■2004年9月〜11月の自主山行の記録


9月11日(土) 〜
奥武蔵合同トレイルラン(ハセツネ強化トレーニング)


◆メンバー:(チーム1)松本善行、横川秀樹、浅村和史、(チーム2)金沢和則、坂口理子(サポート)、山野美香(B.C提供等)
◆記録   :松本善行

 
■ルート選択の経緯
今年6月。ひとりぶらっと出かけた奥武蔵。芦ヶ久保駅から果樹園〜丸山〜大野峠〜正丸峠〜伊豆ヶ岳〜子の権現〜西吾野駅のコース。地図上では略逆S字形の我ながらniceなコース選択。その時は西吾野に下山して“逆S字形”を完成させる目的があった。他人から見れば全く無意味であきれてしまうであろう。しかしエアリアを見る限りは、子の権現から更に飯能方面にルートが延びている。そしてもう一つ、ルート中の大野峠からは白石峠が近い。白石峠からは例の外秩父七峰縦走のコースに繋がる。結果、頭の中で一瞬にして奥武蔵ロングコースが完成。(飯能駅→寄居駅/推定50km以上?)=モチベーションアップ。まことに単純である。

■チーム1の行動経過
※途中の時間を正確に記録していなかったので、推定時刻としてご容赦下さい。
(7:00)巾着田駐車場
翌日の日和田岩トレの都合上、巾着田スター

トに変更。それにしても凄い車の数。彼岸花の最盛期で、その催しとバッティングしたらしい。いつもと別の最奥の駐車場に追いやられる。
(8:00)高麗駅通過
結構出遅れている。途中のセブンイレブンで行動食の追加と地図のコピー。横川さんが財布を忘れ、再び車に取りに戻る。
(9:00)多峰主山
いきなり道を間違え、180度反対の西武線側に出る。山頂でチーム2と交信。我々とは1時間遅れでスタートした模様。
(9:30)久須美峠
ここまで所々藪っぽい。誰も歩いていないのか、やたら蜘蛛の巣にひっかかる。足元も露でびしょ濡れ。まぁチーム2のための露払いということにしておこう。
(10:30) 天覚山
徐々にランニングの割合を増やす。
(11:30) 前坂
エアリアにはここから“迷”マークだらけだが、ご丁寧に支尾根との分岐には必ず道標があり、迷いようがなかった。途中の墓場が不気味である。ここでのカモシカは止めておこう。
(13:00) 子の権現
茶店で小休止。ここから各自ペースとする。
(14:30) 伊豆ヶ岳
子の権現からは少しペースアップ。既に14時をまわっていて、ここで初めて寄居までは無理と判断する(アホだ!)。白石車庫(つまり小川町側)まで行ってもよいが、最終のバスに乗り遅れるとやっかいなので、芦ヶ久保下山とする。
(17:10)芦ヶ久保駅
次の電車が30分後ぐらいで丁度よいので、缶ビールと着替えに時間を費やし、所沢BCへ直行!

(浅村氏の結果)
当方と同ルート、芦ヶ久保駅下山。
(横川氏の結果)
正丸駅下山。(本人の証言は寄居。)
チーム2も正丸駅下山。お疲れ様でした(笑)

【行程】
巾着田駐車場(7:30)〜高麗駅(8:00)〜多峰主山〜久須美峠〜天覚山〜大高山〜前坂〜子の権現(13:00)〜天目指峠〜中ノ沢の頭〜高畑山〜古御岳〜伊豆ヶ岳(14:30)〜小高山〜正丸峠〜川越山〜旧正丸峠〜虚空蔵峠〜カバ岳〜大野峠(※)〜赤谷〜芦ヶ久保駅(17:10)

【当初予定】
(※)大野峠〜白石峠〜定峰峠〜旧定峰峠〜大霧山〜粥新田峠〜二本木峠〜皇鈴山〜登谷山〜釜伏峠〜中間平〜寄居駅


9月12日(日)  
日和田 RCT


◆メンバー:松本善行、横川秀樹、浅村和史、金沢和則、坂口理子、山野美香
◆記録   :浅村和史

 
 前日のトレイルラン練習の後、所沢BCに泊まる。翌日の朝 8時頃電車に乗り高麗へ。
 岩場はとても混んでいた。男岩も女岩も子供岩も。結局松本/横川/山野/浅村がやったのは女岩西面の「左ルート」と「チムニー」、そして男岩南面の東側のルートのみとなった。
 前日のトレイルラン練習は途中で終わったとはいえ、翌日に疲れが癒しきれているはずもなく足はしんどい。登っている時は短いこともあり、そんなことを考えていないが、疲れている分腕に頼ってしまった。特に「左ルート」と男岩では松本/横川/山野の3人の登り方を見てからでないと半ば程度までしか登れなかった。足で立つことと、広く周りを見ることの重要性を感じた。


9月19日(日)  
谷川岳〜一ノ倉岳


◆メンバー:山野美香(L)、山野昭人
◆記録   :山野昭人



 前日18時頃、一ノ倉駐車場に到着し幽ノ沢V字状岩壁右ルートを軽く片付けてきたらしい横川・伊藤組と合流。夕食を食べながら成果を訊いたが、北海道から来ていた他のパーティにかわいくて若い女性がいた事が最大の成果だったらしい。
 翌朝5時に駐車場を出発し、マチガ沢出合の駐車場へと移動。昨夜通った時は暗くてあるはずの巌剛新道の案内を見ていなかったので、どちらに歩き出せばよいのか地図で確認した。一ノ倉沢の方向に少し戻ると、ガイドブックどおりしっかりとした案内板がある。
 巌剛新道はその名の通り大きめの石が多く、沢を辿っているような錯覚を起こした。最初のうちはトマノ耳に向かって一直線に伸びている登山道なので、視界が開けるとピークが真正面に見える。
 時間が早いからなのか、ラクダのコルまで他の登山者には全く会わなかった。ここで初めて西黒尾根から登ってきた御夫婦のパーティと出会う。この頃から小雨が降り出したのでレインウェアを着るが、着ると止むのが雨。このときも歩き始めたとたんに止んでしまった。ここから先はマチガ沢の眺めが良いはずだったが、ガスで殆んど見えなかった。残念!
 トマノ耳が間近になった頃から天候が回復し、オキノ耳を過ぎ一ノ倉岳の登りにかかった頃には蒸し暑いほどになってきた。「一ノ倉岳から引き返すころにマチガ沢組みとちょうど会えるかもね」などと話しながらちょっとしたクサリ場を越え、ややきつい登りで息が切れてきたころに一ノ倉岳山頂に到着。広々とした山頂だ。時間が早すぎるものの、もしや松本・黒田組が現れるかもしれないという期待を抱きながら山頂で20分の大休止。茂倉岳やそこから続く尾根を眺めたり、万太郎山を同定したりして過ごした。
 一ノ倉岳からの帰りは、岩壁を登っているパーティを双眼鏡を使って眺めたり、紅葉の始まった西側の斜面の写真を撮ったりと、完全にハイキング気分だ。
 オキノ耳が間近になって驚いた。山頂や頂上下に数え切れないほどの人・人・人。手前で小休止したあと、都会の雑踏を避けるようにとっとと通過した。
 斜面を降りきったところにヘルメットを持った2人パーティが居た。訊くとマチガ沢を登ってきたと言う。「3人パーティに会いませんでしたか?」「彼らは引き返したよ」「えっ?」。15時に肩の小屋に集合という約束は完全に崩壊したのだった。これは手段を選ばすさっさと下山するしかない。トマノ耳・肩の小屋を通過し、全く休まずに天神尾根を降りきった。あろうことかロープウェイにも乗る始末。文明の利器を堪能した。土合口駅到着後、マチガ沢出合駐車場まで歩いて戻って車で「ホテル湯の陣」へ向かい、のんびり湯に浸かってから晩餐の買出しをして一ノ倉駐車場に戻る。案の定、ほろ酔い気分のマチガ沢撤退組みが待っていた。
 今回は一般道を辿っただけだったが、湯桧曽川での雪訓、タカマタギでのラッセル、荒沢山での藪漕ぎ、西黒尾根から天神尾根の雪洞などと合わせると、谷川山域の全体像がつかめてきた。明日湯桧曽川対岸に位置する白毛門から眺めれば、さらに理解が深まるはず……だったのだが。

【行程】 マチガ沢出合(5:20)〜ラクダのコル(7:30)〜トマノ耳(9:15)〜オキノ耳(9:40)〜一ノ倉岳(10:30/10:50)〜天神平ロープウェイ駅(13:00)


9月18日(土) 〜9月19日(日) 
吾策新道〜谷川岳


◆メンバー:松本善行(L)、黒田記代
◆記録   :松本善行



 今回最もおもしろかったのは(というより滑稽である)、縦走に加えて、山麓を含めての多様な移動手段を駆使し、翌日の別山行に繋げたことである。順を追って説明すると、
 @黒田さんは前夜、奈良より車を走らせ、土合駅に車を駐車後、下り電車に乗り(例の400段の階段を降る)、集合場所である土樽駅下車の予定であった。
 A黒田さんは交通事情により、土合からの最終下り電車には間に合わないと判断し、車を直接土樽駅に着ける。
 B土樽駅にてステーションビバーク後、万太郎山へ向け山行開始!車が土樽にあるため、本来は谷川岳から茂倉新道を下山すればよいが、営業中に水上駅前の「久保田(蕎麦屋)」に寄るため、天神平からゴンドラリフトにて下山。
 C谷川ロープウェイ山麓駅から運良くタクシーが捉まり、水上駅へまっしぐら。
 D水上駅前「久保田」で一杯(私のみ)やった後、上越線下り電車で土樽駅へ。
 E土樽駅下車。黒田車に乗り関越道を水上方面へ向かう。水上インター下車。
 F「サンモール」という馴染みのスーパーで買出し。右手に先程の水上駅を再び見て、土合駅到着。
 G土合駅にて二次会を開始する。
という具合である。
 車を翌日の別山行後に回収、という手段もあるが、本数の少ない国境越えの上越線各駅電車を捉まえるにあたっては、山行中のアクシデント等により乗り遅れる可能性がある。だから当日中の回収が無難というわけだ。
 さて、今回は「谷川集中」という形式であったが、集合場所である肩の小屋(15時)では、残念ながら他メンバーと会うことはなかった。
〈追録〉谷川新道分岐付近にある登山者用?の「バイオトイレ」は優れものである。おがくずを利用していて、全くと言ってよいほど臭わない。

【行程】 土樽駅(5:30)〜谷川新道分岐(6:40)〜万太郎山(10:00)〜大障子避難小屋〜オジカ沢の頭(12:40)〜谷川岳トマの耳(肩の小屋)(13:50〜15:00)〜天神平(16:30)


9月20日(月)  
白毛門〜笠ケ岳


◆メンバー:山野美香(L)、山野昭人
◆記録   :山野美香



前日、一ノ倉沢出合駐車場での宴もそろそろお開きの頃、雨が降り出した。どうもスッキリしない天気が続いている。今回は一般ルートを歩くので多少の雨でも中止にはしないが、白毛門から谷川東面の岩壁を眺めるのを楽しみにしていたこともあり、なんとか晴れて欲しいと思う。
 5:00、マチガ沢本谷〜東南稜組が準備をしているのをちょっぴり羨ましく思いつつ、土合駅へと車を走らせる。
 5:30土合駅出発。雪の白毛門は歩いたことがあるが、その時も天気はあまりよくなかったような記憶がある。
 登りはじめて間もなく、谷川岳ロープウェイ発着案内の放送が聞こえてきた。「山頂の天気は曇り」…こちら側も雨こそ降ってはいないがガスに包まれ視界があまりきかない。
 樹林帯の急登で汗が噴出す。そして休憩すると汗で濡れた身体が急に冷えてくる。そろそろ秋の気配だ。それにしても昨日の谷川岳とは違い、他の登山者が全くいない。土合橋手前の駐車場には10台ほど車が止まっていたが、皆キャンプか釣が目的なのだろうか。
 松ノ木沢ノ頭に出ても相変わらずの霧で展望が利かなく、時折うっすらとジジ岩・ババ岩、そして白毛門が見えるような見えないような…。少々気が滅入ってくる。クサリ場を2ヶ所程越えて小さく登り返すと、静まり返った山頂に出た。
ちょうどその時笠ケ岳方面から3人パーティが到着。ヘルメットを持っていたので声をかけてみると、昨日湯桧曽川を遡行し朝日岳経由でやってきたとのこと。地図を広げてコースを確認する。来年やってみようか・・・などと話しながら暫し休憩。今日は朝日岳まで、それは無理にしても笠ケ岳までは行く予定でいたが、天気は回復しそうにないのでここから下山することにした。

【行程】 土合駅(5:30)〜登山口(5:50)〜松ノ木沢ノ頭(8:40)〜白毛門(10:30/10:50)〜土合駅(13:30)


9月20日(月)  
谷川馬蹄形トレイルラン


◆メンバー・記録:松本善行


・前日から土合駅にてステーションビバーク。朝、1.5人前のカップラーメンを食べたらお腹が張り気味、少々きつい。
・白毛門の登りでは、ペースを上げ過ぎずに一定の速度を保つよう努めた。
・朝日岳で沢道具を片付けているパーティがいたので、どこの沢か尋ねると、湯桧曽川本流とのことであった。私としては清水峠へ突き上げるイメージであったから、詰めは朝日岳ということを知って驚いた。来年チャレンジしてもいいかなと思ったりもする。
・茂倉岳手前で、西黒尾根を登ってきた黒田さんとすれ違った。蓬峠あたりですれ違う予定であったから、私の調子が良かったのだろうか?
・ラクダのコル(昔はガレ沢のコル)という巌剛新道の分岐の少し手前で、同じく下山中の田口氏,伊藤氏,横川氏に出会う。彼らは巌剛新道下山と聞いたので、あと10分遅かったら会っていなかっただろう。やっぱり仲間と会うのはうれしいものだ。

【行程】
土合駅(5:00)〜白毛門(7:05)〜朝日岳(8:13)〜ジャンクションピーク(8:30)〜清水峠(9:03)〜七ッ小屋山(9:30)〜蓬峠(10:00)〜武能岳(10:35)〜茂倉岳(11:30)〜一ノ倉岳(11:45)〜谷川岳オキの耳(12:16)〜ラクダのコル(12:50)〜土合駅(14:00)


9月19日(日)  
藤坂ロックガーデン RCT


◆メンバー:伊藤栄子(L)、斉藤典子、阿出川忍
◆記録   :伊藤栄子

 
ロープワークの習熟を中心としたので、南稜60mを登った。
3人の為ロープ操作に時間はかかったが、セカンドの確保の確認がしっかり出来たし、2回目はゆとりを持ちスムーズに行動できた。
 西壁を1回チャレンジしたが、青息吐息で登りついたので、登攀力アップの重要性も感じた。次回は登攀練習を計画する。


9月20日(月)  
広沢寺 RCT


◆メンバー:伊藤栄子(L)、小林幸恵、斉藤典子
◆記録   :伊藤栄子

 
9:30岩場着、雨の心配が少しあったが多数のグループが集まっていた。
クラックルートに入る支点でピッチを切り、狭いテラスでロープ操作に悪戦苦闘し、終了点にたどりつくと3ヶ所の支点は他グループがビレイ中で、隙間に入り込み支点を確保した。
3人終了点で懸垂下降の準備をする頃には、人影は無くなっていた。ということで少々時間が掛かり過ぎる為、見えやすい、聞こえやすいルートに移りロープの振分けがスムーズにできる様に繰り返し行った。
また、セカンドを確保する時に支点に向かいしっかりテンションをかけることを確認しあった。
スポーツとして楽しめるので、美しく、滑らかに登り、ビレイができるようになっていきたい。


9月20日(月)  
丹沢中川川/鬼石沢(大滝沢本流)


◆メンバー:久野眞由美(L)、南谷やすえ
◆記録   :久野眞由美

 
当初7月に計画して、大雨やら台風やらで二度も流れてしまった鬼石沢。三度目にして、やっと遡行する事ができました。(もちろんF1・雨棚はパスです)
この日も駐車地点で支度していると、雨が降ってきた。空はどんより・・。とりあえず、天気予報上ではまあ大崩はしないだろう、という事で林道を歩き始める。林道から登山道に入る頃には、雨もあがった。(ヤレヤレ・・)
鬼石沢出合の一軒屋避難小屋まで、大滝沢を左に垣間見ながら登って行く。一軒屋避難小屋で鬼石沢とステタロー沢が出合うが、大滝沢の本流は、この鬼石沢。避難小屋で沢支度を整え入渓する。小屋からしばらく仕事道が沢に絡んでいる。900メートル地点あたりまでは、この仕事道がエスケープに使えると思う。
入渓してすぐの二俣を本流に取ると、いきなりF2・10mだが、ロープを出す事もなく右側から水流脇を直登できた。水量はさほど多くなく、続くナメはなかなか綺麗で楽しく歩ける。F3(20m)は、流心近くにハーケンあり直登可能という事だが、滝の上部1/4〜落ち口付近がツルンとしたスラブで、「う〜ん・・」と逡巡・協議して巻き!右側の支沢に少し入り、踏み跡を見つけて攀じ登り高巻くが、高巻きからの下降は急傾斜でチョット注意。
しばらく傾斜の緩くなった沢を、沢歩きする。登攀のイメージが強い西丹沢にしては、希少価値?「癒し系・和みの沢」ですよ、ここは!。水は澄み、ナメはきれいで、ヒタヒタと快適に歩けるし。苔むした岩・倒木、程好い小滝。目の前の斜面を、鹿が二匹、駆け上がっていった。鹿の鳴き声、M女史の「ぶぴー!」の声。いや〜、そろそろ秋ですねえ・・(?)。
水流がしばらくかすかになるが、また再び流れ出す。F4(7m)は水線沿いにしっかりとしたスタンスがあり、水量自体が多くないので濡れても快適に越せた。F5(5m)CSは、どこからこんな大岩が3つも転がって来たか、というようなチョックストーン。御丁寧にルートが矢印で赤ペンキで書かれていた。岩の間を潜り登り抜けるか、一番右側から乗り越すかだが、後者のほうが容易。
沢身が次第に狭まり、倒木やブッシュがややうるさくなってきて、奥の二俣。水量の多い右俣に入ると、傾斜が少し増してくる。即席ハシゴのあるはずの8mCSは、ハシゴは消失、倒木を足がかり・手がかり(倒木に残置スリングがあるが、この木自体グラグラ動くので、要注意です)にズリ上がる。
更に沢が狭く、水も枯れて、稜線が近くに見える頃に、最後の三俣。一番左を、大岩の左を巻くように擦り切れた青(ガイドブックでは青ですが、実際は緑色)のテープがあり、笹の中の踏み跡をズリズリと辿るとほどなく畦ヶ丸の稜線の登山道に飛び出した。
畦ヶ丸〜大滝峠上からステタロー沢沿いに一軒屋避難小屋を経て大滝橋までの登山道は、東海道自然道という事で林相の雰囲気もよく整備された歩きやすい登山道だった。
※駐車場所:ガイドブックでは、「道路沿いの大滝橋手前に駐車スペース」とありますが、大滝橋まで少々歩く。大滝キャンプ場は有料(1日700円)だが、登山口入り口に、チェーンで仕切った敷地内に車を置く事ができる。登山口から林道を辿るのだが、途中のゲートは施錠していないので、開けてその先の広いスペースの所に駐車している車両もあった。
(もっともこれは、本来イケナイなのでしょう。歩いてもたいした距離ではありません。)

【行程】 大滝キャンプ場(8:05)〜一軒屋避難小屋(9:10)〜入渓(9:30)〜畦ヶ丸稜線(12:20)〜一軒屋避難小屋(13:40)〜大滝キャンプ場(15:00)


9月25日(土))〜9月26日(日) 
八ヶ岳〜霧ヶ峰トレイルラン


◆メンバー・記録:松本善行
 
【目的】 高所におけるランニング。
【ポイント】本コースには、ガイドブックには載っていない“核心”というものがある。かかった時間を見て頂くとわかると思うが、間違いなく小淵沢駅〜観音平間である。進行を妨げるもの、それは複数の犬の吠え声と、私のエアリアでは赤の実線ルートとなっている観音平直下の廃道である。詳細は割愛。
【コメント】数年来八ヶ岳主脈北上にこだわり続け、今回は美ヶ原まで繋げてみようと思った。しかし、どうしても小淵沢駅からの別荘地帯内を通る林道は、苦い経験から暗いうちは回避したく、迂回する八ヶ岳公園道路側を通ったのだが…。某女史から「小淵沢駅発にこだわるなら、松本駅まで行かないと完成しないのでは?」との指摘になるほどと思った。しかしその路線(こだわり)は危険である。なぜなら実際それをやり出すと、今度は「自宅から雲取山だ!八ヶ岳だ!」などと言い出す可能性があり、歯止めが利かなくなるおそれがあるからだ。
さて、来年も同コースをチャレンジする予定ではあるが、観音平発と改めよう。ならば初日に蓼科までは行けるだろう。それは今回の山行を以って実感した。更に2日目が蓼科発なら、夕刻までに美ヶ原王ヶ頭までは十分可能であることも。と信ずる。

【行程】
25日 小淵沢駅(3:40)〜観音平(5:55)〜雲海展望台(6:40)〜押手川WC(7:10)〜編笠山(8:05)〜権現小屋(9:10)〜キレット(9:55)〜赤岳(10:45)〜横岳(11:40)〜硫黄岳(12:05)〜夏沢峠(12:18)〜箕冠山(12:45)〜根石岳(12:54)〜東天狗岳(13:10)〜中山峠(13:35)〜中山(13:48)〜高見石小屋(14:11)〜丸山(14:22)〜麦草峠(14:46)〜茶臼山(15:24)〜縞枯山(15:47)〜縞枯山荘(泊)(16:00)
26日 縞枯山荘(6:53)〜雨池山(7:05)〜三ッ岳(7:30)〜北横岳(7:59)〜大岳(8:22)〜双子池(9:05)〜双子山(9:23)〜大河原ヒュッテ(9:35)〜将軍平(10:14)〜蓼科山(10:30)〜女神茶屋(11:25)〜八子ヶ峰最高点(11:58)〜白樺湖(12:25)〜車山(13:52)〜車山肩(14:15)〜沢渡(14:25)〜鷲ヶ峰ひゅって(泊)(15:00)
※宿泊地の関係で、当初予定の美ヶ原王ヶ頭までを短縮し、八島ヶ原高層湿原までとした。



10月16日(土)
三ツ峠 RCT


◆メンバー:伊藤栄子(L)、伊藤幸雄、福田洋子、久野眞由美
◆記録   :伊藤幸雄



 久々の三ツ峠ではあるが、今回は久野、福田両名の三ツ峠デビュー戦でもあり女性主体のRCT企画である。何故かジャンケンで自分が負けてしまい記録する羽目になったが、どうせ小間使いの役目でしょうからしょうがないと言い聞かせる。
 7:00、裏三ツ峠登山口に集合。初参加の両名は相当気合が入っているかと思いきや「緊張して眠れなかった」と神妙なお言葉。やはり岩のプレッシャーかもしれない。
8:00四季楽園前に到着。
 山は異様に静かで我々が一番乗りらしい。その静けさと山荘から見る三ツ峠の岩壁は、初めての人にとって相当不気味に感じるらしい。
 「あれ登るの!・・垂直じゃん!」・・「近くに寄ればそれほどでもないから・・」などと会話が飛び交う。
 まずは右フェース一般ルートにトップロープを張って、足慣らし、手慣らしをすることにした。で、自分がリードして登りはじめたが、どうも岩を触ってもしっくりこない。しばらく岩から離れていたせいか異様に岩が冷たく感じ、滑るような気がする。前回の三ツ峠では難なく登っていたのに今日はどうしたことか・・・こんな日もあるよと慰めてみたものの、下で心配そうに見ている女性陣の目もあり騙し騙し登りロープを張った。「なさけなア〜」・・・岩に向かう気力が薄れていたと反省する。
 練習している間に人も増えてきたので、上を目指すことにした。伊藤(栄)−福田、久野−伊藤(幸)ペアに分かれツルベ方式で登り始めた。
 ルートは一般ルート〜10.5クラック〜16クラック〜18クラック〜II、III級の岩場〜天狗の踊り場に上がった。
 ルートそのものは山塾2年もやればこれといって難しいところはない。ただ三ツ峠での習得はザイルワーク、それと高度感だろうと思う。
 通常のゲレンデと違い、本番に近い三ツ峠では手早いザイルワークの練習は実戦そのもの、そしてリッジに立った時に足元から見える遥か下の木々、この高度感に慣れることも重要。
 今回の挑戦者はどうだったのかわからないけど順調に登ってきたのは確かで12:30に天狗の踊り場に到着。
 ただ、これが三ツ峠と思われるのもシャクなので「大根おろし」を経験してもらうことにした。細かい岩と言うか小石と言うか、それを手と足で捉え絶妙なフットワークで垂直な壁を登る。初めての二人にとっては「恐さ倍増」だったかもしれない。しかし、すごい集中力を発揮し一度も落ちることなく完登、さすが研究生。でも、登ると直ぐ「人が苦労して登っているのに上でのんびりとビレイしている姿はアタマに来るワ」・・と反撃された。
 そんなこんなで遊んで、紅葉おろしのところから懸垂し15:30に登山道にもどった。緊張感から解き離れたこともありどっと疲れ感が出てきたようで今回はこれで終了となった。
アルパインを目指す者として、最近、山塾の三ツ峠講習が無いのは残念に思う。是非、本科生の皆様にも経験してもらいたいゲレンデである。

【行程】 一般ルート〜10.5クラック〜16クラック〜18クラック〜II、III級の岩場〜天狗の踊り場(10:30〜15:30)


10月17日(日)
表妙義縦走


◆メンバー:斉藤典子(L)、黒田記代、阿出川忍、小林幸恵
◆記録   :阿出川忍

 
 最近の熊出没の多さにビビリ「道の駅みょうぎ」でテント泊。でもそこは、ローリング族のスタート・ゴール地点だったらしく、2時頃まで騒音が続き、おかげさまで(?)熊も出てきませんでした。
 朝、車を登山者用駐車場まで移動し、身支度整えて出発。雨具を着ない山行は久しぶりなので、やっぱりうれしい。特に岩場の多い妙義では天気は重要と思われます。
 最初からの階段、すぐ動悸・息切れで、すぐ休憩〜。神社からの出発のせいか、筑波山に似ているなーと思いました。
 門をくぐり左右に道が別れます。どちらへ行っても同じ場所に出ます。左へ行った私達には、早速、足元の濡れた滑りやすそうな、鎖のトラバースが待っていました。
 フェラータを使い慎重に通過。見た目と違いホールドが沢山ありました。そこから先も地図には、外傾鎖・直立した鎖など、脅かすような事が書かれていますが、ホールドがしっかりしているので、三点確保ですんなり通過できました。
 このコースのハイライトは「鷹戻し」。何連にも繋がる鎖を縦・横・斜めに登っていく。あーおもしろい!ふと、下を見た時、かなりの高度感にくらっときた私。そう高所恐怖症です。手足が震えで利かなくなる前に、すごい勢いで登りきりました。ここは全員が登るまでに、かなり時間が必要でした。
 その後の下りルンゼ内2段25mの鎖の所でザイルを使い懸垂下降しました。縦走自主でザイルを使ったのは初めてだったので、なんか嬉しかったです。
 ここでは地元の山の会の方々が懸垂の練習をしていました。その方の話だと、この先の東岳から仲之岳への道が判り辛いということでした。行ってみると、教えてもらった道が探せず、引き返そうとした程でした。東岳の頂上らしきところをまっすぐ行かずに、左側にある2m位の岩(本当はここが頂上かも)を登ると、仲之岳への道が現われます。すぐ目の前に仲之岳のピークが見えているので、ついまっすぐ行きたくなるのですが、先はすぐ崖になってしまいます。この道が探せずに引き返す登山者や、崖を下って怪我をする登山者が多いと聞きました。要注意箇所です。
 久しぶりの晴天で浅間山もバッチリ見えて、きれいきれいと午前中に休憩をとり過ぎた私達は、予定の妙義中間道ではなく、仲之岳神社へ下り山行を終えました。

【行程】 駐車場(5:40)〜妙義神社(5:50)〜奥ノ院(7:40)〜見晴(8:10)〜玉石(8:50)〜天狗岳(9:45)〜タルワキ沢のコル(10:25)〜相馬岳(10:40)〜ホッキリ自然道(12:35)〜分岐〜仲之岳神社(17:00)


10月23日(土)
両神山神流川/金山沢左俣(八丁沢)


◆メンバー:福田洋子(L)、伊藤幸雄(SL)、渡部吉実
◆記録   :渡部吉実

 
 9時に西武秩父駅に集合した。赤岩尾根講習組と集合場所、時刻とも一緒だった。我々はお先に出発させていただいた。車中は3人の会話がはずみルンルン気分でおなじみのループ橋にさしかかる。滝沢ダムの建設工事もそろそろ終盤をむかえている様子。やがていつも右折する交差点をまがると交通整理のオジサンに「この道はダムの湖底にしか行けないよ、どこへいくのかね」と聞かれ、我々は「中津川方面に行きたい」というと「このトンネルを抜けて右に曲がると新しい道路がある」との返事を聞き半信半疑で車を進めるとあったあった、2年前に中津川沿いの道を走っている時に左岸側の高い斜面を工事していた道路が完成していたのだ。
 対向車が来ると徐行しなければならなかった旧道に比べると、距離も時間も大幅に短縮された。
 さてせっかくの晴天なのに紅葉のほうはぱっとせず似合わない景色。神流川本流は週始めに通過した台風23号の降雨で笹濁りになり力強く流れている。この分ではいつもチョロチョロと流れる金山沢もきっと増水しているだろうと思った。あっと言う間にバス停のある出合のT字路を右折し、まもなく上落合橋に到着する。しかし紅葉の両神山へのハイカーの車が駐車場を埋めつくしており落合橋たもとの路側帯に我々は駐車した。
 沢支度を整え11時ちょうどに上落合橋を出発した。この頃には薄い雲が張り出してきた。
 思えばこの沢は初めての赤岩尾根講習で両神山への廃道を探すという課題を与えられた時に誤って入り込んだ沢だ。遡行してまもなくF1(8m)がたちはだかる。遡行図には右を詰めるとあるが我々は観察したのち左のルンゼを詰めた。伊藤さんがルンゼの途中から滝の落ち口付近へ登り返そうとしたがあまり良くないとのこと。いつラクが起きても不思議ではないルンゼを福田さんが一歩一歩だましだまし詰めていく。頭上には朽ちかかった木橋がかろうじて架かっていて、その下から這い上がる形で抜けた。この沢での最難所かもしれない。
 河原に降りるとナメ、またナメといった感じで沢全体が岩盤といった趣の沢。すべりそうな色をしたナメだが見た目ほどすべらない。この逆が上越の米子沢、すべらなそうな色なのに変なところで滑ったりする。このあたりのマジックが事故を誘発しているのかもしれない。
 水も澄んでいるのに魚が走る気配がまるでない。魚族不在の沢なのか。きっと大雨が降ると、あっと言う間に増水し、その翌日にはもとの水量に落ち着いてしまうような、そんな沢なのだろう。次の滝は左から登り落ち口を横切って抜けるというルート。伊藤さんにビレイしてもらい登ったが落ち口で水を浴びると身を切るような冷たさ。さすが10月下旬の1400m付近の沢だ。心の中に「早く抜けてしまいたい」という気持ちが先走る。このあと昼食をとり、2,3の沢を分けると伏流となり、最後の二股を遡行図どおり左を詰めると東岳と風穴の間にひょっこり出たのは13時20分だった。
 帰路は八丁峠ルートをとり落合橋に15時前に到着、ハイカーの車は1台も無くなっていた。
 駐車場に車を移動させ夕食の準備をした。大ナゲシへの往復に行った講習組が17時頃帰ってきて我々と合流し夕飯準備が終わったあたりで揺れを感じた。と同時に暗闇の中ラクの音が響く。道路のあたりか。この揺れは2回感じたが、翌日の昼飯時に工藤講師から聞いた話しで新潟で大きな地震があり震度6強、上越新幹線も脱線した地震だったらしい。そんなことはつゆしらずに、この日のテントサイトでの宴会は伊藤さん特製のキムチ鍋で盛り上がった。

【行程】 上落合橋より入渓(11:00)〜登山道(1:20)〜落合橋(2:47)


10月24日(日)
両神山神流川/ゲタヤ坂沢(赤岩尾根縦走)


◆メンバー:福田洋子(L)、伊藤幸雄(SL)、渡部吉実
◆記録   :福田洋子

 
 とっても元気な講習組に「地震だー震度5」テントを揺すられ起床。6時出発の皆を見送ってから食事にテントの撤収、遅れること一時間半、でやっと出発。(これは後で反省、もっと早く行動すれば良かったです)
 上落合橋より林道沿いにしばらく進み採石場のゲートを過ぎると岩見橋が架かっている。ここから赤岩尾根のP1、P2が望め、その鞍部めざしてゲタヤ坂沢がストレートに突き上げている。
 すぐそこには堰堤があり中央の二つの水抜きからアーチ状に水が噴出。「ちょっと、ちょっと増水してないか?」不安にかられながら身支度を整え、取りあえず堰堤を越えて一安心。なんだ伏流ジャン、まだ登山靴でも平気なくらいだ。ボサがちょっとうるさいが傾斜のある河原歩きといった所だ。が、ここで嫌なもの発見!(ティッシュだ!あ!あそこにも、こっちにも、ここはトイレか!)ほかの二人が気付いているのかどうか知りませんが、私は心密かに(絶対ここに採石場の人は用を足しに来ているぞ、絶対に転ばないようにしなきゃ、岩に手を付くなんざもっての外だ)と慎重に歩いてました。ある意味、核心だったかもしれません。
 採石場の作業道(これで用を足しに来るに違いないと私は確信した。すみません、さっきからきたない話で)を過ぎ、右俣を分けゴーロを進むがほとんど水流はない。わずかに見える沢床がナメで濡れているぐらい。いくらか両岸が立ってきてゴルジュらしい雰囲気がただよい、ゴーロが少なくなると自分達が長いナメを歩いている事に気付く。遡行図には50m4段とあるがナメはずっと続き、その前後も全てつながっているように思える。
 そのナメがつながったまま右曲し、左曲し、逆「く」の字滝F1(6m)。ユキさんが上がった後にズリズリしてたらお助けザイルが飛んできた。
 相も変わらずナメが続くが段々と落ち葉が沢を埋めて行き、周りの傾斜も強くなる。目の前を岩壁が立ちはだかり、その前に立派な杉の木が鎮座。杉の根元までの2mを右側から攀じると、もうそこは沢の様相は無く、落ち葉の堆積した斜面。前方正面にはチムニー。こういう場合にも滝って言うのだろうか?(遡行図ではF2と記載されていた)
 10m以上先までスッパリと見通せるチムニーは、途中に一個のチョックストーンがあるだけで他には何の支点も取れそうに無い。左の潅木まじりの斜面にあがった渡部くんにザイルを投げてもらい合流。ここからは傾斜が強いためザイルをつないだまま潅木づたいに2ピッチ。F3を見ないまま稜線に出た。
 一応、予定通り遡行を終了したので、沢靴を脱ぎ赤岩尾根の縦走に入る。講習組とどこで出会うか、ちょっとワクワクしながら出発。
 赤岩尾根、私は去年の事で、渡部くんとユキさんは2年ぶり。もちろん三人とも逆を行くのは始めてだが、それでも通れば思い出すだろう。と、思っていたが「こんな所あったっけ?」「ここって巻いた所かな」後ろを振り向きながら見覚えがあるか確認したり、「こんなにテープなかったぞ」でまた確認。
 やっぱり岩場の下りが多いなと思いながら進んでいると向こうの斜面がやけに賑やか。「皆だ!」早く顔見たさに急いで鞍部に下りると、一列に並んだ笑顔があった。
 講習組はドキドキの核心部も終えて後は楽しい尾根あるき、こちらは下降の核心がまだこれからだ、距離はちょうど半分位だが急がないと一緒に帰れない。早々に皆と別れ先に進む。
 1583m峰はみんなが攀ったリッジの右側(私達からは左側)、潅木のある斜面をザイルで懸垂下降。その先のヤセ尾根からも懸垂で処理。ザイルをたらす場所、下の様子を伺いながら、なので結構手間が掛る。
 最後の赤岩岳からの下降も尾根を行きすぎ、蛇のひなたぼっこを邪魔したりして、それから戻って踏み跡探したりと、ずいぶん時間を掛けてしまった。
 峠からはかなり急いで下ったが、落合橋に着いた時には他の車の影も形も無かった。尾根で工藤さんには私達の帰りを待たなくて良い旨を言っておいて良かった。やっぱり朝は早く出るべきですね。

【行程】 上落合橋(7:30)〜岩見橋(7:45)〜遡行終了・P1とP2の鞍部(10:15/10:30)〜P3とP4の鞍部(12:00)〜1583m峰(13:10)〜赤岩峠(15:10)〜鉱山住宅(15:55)〜落合橋(16:30) 


11月10日(水)  
日和田 RCT


◆メンバー:福島彰男(L)、松永己幸、池田松野、伊藤由以
◆記録   :池田松野

 
 日和田の男岩南面でトレーニング開始。クラックには他パーティのザイルが張ってある。
私達は支点作りを第一の目標としていたので
 慎重に支点をセットし、懸垂下降する。次いでクラックを登り、上でセカンドビレーをする。
 セカンドビレイの仕方、ザイルを手際よく扱うこと等、自分たちでやってみるとあやふやな事が多々あり、今後の課題が沢山出てきて有意義な山行だった。
 伊藤さんには24期でセットしたものについて、違っている点を指摘、アドバイスしてもらい、自主1回目だったが安心してトレーニングすることができた。

【行程】 トレーニング開始/男岩(9:30)〜終了(16:00)


11月13日(土)
奥多摩日原川/倉沢谷・塩地谷


◆メンバー:福田洋子(L)、渡部吉実(SL)、南谷やすえ
◆記録   :福田洋子

 
 「やっぱり11月は〈わらじ納め〉をしないとね。大丈夫、濡れないルート探すから」なんて言って2人を誘い込んでしまった。あれやこれやで丹沢や奥多摩のルートをめくりこれしかないでしょう、で探し当てたのが塩地谷。
 前から行ってみたいリストには入っていましたが夏の初めに考えていた時は、倉沢谷本谷から継続して上流の長尾谷と塩地谷を泊まりでやる計画。タイミングをはずした為、今年はもう無理だなと思っていました。でも、この辺り長沢背稜の縦走路は行ってみたい。継続するのは来年として、偵察だけでも出来ないかと考えました。
 単純にルート図を比較すると遡行時間の短い長尾谷ですが下山が長いしアプローチに車が使いづらい。塩地谷は前半ゴルジュで水量も多いらしい、遡行時間も3時間半と長いのでダメかなと地図に遡行図とを何種類かを広げて思い付きました。
 そう、季節も秋だし濡れたくないんだからゴルジュを仕事道でカットしてしまえ。下山には棒杭尾根がきっと黄金色のトンネルを用意しているはず。そんな期待を胸に計画しました。
 倉沢の林道は、まあしっかりしているものの路肩の脆そうな所もあり終点まで行かずに車を止めました。30分ほど歩いて魚留橋に到着、橋のところから魚留ノ滝が望めます。そんな滝を巻く為かのように仕事道が尾根に向って付いています。斜度がありそのまま沢に降りずに上ってしまいそうな雰囲気ですが、しばらく行くとトラバース気味に尾根を巻くようになり右下にゴルジュ帯とおぼしき沢の流れが望めます。岩尾根を越えて、はっきりした流れの茅尻沢を渡り塩地沢に入ると、そこは空が広く気持ちの良い所で小屋跡のある場所は絶好のテン場となりそうです。
 核心を省いた為、沢登りというよりは沢歩きに終始することになりましたが、ピチャピチャいわせながら魚影をながめ、赤や黄色の落ち葉が水面にゆれてのんびり歩くのも良いもんです。メンバーもそんな沢に相応しい面々だったと思います。
 遡行2時間で登山道に出ましたが途中で大きな拾物もしました。頭蓋付き鹿の角です。バラけた奴や肉付きのは今までにもお会いしましたがコレは見事にV字状に角が残っていて「生徒に見せてあげる」とMちゃんはリュックに括り付けて持って帰りました。この後姿は中々のもんでした。
 一応偵察の一貫として一杯水避難小屋も覗かせていただきましたが既に10人位の方がマットで陣取りをしていました、ストーブもトイレも有り独占できたら楽しいでしょう。
 もう一つの目的の棒杭尾根ですが残念ながら黄金色のトンネルは早散り終わっていました。10日位前でしたらきっと素敵な光景だったと思います。それでも木々を透かして東日原に向う尾根の稜線や倉沢谷の奥深さは堪能できましたし、おまけに地蔵橋まで一時間で下山できるのを確認できて今後の沢や長沢背稜の冬季縦走あるいはカモシカとか、やってみたい計画のおおいに役に立つなと思いました。
 
【行程】 魚留橋(10:30)〜小屋跡(11:30/11:45)〜登山道(14:25)〜一杯水避難小屋(14:30/14:50)〜棒杭尾根分岐(15:30/15:40)〜地蔵橋(16:30)


11月13日(土)〜11月14日(日)  
戸隠山縦走


◆メンバー:阿出川忍(L)、黒田記代、斉藤典子、伊藤栄子
◆記録   :阿出川忍

 
 女性4名、時間切れの為、八方睨でビバークしました。八方睨は戸隠連峰の1つのピークで高度1900mです。
 5時15分まだ明るかったのですが、これから先の「剣の刃渡り」「蟻の戸渡り」などの通過を考え、ビバークと決めました。
 まず、ツェルトの用意を3人がしてくれているうちに、私はお湯を沸かし、食事の用意をしました。だんだん暗くなるのと共に、気温がどんどん下がっていきました。ツェルト2張を風が除けられそうな所に張ろうと、いろいろやってみましたが、うまくいかず、上半身と下半身に分けて4人並んで被りました。しばらくして、これは寒い事が解り、2人ずつ、くるまって寝る事にしました。私は靴を脱いで、ザックに足を入れていましたが、背中からの冷えがとても辛く、ザックを敷いて靴を履きました。みんなそれぞれ少しでも寝易いように、ごそごそ動き、傘をさしたり、色々工夫していました。眠れないので、伊藤夫妻の馴れ初めなんか、聞いちゃったりして・・・そのうち1人、2人と寝息が聞こえてきて、寒くて、長い夜が始まりました。
 妙な興奮状態(?)と寒さの為、眠れなかった私は、1時間置きに9回、ツェルトを抜け出して、みんなの寝息を確かめました。笑われるかもしれませんが、凍死が怖かったのです。
 明け方、寒さは一段と厳しくなり、3時50分〜5時頃みぞれが降ってきました。
 どんよりとした空は6時を過ぎても明るくならず、なかなかツェルトから出てこないみんなに「行くよ〜」っと掛け声かけて、6時50分に出発し、車のある奥社まで無事下山しました。
 今回、何故ビバークになってしまったかを考えると、このコースは行程が長いので、もう少し早い時期に計画したほうが良かったということと、心配していた岩場の通過よりも、雪のうっすら積もった登山道歩き(特に下り)に時間がかかったという事が挙げられると思います。
 今回の自主は、いろいろな事を学べたとても良い山行でした。
「無理はしないけど、ちょっと頑張る自主」これからもどんどん計画したいと思いました。

【行程】
11月13日(土) 上楠川橋(5:40)〜P1尾根取り付き(6:20)〜第1峰弁慶岳(12:25)〜西岳(13:35)〜本院岳(14:20)〜最低鞍部(16:05)〜八方睨(17:15)
11月14日(日) 八方睨(6:50)〜戸隠神社(10:30)


11月27日(土) 
日和田 RCT


◆メンバー:福島彰男(L)、池田松野、松永己幸
◆記録   :松永己幸

 
11月23日藤坂ロックガーデンで学んだマルチピッチの復習。
【不十分な点】
@ 互いの装備の確認を忘れる
A “ビレイ解除”と声を掛ける事
B 流動分散のセットのしかた
C セルフビレイの取り方
D セカンドが登攀する前にビレイ器セットすること
E 懸垂後引きザイルにカラビナを掛ける
F 懸垂終了後ザイルを前後させること
一人の間違えや疑問点を全員で共有できたことが良かった。また、意見の交換で互いの意思の疎通が図れた。
PMは伊藤夫婦が見学にいらして、とても適切なアドバイスを戴き、マルチピッチの手さばきが上達した。
今後はどのような岩場でも対応できるように、向上したい。

【行程】 AM:子供岩 〜 PM:男岩横