自主の記録

2005/5/8(日)
越沢バットレス


◆メンバー 横川秀樹(L)、山野美香(SL)
◆記録 横川秀樹


 1年ぶりの越沢バットレス。前回の記録を読み返してみると、『このぐらいが楽にリードできないようでは・・・と、修行不足を痛感した一日だった』と書いてある。
 そう、たしかにあの時は苦労した。パートナーがすべり台(と呼ばれる箇所)から、5〜6メートル転がり落ちてきたりして、死ぬほどビックリした記憶が今も生々しい。

 くしくも、今回もまた同じパートナー。さてリベンジとなるか、トラウマがさらに深く大きく心の奥底に沈殿し続けるのか・・・。まぁ、ある意味、きょうがこの夏の本番に向けた試金石でもある。

 朝一番に岩場に到着。他パーティーはまだいない。う〜む、この岩場は威圧的だなぁ。第一スラブと第二スラブも恐ろしげだ・・・。でも、岩というのは下から見るとコワいけど、実際に取り付くとそうでもないということがよくある。きょうはどうだろう。

 とりあえず左ルートでもアップがてら行きますか、ということで取り付く。1ピッチ目、前回はちょっと悪いなぁと感じたはずだったが、今回は何も感じず。上手くなっているのか、鈍感になっているのかよく分からないが、次のピッチはさすがにX級ということで手ごたえがある。左上するクラックというと小川山のカサブランカっぽいが、実際はもっと泥臭く、クラック登りというよりはレイバックか、サイドプルみたいな感じで登る。

 このルートは2ピッチで終わりなので、下降して第二スラブへ。これまた前回は恐ろしく感じた桧テラスからの2ピッチ目。えっ、どこが?っていうくらい、きょうは難しくない。3ピッチ目は前回同様、右からのトラバースルートへ。なんだかホールドがよく見えるなぁ。そうそう、昔巨人の川上哲治が「ボールが止まって見える」と言ったような気がするが(ちょっと古いか?)、それに似たような感じかも。
 最後は右ルート。下部はいくつかラインがあるがX級−のハング越え。これは前回と同じルート取りだ。そして、2ピッチ目は、きょう初めてパートナーにリードしてもらう。多少、緊張気味だが無難にこなしてくれた。私はセカンドで行ったわけだが、ここが一番悪く感じて、唯一A0したくなった箇所。なんでだろう。

 3ピッチ目は、前回、大フォールが起きた地点。とにかく、あの記憶を消すべく慎重に登る。よく見れば、足は外側にちゃんとあるし、何でここでパートナーが落ちたのかなぁと首をかしげてしまったが、まぁまだ二人とも若かったのだろう・・・ということで、問題なく終了。

 前回のリベンジを果たし、かなりの成果はあったと思うが、美香さんはどう感じただろうか。本番前の仕上げに、ここはおススメだ。この日は幸い混雑がなく、全部で10人ぐらいだった。


【行程】
鳩ノ巣駅(6:55)〜岩場(7:35)〜左ルート〜第二スラブ〜右ルート〜終了(13:00)〜鳩ノ巣駅(13:45)