個人山行の記録

2005/4/29(祝)〜5/1(日)
奥穂南稜・前穂北尾根


◆メンバー 菊地ガイド、H
◆記録 H


 初日は岳沢まで。12時上高地発の予定だったが、午後から雨との予報なので、10時に上高地を出発。途中小雨が降るが何とかセーフ。ヒュッテに着いてから、本降りとなった。

 小屋には、江本ガイド、熊田ガイド、棚橋ガイド、木本ガイドなどなどJAGUやAGS-Jのガイドさんたちが大勢集まってきて菊地さんもびっくり。明日の天気を祈りつつ夜9時消灯。小屋はそれほど混んでいなかった。

●二日目
 4時起床。4時45分ごろ出発。すでに外は明るい。雪渓を辿って、「要の滝」へ。ここでアンザイレン。先行する3〜4パーティーは左の雪渓から行ったが、菊地さんは滝のすぐ左の藪から上がっていく。20mほど間隔をあけてコンテで私が続く。ほどなくして先行パーティと合流したが、向こうのほうが楽だったようだ。
 さらに急な雪壁をコンテで登り、トリコニーの一番右の岩峰下に着く。ここまでに全ての先行パーティーを抜いてしまう。岩登りは、ワンポイント、ジャミングを決める箇所があったが、ずっとコンテで登りトリコニーの上へ。
 

 この先、再び急な雪壁となる。


が、しばらくすると傾斜も緩くなり、道標のある南稜の頭に着く。ここから奥穂まではすぐ。
  

 奥穂から白出のコルまでは、最後の下りがちょっと緊張した。登ってくる人も多いので、すれ違うのもなかなか大変だった。ああいう場面では、多少、強引にいくことが必要なようだ。


 あずき沢はシリセードで下る。涸沢ヒュッテに11時着。午後は昼寝をしてゆっくりと過ごす。

●最終日
 天気が昼から崩れる見込みなので、3時に出発。スタート時点では一番だったが、熊田ガイドの二人パーティーに抜かれ、5・6のコルでは2番手となる。
 5峰は右手の雪渓から岩に取り付き、弱点をついて上がる。急な雪壁を登ったり、岩を登ったりという感じだ。5峰頂上からは下りがちょっとコワい。数メートル下って、右にトラバースしていく。


 4峰の登りも、雪がないと結構難しいかも、と思わせるような印象だった。4峰からの下りは問題なし。


 いよいよ3峰の登り。ここからはスタカット。テラスから左に出て登る。その先、ルートは右の凹角と左の露岩の乗っ越しに分かれるが、ここは左の乗っ越しが正解らしい。といっても、ちょっと難しい。さらに下がすっぱりと切れ落ちた壁を左、左へと移動し、階段状になったところで右上へ。そこで1ピッチ目、終了。
 2ピッチ目は20mほどの長さ。右のルンゼを目指す。ルンゼ入り口の脇にハーケンが3本打ってあり、そこでビレー。
 つづく3ピッチ目は、ルンゼを登り切ると、急な凹角に突き当たり、そこを登る。あとはコンテで移動すると、いつの間にか2峰の頂上となっていた。2峰からは急なクライムダウン。少し緊張する。
 あとは1峰(前穂)への登りだけだが、これは問題なく終了。頂上は7時だった。


 下降は、明神岳へのコルから奥明神沢を下降する予定だったが、コルへ行かず、そのまままっすぐ奥明神沢の支沢を下っていく。かなり急だが、踏み後がついてるので、慎重に下れば問題ない。


 上高地バスターミナルに10時前に到着。天気はしばらく崩れる気配はなかった。


【行程】
4/29金 上高地(10:00)〜岳沢ヒュッテ(12:20)
4/30土 4時起床 4:45発〜トリコニー上(7:30)〜南稜の頭(8:30)〜奥穂高岳(9:00)〜穂高岳山荘(10:00)〜涸沢ヒュッテ(11:00)
5/1日 2時半起床 3:00発〜5・6のコル(4:30)〜4・5のコル(5:05)〜3・4のコル(5:40)〜1・2のコル(6:50)〜前穂(7:00)〜岳沢(8:30)〜上高地(9:50)