講習山行の記録

2005/5/22(日)
奥多摩つづら岩/RCT

◆メンバー 金沢和則(講師)、坂口理子、横川秀樹、山野昭人、山野美香、田中治男、福島彰男、石田勝幹、尾久一朗、松永己幸、小室郁子、ゲスト1名
◆記録 尾久一朗


 「つづら岩での講習は雨にたたられる――。」過去2回連続で中止になったらしい。登山口に着くと空はどんより、空気は湿っぽい。皆、天候を心配しながらつづら岩へ向かった。
 アプローチは、噂通りの急登だったが、1時間半ほどで到着。メインゲレンデの南面は混んでいたので、さらに登山道を数分歩き、つづら岩の端っこに位置するコンパクトな岩場(西面?)に移動した。

 まずは、ダブルロープでのリードクライミング。金沢講師や諸先輩から指導を受ける。
 ロープを連結する際は、ロープの束で上側に出ている末端をトップが結び、下の末端をセカンドが結ぶこと。ロープが交差しないようにリードとセカンドが左右のロープをそろえること。
 セカンドは、支点の位置、信頼度など応じて流動分散などでセルフビレイをとること。ロープの送り出しは、ゆるみすぎず、張りすぎない(手元のロープが「し」の字を描くくらいが目安)こと。いつでも素早くロックできるように、トップの動きをよく見て、体制を整えておくことなど。
 トップは、逆クリップをしないこと(転落時ロープが外れる)。左右のロープが交差しないようにクリップすること(転落時にロープが擦れ切断!)。ロープがなるべく真っすぐにのびるように、中間支点に使うスリングの長さなどを考えること(ロープが流れなくなる)。ロープがももの裏を横切るような足運びをしないこと(転落時にひっくり返る)など。

 早速、ふたり一組のパーティを組み、それぞれがトップ・セカンドで登り、懸垂下降で降りてくるという一連の流れを練習した。
 私は山野昭さんと組んでもらいリードの練習を。「トップは落ちない気合いが大切!」と美香さんに発破をかけられてスタート。リードで登るのは初めてだったが、自然と逆クリップすることなくできたようだ。また、中間支点を作る作業を実際にしてみると、いままで漫然と用意していたスリング、カラビナ、クイックドローなどが、それぞれどういう局面で必要になるのか、よく実感できた。
 セカンドを引き上げるビレイは、前回の日和田で、マルチピッチの一連の動作を松本さんから教わっていたので、それを思い出しながらなんとかこなした。日頃の講習などで常に本番をイメージしながら練習をすることが大切だと思った。ただ、山野さんがスイスイ登ってきてしまうので、ロープのたぐりが間にあわず、たるんでしまうことがたびたびあった。(すみません)
 反省点は、もっと素早く状況に応じた的確なセルフビレイができること。おっかなびっくりのところがあって、落ち着きが足りなかった。

 午後、若干空いてきた南面に移動し、3人1組でマルチピッチの練習に。ふたつの組は「一般ルート」。私と石田さんは、山野美香さんをリーダーに「左ルート」に挑戦した。
 1ピッチ目、美香さんがトップで登っていく。3メートルほど登ったところで最初の関門。左足のスタンスがとれない場所。しばらく試行錯誤したが、左足をスメアリング気味に処理して、右上のホールドをつかんでクリア。なるほど。
 後はテラスまでさほど難しくない。美香さんに余裕がでたと見るや、下で待つ私と石田さんは「次は水色(のロープ)をクリップです」とか「次は紫です」とか注文をつける。ロープが交差しないようにという配慮もあるが、自分のロープを多めにクリップしてほしいのだ。「最低なパートナーたちだ」と苦笑する。
 セカンドで私が登る。核心部は美香さんのマネをしてなんとか通過。難しくてもあわてずムーブを組み立てることに集中できた。少し進歩か。でも、途中でプロテクションを回収し忘れそうになったり、別ロープのプロテクションを回収しそうになったり、まだまだ余裕が足りなかった。
 テラスにたどり着き、ようやく景色をながめる。奥多摩の山並みがしっとりと湿気をおびていてきれいだった。そう思っていると、石田さんがラストで登ってくる途中、とうとう雨になった。撤退することになったが、大変だったのはここからだ。
 まず、石田さんをロアーダウンさせるが、テンションがかかったロープが、美香さんのルベルソに食い込んで動かなくなってしまった。ルベルソの泣き所らしい。代わりに私がエイト環でロープをロックし、石田さんに少しテンションをゆるめてもらいルベルソをなんとか外した。当然の処置かもしれないが、すぐにそう提案できて少し自信になった。
 つぎの懸垂下降もちょっと応用編だった。石田さんが途中で降りたため、ロープにはプロテクションがいくつか残っている。このためにまっすぐ下に降りることができず、ルート上をトラバースしながら下降しなくてはならなかった。バランスを崩したら、振り子のようにふられてしまう状態のままプロテクションの回収を行うことと、後で回収できなくならないように、ロープラインをまっすぐに保つことが難しかった。
 美香さんやフォローに来てくれた横川さんがいたからなんとかなったが、たかが1ピッチの撤退でも、状況にあわせた応用ができないと大変なことになることがよく分かった。必死に頭を使ったという点で、この撤退が今日の講習で一番ためになった。

 リードやマルチピッチでのクライミングは、工夫や判断が要求されるという点で習得するべきことも多いが、その分おもしろく思えた。


【行程】  武蔵五日市駅(8:30)→千足登山口(9:00)〜つづら岩にてトレーニング(10:30 / 16:10)〜千足登山口(17:00)