自主の記録
2004/12/29(水)〜31(金)
池山吊尾根から北岳往復
◆メンバー 金沢和則(L)、坂口理子(SL)、横川秀樹
◆記録 横川秀樹
「うっ、滑る。ヤバイ。アイゼンが欲しい。アイゼンは・・・、ザックの中か・・・。あぁっ、ピックが抜ける・・・。お、落ちそうだぁぁぁ・・・」
あたりは暗い。静けさの中に規則的な寝息だけが聞こえてくる。
「夢か。それにしても昨日はなかなか大変だった・・・。ん、え〜っと、今4時36分!?。わっ、寝坊だぁ。き、起床〜っ!」
初日の池山御池までの道は、急な下りと急な登り、ほかにも微妙なバランスが要求される箇所が多く、それがうっすらと雪をかぶって滑り易くなったものだから冷や汗をたっぷりとかかされる一日となった。まぁ、何はともあれ無事にBC予定地に到着し、二日目のきょうはいよいよアタック日。行動時間は11時間の予定なので、寝坊はかなりの痛手になりかねないところだったが、幸い数分で飛び起きた。天気はよさそうだ。
6時30分出発。急登から樹林帯を過ぎると広々とした稜線歩きになり気持ちがいい。ボーコン沢の頭に立つと、目の前に雪をかぶって真っ白になったバットレスが人を寄せ付けないような威圧感で迫ってくる。
ほどなくして、きょうの核心部、八本歯にさしかかると、10人ほどが順番待ちをしている。どうやらロープを出しているパーティがいるようだ。我々も念のため、待っている間にハーネスを装着した。急な岩場の下りだが、実際にどうなっているのかは降り口から見下ろしてみないとわからない。トップの金沢さんが下を覗き込む。まぁ何とかなりそうということで残置スリングなどを頼りに一歩ずつ降りていく。3人ともコルに降り立って一安心。
あとは、一歩一歩高度を稼いでいき午後1時過ぎに山頂へ。日本第二位の高峰から、第一位の富士山が良く見える。しかし、風が強いのですぐに下山開始。八本歯の登り返しは、下りで感じたほどは悪くはなかった。
3日目の下山日はまた雪。この日は東京でも積雪を記録したぐらいなので、ザックなど真っ白になりながら車にたどり着いた。そこには、今回の山行にケガで参加できなくなった山野美香さんからコーヒーとみかんの差し入れが3人分置いてあった。感謝。
【行程】
29日 夜叉神の森(7:30)〜鷲住山入口(9:00)〜発電所上の林道(10:30)〜あるき沢橋登山口(11:15)〜池山御池(14:45)
30日 池山御池(6:30)〜ボーコン沢の頭(10:00)〜北岳(13:15/13:20)〜ボーコン沢の頭(15:20)〜池山御池(17:15)
31日 池山御池(6:30)〜夜叉神の森(12:20)