自主の記録
2005/3/21(日)
八ケ岳 小同心クラック〜鉱泉アイスキャンディ
◆メンバー 横川秀樹(L)、伊藤幸雄(SL)、山野美香
◆記録 横川秀樹
朝5時起床。小屋の食事は摂らず、用意したパンを各自食べていざ出発。上空は風が強そうだがどのくらい影響があるのか分からない。とりあえず、大同心稜を登っていく。雪がかなり多い。大同心稜上部は急な雪壁となっていた。森林限界を越えると、風をもろに感じる。硫黄岳のほうから白い雪を巻き上げたような突風が周期的に襲ってくる。我々も耐風姿勢で対抗するが、雪面に腹ばいになるような低い体勢にしないと身体が吹き飛ばされてしまいそうだ。
先行パーティは、小同心へトラバースするバンド上に4人、小同心クラックの取り付きにも4人ほどいるのが見えた。我々もどうにかして、大同心基部にまでたどり着いたが、ここから先へ行くかどうか悩む。
ここでこのような風だと横岳〜硫黄岳間の稜線は、とても歩けないのではないかという気がする。先行パーティも多く待ち時間が長そうなことも考え、結局撤退に決めた。
大同心稜の上部はロープを使って降り、樹林帯に入ったところで一安心。あとは赤岳鉱泉に戻って、2時間ほど人工氷柱(アイスキャンディ)でアイスクライミングを楽しんだ。
朝方、出掛けに小同心クラックについてアドバイスをしてくれた広瀬ガイド(元山塾講師)も大同心大滝から戻ってきて、「おお、早かったな」と声を掛けられた。
「いえ、トラバース手前で撤退しました」
「お、そうか。それが正解だな、あの天気じゃ。小同心は逃げないからよぉ。お疲れさん」
我々三人、なんとなくホッとした気分で美濃戸へと向かった。