講習山行の記録

2005/1/7(金)〜1/10(月)
南アルプス・笊ヶ岳

◆メンバー 田中良一(講師)、阿出川忍
◆記録 阿出川忍


 今回、食と住の担当をしていた私は、大きなザックと手提げを持って電車に乗り、山に入る前に駅で怪我をしてはいけないと思い(?)、荷物を全て前泊の宿へ送っていましたが、前日M下君より仕事の都合でキャンセルとの連絡が入り、2人用のテントを持って身延入り。宿で不要となった4人用テント・食料などを送り返し、荷物を作り直しました。重た〜い。これで、ラッセル出来るのかなっと、かなり不安。
 明日からの禁酒生活を思い、たっぷり体にアルコールを入れて寝ました。

 タクシーで1時間、田代入口まで行き、林道歩きを1時間半で登山道入口です。身支度整えて出発。なにしろ講師と2人なので、何をするにも遅れてしまう私を、じっと我慢強く待つ田中さんでした。内河内川左岸のガレをトラバースしたり、雪の積もった桟道や橋をいくつも渡りながら進みます。それぞれに番号が付いていて50以上あります。しっかりしている物はほとんどなく、傾いたり、踏み抜いてあったりします。凍って谷の方へ傾いている橋は、だいたい手すりも谷の方に膝位まで傾いていて、とても怖いです。アイゼンを着けたかったのですが、言い出せませんでした。だって、田中さんは普通に歩いているのです。すごい!どこに足を置いたか見逃さないようにして、ついて行きました。数回あった渡渉も慎重にクリア。周りの景色は、雪で覆われた樹木、滝や渓谷がとてもきれいです。

 静かで誰にも会いません。最高です。途中まであった足跡も尾根に取り付く頃にはなくなり、いよいよラッセルの始まりです。雪はサラサラ。ここ何年もこんな雪に遭っていない。スキーがしたい。雪合戦は無理だな。雪洞はどうなっちゃうんだろう?とか、いろいろなことを思いながら、登ります。なんせ2人しかいないので、大変です。サラサラ雪は先頭を交代して、2番手になっても、あまり変わらず大変でした。そのうち、頭の中を同じ言葉がグルグル廻り始めました。「M下くん、なんでキャンセルしたのよ。今からでも来て〜!」
 15時前に転付峠到着。そのちょっと先の平らな所にテントを張りました。ここにはトイレもあります。食事を済ませ早々と就寝。

 前夜作っておいた水を私がシュラフに入れるのを忘れてしまい、朝食作りに手間取りました。失敗です。
 雪のちらつく中をワカンを履いて出発。荷物が全然軽くなっていない気がする、変だな〜、食べたのに。しばらくはゆるやかな上り下りです。潜る潜る、も〜大変。休憩で地図を見ても、僅かしか進んでいません。昨日の言葉が又頭をグルグル廻りだした2回目の休憩で、田中さんが「今日はもう頂上は無理です。」と言い、私に2つの選択肢を出しました。

  @時間を決めて行ける所まで行って、引き返す。 
  A500m位下って二軒小屋まで行き、明日、又上り返して同じ道を引き返す。 

 ん〜ん・・・軟弱な私は、ここから今すぐ引き返すというB案を提案し、押し切りました(笑)。 そうと決まれば帰りは速い。自分達の付けてきた道をどんどん進み、あっという間に、テント場まで着きました。行きの半分の時間でした。時間はたっぷりあるので、雪訓をしたり、地図読みの勉強をしながらバス停まで戻りました。

 頂上は踏めませんでしたが、笊ヶ岳へ続く道がとても気に入ったので、必ず、また登りたいです。


【行程】
1月8日 民宿(6:00)-タクシー-田代入口(7:00)〜登山道入口(8:30)〜保利沢小屋(11:10)〜転付峠(14:53)〜テント場(15:00)
1月9日 テント場(7:00)〜2225m付近(9:00)引き返す〜田代入口(15:51)