自主の記録

2005/4/23(土)
谷川岳 天神尾根・熊穴沢/山スキー


◆メンバー 伊藤幸雄(L)、工藤寿人、岩本一郎、伊藤栄子
◆記録 伊藤幸雄


 谷川岳を滑りたいと以前より願望していたが、やっと実現することになった。本来は芝倉沢を滑る予定であったが、強風のため急遽天神尾根〜熊穴沢に変更。

 朝7:00に谷川岳ロープウエイが動き出すので6:30ロープウエイ駅駐車場に集合した。駐車場はガラガラ状態、この時期になるとボーダーは少ないようで、ちらほら見えるのはオフステ用の太目の板を担いでいる若者とピッケルをぶら下げている山ヤのおじさんやおばさん達、どちらかと言うと我々も後者に近いのではあるが、なんとなく違いを見せ付けたく、ザックとスキーを思わせぶりに担ぐ。(あまり効果はなかった・・・)

 天候は晴天、やや風が強いものの登るのには全然問題ではなく、谷川岳頂上もきれいに見えていた。

 一応、アイゼンを履いて8:00天神平スキー場をスタートした。雪質は表面が重みのあるやや溶けかけた雪で下部は引き締まった状態。ツボ足でも十分に登れるが尾根途中に岩肌もあり安全のためにアイゼンは正解かもしれない。

 熊穴沢避難小屋(雪で埋まっている)付近から天候が悪化しはじめガスリ状態になってきた。更に頂上近辺になると風が強くなり前も見えなくなってしまった。

 10:10肩の小屋到着。風がおさまるようでもなく、このまま一ノ倉まで尾根を歩くのは危険と判断し、下降ルートを天神尾根〜熊穴沢滑走に変更した。

 10:30肩ノ小屋からスキーを滑らす。滑り出しはやや急で左側が広く滑りやすい感じには見えるが西黒尾根側に入り込みザンゲ沢に落ちるので絶対に滑ってはいけない。また右側はヒツゴ沢に落ちていく。ここは忠実に尾根を滑る。風に押されながらやや滑るとガスもはれてきて先が見えるようになってきた。尾根上には、山ヤの一行が列をなして登ってきている。

 これは目立つ!・・ふつふつと山スキーヤー魂が湧き出てきた。とっ・・思っている間もなく、某講師(今回は自主)に先を越されてしまい、登山者の間を「見たか!」と言わんばかりに滑られてしまった。後に続く我々は「登山者の皆様、お騒がせをして申し訳ありません」の気持ちだけは持って同じように滑った。(気持ちが大切)

 当然、登山者は唖然として見ていたがこちらとしてはこれがたまらなく快感! ただ、この場面で転んでは絵にならないので注意をしないといけない。(今回は全員OK)

 数分滑ると尾根の右側に広く滑りやすい斜面が現れ、先には尾根が見えてくる。

 「いわお新道」である。下手にそこに滑り込むとヒツゴ沢に入り、登り返すことになるので滑りたくなる誘惑を抑え、ここも忠実に尾根を滑る。尾根上の小山を越すと眼下に雪に埋まった熊穴沢避難小屋が現れ、数人の登山者が休憩していた。当然、ここも見せ場となってしまう。ちょっと急斜面だが観客に向かって滑り込むのはやはり気持ちがいい。

 熊穴沢避難小屋から天神尾根を離れ熊穴沢に向かう。熊穴沢は振り子状に滑れる小さ目の沢で傾斜もゆるく非常に気持よく滑ることができる。途中、ザンゲ沢からと西黒尾根のラクダのコルから流れているデブリに遭遇した。特にラクダのコル側からは幅広く流れており早い時期の滑りは危険かもしれない。

 11:40谷川岳ロープウエイ下の田尻沢に到着。熊穴沢下部の雪質は悪く、滑りは今一のところはあったが全体的には変化もあり、滑走距離もそこそこあることから充分楽しむことができた。谷川岳山スキー入門コースとして推薦します。


【行程】  谷川岳ロープウエイ駅(7:40)〜天神平(8:00)〜肩ノ小屋(10:10/10:30)〜熊穴沢避難小屋(10:50)〜田尻沢(11:40)