洋子


 「もう5時だよ、どうするか決めよう!」「戻るっ、戻ろう!!」あたりを探ることすでに一時間はゆうに経過していた、間違ったのは明らかだった。

 今回はアプローチを短縮するべく倉沢林道奥、魚留橋近くに車をおいた。下山は鳥屋戸尾根1260m付近から仕事道を探して入渓点に下る計画だ。
 しばらく進むと林道がガレに埋もれはじめたので沢に降りて入渓する。仕事道や支沢の流入が遡行図とくい違うが容易な小滝の連続なのでこえて行く、現在地の判別がちょっと付けづらい。(帰ってから地形図と遡行図をなめるように読んでおおよそ判ったのは、林道・登山道の崩壊が進んで分断されていたのと橋が架け替えられていたためらしい)
 大岩・石積み堰堤ときてやっと現在地がはっきりした。その後のガレやナメも沢歩きを楽しむ程度、源頭のガレのルンゼも素直に進み傾斜が増したところでスズタケをつかんで這い上がると縦走路。沢の遡行は順調だった。念願の蕎麦粒山に立った。ここに来たくて立てた計画だったので大満足。
 でもここで満足しただけで終わらないのが私の計画で、下降ルートの道探しという仕事がまだ残っている。去年の秋の塩地谷では棒杭尾根を下ったので今回は鳥屋戸尾根を使ってみたかったのだ。二人にルートの確認をして下り始める。
 エアリアでは破線のルートだが意に反して登山道の体をなしている。下降の連続に登りを少し交えながら道をたどるが、気にかかるのは道が尾根の東側を巻き気味についている。本来の尾根筋上を進めないため私達が下りに使う西側斜面の様子が伺えない。高度計と地形図とにらめっこ状態だ。怪しい高度ラインを進んで辺りを探り、行きつ戻りつしてやっぱりこのラインかと見当をつけた僅かな支尾根を下ってみる。が、ほどなく尾根の形状を失いザイルで確保する有様。右に左に進路を探しまわるが足下の土砂や倒木がむなしく落ちていくばかりで見つからない。
 で、冒頭の決断と相成った訳である。時間とザイルがもう1本あれば降りてみたいという誘惑をはねのけて、本日2度目のツメをやる羽目に…。しかし決断の後の行動は速かった。一時間以上かけて(ルート探したりザイル出したりしたから?)下ったのに15分で登り返して登山道に舞い戻った。
 安全を考え登山道を素直に下りることにしたのはいいが、三人の気がかりはまだ終わっていなかった。この道の行く手は川乗橋。バス停はあるけれど、はたして日原行きのバスはマダあるのか?無かったら車道を1時間、倉沢林道も40〜50分は歩かねばならない。せめて一台は林道入り口の倉沢橋に置いておけば良かったなどと、いまさら言ってもせん無いことを言いつつ諦めモードで下っていると<ブブッ・ブブッ・ブブブッ・・>
 「もしも〜し、今どの辺?」
 キャー!!携帯から、天使か女神か仏様、K様のお声が我々凡夫に届いたのです。それからの私達、足取りがとっても軽くなったのは言うまでもありません。



【反省】

(1) 行動計画はメンバー全員で意識の統一を図るべき。遡行だけでなく下降のルートも含めて事前に確認すべきだった。
(2) 状態の悪い林道に無理して車を乗り入れない事。(せめて1台にすべき)暗くなってからの回収は危険がともなう場合も。
(3) なだらかな等高線上でのアップダウンは高度だけでなく距離感も問題。前回の失敗が高度だったのでそればかり気にしすぎて距離感を誤った。
(4) 場所の特定ができない時は面倒でも特定できる場所まで行くべきだった。今回のルートでいえば笙ノ岩山まで行ってみて確定してから鞍部の下降地点を探すべきだった。機会を作り次回は絶対にこの仕事道を探してみたい。


【行程】 魚留橋(10:00)〜入渓点(10:30)〜堰堤上(12:05)〜登山道(14:25)〜蕎麦粒山頂上(14:40/14:55)〜尾根彷徨(15:50/17:00)〜川乗橋(18:40)