自主の記録
2005/3/5(土)〜6(日)
奥日光・湯元周辺/スノーシューイング
◆メンバー 山野昭人(L)、田口浩昭、福田洋子、山野美香、斉藤典子、田中治男、松永己幸
◆記録 山野美香
数年前は山塾の講習会でスノーシューを体験できるメニューがありましたが現在は行われていないので、今回はスノーシュー未経験の会員に是非その楽しさやワカンとの違い、そしてタップリの雪で覆い隠されたフィールドでのルートファインディングを体験して貰いたくてこの山行を企画しました。
本科から斉藤さん、松永さん、田中さんが参加してくれることになり、それに加え強力な助っ人の同人・福田さんと田口さん、そして山野×2の総勢7名の賑やかなパーティが結成されました。
前夜入りした温泉宿で美味しい夕食の後に、地図を広げてルートについての検討、装備のチェックなどを済ませ、雪の降る中白濁の露天風呂に浸かり明日の成功を祈ります。
翌朝は予報に反して快晴となり、澄みきった青空と雪景色を眺めながらまたまた露天風呂に浸かりながら、皆体調は良さそう・天気も心配ない・湖はしっかり凍っているかな・・・などと指を折りながら思いをめぐらせます。いつもの講習山行や同期との自主山行とは違った緊張感がなんともいえません。
本科生3人にルートファインディングを任せて光徳牧場から出発です。今までにないほど積もった雪に初めて履くスノーシューの浮力はどうでしょうか。山王峠までは緩やかな斜面を登ったり沢筋を渡ったりとスノーシューの感触を確かめながら順調に進みます。山王峠から少し進むと左下に広大な涸沼が見えてきました。ここを一気に150mほど下るのですが、35〜40度はありそうな斜面を始めは藪の間を縫って、後半は思いっきり尻セードで歓声を上げながら滑り降りました。
切込湖を縦断する時、湖の氷が割れないかと心配そうな松永さんでしたが、皆の無責任な「大丈夫!」の声に意を決して歩き始めます。そうなったら早い早い、たっぷりの雪に足をとられることもなくどんどん進んでいきます。松永パワー炸裂に、後続隊はバテバテでした。
刈込湖を渡り終えていよいよ今日の最終目的である三岳へとルートを定めます。ここまではトレースがあったり見通しが良かったりで順調でしたが、それでもすでに13:00。時間的に三岳ピークを目指すのは断念し、1800mピークに合わせて進むことにしました。ここからは急斜面や混んでいる藪の弱点を突いていかなければなりません。先頭の松永さんが急斜面に突っ込みもがいていると、2番手を行く斉藤さんから「もう少し傾斜の緩いところを選んで進もう」と的確なアドバイスが。かなりの雪にスノーシューでもラッセルとなり、少しずつ進んでは先頭を交替しながらコンパス片手に高度を稼ぎます。後方で様子を見ていても、方角・ルート選択ともバッチリで安心してついて行けました。
残念ながら1800m付近到達で時間切れとなり、下山することになりました。
前回先頭を歩いていて、巨大な倒木に大きく迂回することを余儀なくされ、藪の間をくぐるのに苦労したことが思い出されますが、今年は様子がだいぶ違います。あまりに大量の雪で倒木も覆い隠されとても歩きやすくなっていました。とはいえそこは森の中、ルートを見出して進んでいくうちに少しずつ位置がずれてきたようです。左に切れ落ちた谷が出てきたところで作戦会議となりました。現在位置がなかなか特定出来ずに本科生3人真剣な面持ちで意見を出し合い、軌道修正後小峠目指して出発です。途中視界の開けたところで山座同定をし、あとは順調に進んで無事目標の小峠にたどり着きました。
下山後は今日一日を振り返り、改めてルートファインディングの難しさや無事に山行を終えられたことなどを思いながらまたまた露天風呂へ・・・。
参加メンバーから感想を寄せて頂きました。
◆地形図をコピーするとき拡大率をいつも同じにしておかないと、等高線のつまりぐあいと山に入ってから実際の見た目とが慣れていかないなー。身に付かないってことか。何度か行ったことのある人と山域を一緒にトレースして行くのは、“自立した山ヤ”を目指すにはいい経験です。思う存分先頭に行けるってもん。こんなのたまにはあっていいよね〜!待ってましたぁ!テントではなく宿に泊まって、「非常装備」を見せてもらったり、じっくりゆっくり過ごせとても参考になりました。特に乾いた着替えには唸りました。(斉藤典子)
◆晴れてても雪がフルフルやぶ山行 弱点ねらってあっち行きこっち行き(福田洋子)
◆素晴らしい晴天の中の出発、ワカンとスノーシューの違いを感じようとチャレンジしたが、本当のところ良く分からなかった。ものの本によるとワカンで40%スノーシューでは25%しか沈まないそうであるが、ラッセルをするとどちらも十分沈み、坂ではもたもたした。挙句の果てほんの少しの下りでもひたすら転びまくっていた。三岳中腹からルーファンしながら下山することになり、今までの学習の成果を発揮と思い小峠を目指すが、崖にでてしまい下れない。ここまではありえる事だが、本には書いていないここからの対応“現在地を同定するため展望の利くところに出る”という考えに達するまで時間がかかった。未熟者に追い討ちをかける様に開けた所から現在地を同定するが地図と現在地が一致しない。先輩にあれは尾根だと指摘されるまで尾根と気づかなかった。あまりの出来の悪さに涙が込み上げてきたが、泣いている暇があるようなら読図の勉強をしなおすべきだと思い、下山した。主催者から以前はこのルートで講習があった、とても楽しい企画であった、と伺った。確かにやりがいのあるコースで楽しめた。また、講習参加ではなく自主企画に参加するという形式であったので、先輩方に“本科生のルート選び”を大きな心で見守っていただいた。(松永己幸)
◆ワカン、ラッセル、死ぬ思い。対してスノーシュー、晴天、ハイキングと言う甘い考えで、前週のラッセル講習不参加のくせにルンルン気分で参加しました。期待通り宿良し、風呂良し、天気良しで又スノーシュー行きたいという思いを強くしました。但し後半はルートファインディング講習となり自分の未熟さを痛感させられました。(田中治男)
◆山あり谷あり湖あり、そして薮山の要素あり。途中の景色も良い。光徳牧場〜切込湖〜刈込湖のコースはスノーシューを満喫できるコースだと思う。時間の調節が利くところも良い。スノーシューが現在の半分の重さになったら、ワカンは生き残れるだろうか。(山野昭人)
【行程】 光徳牧場(9:15)〜山王峠(11:30)〜涸沼(12:10)〜切込湖・刈込湖(13:10)〜1800m付近(14:20)〜小峠(15:50)〜湯元(16:30)