講習山行の記録

2005/4/3(日)
谷川岳・芝倉沢/ピッケル・アイゼンワーク

◆メンバー 金沢和則(講師)、工藤寿人、坂口理子、久野眞由美、福田洋子、伊藤幸雄、横川秀樹、山野昭人、山野美香、福島彰男、尾久一朗、松永己幸
◆記録 尾久一朗


 「一日中雨」という天気予報ははずれ、幸い講習中に雨は落ちてこなかった。トレーニング地の芝倉沢へ向かう途中、一ノ倉沢出合で岩壁群を初めて見た。巨大な三角の岩がむき出しになっている。「おおーっ、衝立岩か!」それだけは分かった。工藤講師が「あの辺が○○稜、あの辺が○○ルンゼ、…」と説明してくれたが、よく目で追えなかった。残念!

 トレーニングは出合の小屋の周辺で、2班に分かれて行った。参加2回目以上のメンバーは「コンティニュアス」のロープワークなどを練習。本科生など初参加のメンバーは基本からのトレーニングをした。

 まずはピッケルによる滑落停止。そして、悪雪上でバランスを崩さず歩く練習。悪雪は、今シーズンの冬山講習でさんざん経験したので、この程度の雪はかわいいもの?

 なるほどと思ったのは、雪の中にピッケルやヘルメットなどを埋める支点の作り方。少なくても30センチ以上埋める必要があるとのこと。弱い支点なので急激な力をかけて壊さないように、緩やかにブレーキをかける「ダイナミックビレイ」もよく理解できた。真剣にやらなくてはいけないのだが、安全が確保された状態なので、正直言っておもしろかった。

 ビレイの練習後、支点の破壊テストをやってみた。ヘルメットを埋めた支点は2人で引っ張ると抜けてしまったが、ピッケルを横向きに埋めた支点は3人で引っ張っても壊れず、圧倒的に強かった。スコップ、ストックなども代用品になるだろう。また、今回は湿ってよく固まる雪だったので十分な強度が出たが、パウダースノーやザラメなどのときはもっと深く埋めないと支点にはならないだろうなと感じた。

 最後に「スノーボラード」による懸垂下降。ロープにかかる荷重を水平方向に分散すれば、雪そのものさえ支点になる!感心しきりであった。

 今回は講習としてとても充実していた。ふつうに山に登っているだけでは知ることのできないことを多く勉強できた。

 ただ、どこか満たされない部分があったのも事実。これまで受講した吹雪の仙丈ヶ岳、西岳の猛ラッセル、武能岳の「氷洞削り」など、散々な思いをした講習の方が、ひょっとして自分好み…?満足を求めるには、また新たな「散々」につっこまなくてはならないのかと思うと、それはそれで憂鬱に思えた。


【行程】 マチガ沢(7:00)〜芝倉沢出合(8:15)〜訓練〜(11:40)終了〜マチガ沢出合で撤収(12:30 / 13:00)〜土合駅(13:45)