自主の記録
2005/5/28(土)
谷川岳 一ノ倉沢烏帽子沢奥壁南稜
◆メンバー 伊藤幸雄(L)、伊藤栄子
◆記録 伊藤栄子
林道から一ノ倉沢に入りアイゼンをつけ雪渓を行く。雪渓から岩場に移る時はしゃがみこんで、雪の厚みを思わず確認。
靴を履き替え、アンザイレンでテラスに向かうが、潅木間の踏み跡の一歩が高く息があがった。中央稜取付きから南稜テラスまでトラバースしたが、雪解け水でびしょびしょな嫌な道のりが続く。既に疲れ気味でテラスに着く。一休みしていよいよ本番の登り。
1ピッチ目、2ピッチ目とセカンドで登り始める。2ピッチ目登り始めのチムニーに手を掛けるが、右足の使い方が下手でなかなか動けず、思いっきりA0で引き上げ、三ツ峠の権兵衛チムニーの経験をいかし、ズリズリと通過した。
3ピッチ目を行く頃、非常に空腹になったが『もう少し行ってからにします』と前進。
リードで4ピッチ目行くが、『落ちてはならぬ!』と自分に言い聞かせるあまり、ランナーを掛けすぎロープ25m残っているにもかかわらず、早目のピッチ切りにした。
最後のフェース終了間際が、ホールドがとても小さく感じられ、『怖いと思ったらA0!』としっかりヌンチャクを握って登った。
懸垂前に何か口に出来るかとホッとしたが、『テラスに下りてから休みます』となった。下降時、4ピッチ目終了点で待機していた時、西部劇で谷間に岩を落とすシーンの様な物凄い音がし、『落!!』の掛け声、セルフビレイも千切れん勢いで、一緒にいた登攀待機の人と思わず岩にへばり付いた。私は一瞬見そこなったが、浴槽程の塊だったようだ。
無事に南稜テラスに着き一休みとなった。トラバース個所は落石が多く、すばやく行くようにとの指示に、あっさりスマートに身体が動かないが、それなり?に移動した。
テールリッジ中間部のスラブを降りるのは、足の指先が痛くたいへん辛かった。(それ程キツイ靴ではないが・・・)
雪渓に渡る手前の懸垂は若いパーティのロープを使わせてもらい楽させて貰った。
全身ガチガチ(悪い意味で筋肉が硬いみたい)、腰は痛くヘロヘロ状態だったが、後ろを振り返り岩を眺めながら、ゆっくりと沢を降り谷川の岩登りを終わらせる事が出来た。
高度が上がると岩を信じることが出来なくなり、自分の力で岩を落としそうな程何度も何度も岩を揺すった。それも岩稜の大きさに圧倒された恐怖心だと思うが、この経験を次につなげられるようマイペースで前進し、今後もチャレンジしたいなー!!
【行程】 ロープウェイ駐車場(2:45)〜一ノ倉沢出合3:45/4:10)〜南稜テラス(6:00)〜南稜〜6ルンゼ下降〜南稜テラス(11:00)〜一ノ倉沢出合(13:00)〜ロープウェイ駅(14:00)