■2004年9-11月の講習山行記録
9月4日(土)〜9月5日(日)
応用ステップ/多摩川源流 大常木谷
◆メンバー:工藤寿人(講師)、伊藤幸雄、福田洋子、小松清隆、久野眞由美、南谷やすえ、
伊藤稔、浅村和史、黒田記代、伊藤栄子、斉藤典子、福田彰男、松永己幸
◆記録 :松永己幸
その名の通りだけどステーションビバークって、駅で寝るの? 何もかも初体験の私にとってはそんなのあり?という感じ。えーい!どんな事だって誰にでも初めがあるもんね。そんな気持ちで迎えた大常木谷。
一ノ瀬林道で会った松茸とりのおじさんが子連れの熊には気を付けるようにとの事。下降点から一ノ瀬川へ、早速懸垂下降。大常木谷の出合に到達するまでに、泳いだりへつったり、懸垂下降したりで、結構体力が消耗した。
本日の最大の滝25m千苦ノ滝まで来た。高巻いた為近くまでは寄らなかったのだが、随分壮大な滝で、ここまで来た人にしか見ることのできない滝だった。右から高巻いて更に高巻いたので、尾根付近まで上がって来た。人があまり歩いていないからなのか、足元はふがふがしていて、木の根が腐っているものが多くあった。思わず今朝の松茸おじさんの小熊連れの熊には気を付けろという一言が頭をよぎり“熊さん来ないでね”と祈った。と、そのときゴーグルのゴムが切れて飛んでいってしまった。うーんいやな予感。
2度懸垂下降して、千苦ノ滝上流へ。千苦ノ滝と山女淵の中間辺りでビバークする。タープの下で寝るのも初めて、少し心配。焚き火大臣から焚き火の法則を学ぶ。焚き火のお蔭で服も乾いた。
夜中、大雨が降っていたので何度も目が覚めたが、朝は止んでいた。前夜と比較したら、ステーションビバークって素敵と思った瞬間だった。でも夜中の大雨のお蔭か川がキラキラしていて、清々しかった。
本日最初の関門山女淵、技術が未熟で登れない。先輩方の助けを借りてナントカ滝上流へ。8mの不動の滝。左側をへつって直登するが、昨日のいやな予感的中。左コンタクトが流されてしまった。ゴーグルさえあればなぁ。
会所小屋跡ここまで来ると本日の沢終了。と思ったのはつかの間で、大常木林道これがアドベンチャーロードで大変。私の能力では、地図上で林道がどれか分からない。おまけに林道が崩壊している箇所がある。講師からはあれこれ指示されるが、崖を目の前にして頭が真っ白。ごめんなさい。
ヘッドランプを点灯させての下山、ついに舗装道路が見えた!皆様お疲れ様です。お世話になりありがとうございました。と思いながらも、すっかり乗せてもらっている車中で寝てしまった。皆様無事帰り着けたかしら。
【行程】
9月4日 駐車場(6:50)〜一ノ瀬川降下点(8:30)〜大常木出合(10:50)〜千苦ノ滝(13:30)〜ビバーク地(15:15)
9月5日 入渓(7:30)〜山女淵(8:45)〜不動の滝(10:00)〜御岳沢分岐(11:00)〜会所小屋跡(12:00)〜二ノ瀬駐車場(19:00)
9月11日(土)〜9月12日(日)
特別講習会/御在所岳クライミング
◆メンバー:角谷道弘(講師)、黒田記代、小林幸恵、福島彰男、斉藤典子、
◆記録 :斉藤典子
御在所岳藤内壁前尾根岩登りに参加しました。角谷道弘さん、サブの加藤智司さんとメンバーは角谷さんの会員の方5名(大阪校のみなさん)と我々4名が日向小屋で合流し、自己紹介後出発しました。
関西では山塾を「やまじゅく」と呼んでいるそうです。大阪校のみなさんはトップロープで楽しげに!私たちは二組に分かれ、リードクライミング練習なのだ!とダブルロープで続きました。花崗岩質で取り付き口のチムニーはちょっとかぶり気味で難所でしたね。
前尾根は岩場を縦走する気分が充分楽しめ高度感も味わえます。角谷さんは大阪校のみなさんと我々の中間地点にいつも居てくれてアドバイスを飛ばし、私なんぞは上から垂れ下がる角谷さんのロープに助けられていました。懸垂終了後ロープが岩の隙間に食い込み引っ張りきれなかったときや、そのときどうするのか?を考えさせられた場面がありました。そして、ロープさばきに手間取り大阪校のみなさんをかなり待たせてしまいました・・・。
いつも同じゲレンデで練習するのではなくいろいろ試してみること、ペアを組んだ相手には何をどうするのか事前に声をかける、ときには落ちる衝撃も体験しておくことなど危機管理は怠らないこと、と反省点てんこ盛りです。
やらなければいつまでたっても出来ないのダ!まだまだ登攀力・技術力・精神力に乏しく、リードクライミングのドアを叩いたばかりのリード初心者の私にはとてもいい体験でした。自分はどんな岩場縦走が好きなのかをも考えさせられました。
東京(新幹線)6:36発→名古屋(近鉄)→湯ノ山温泉9:44着 の電車を利用しましたが乗り換えの便も良く近いと思いました。他のルートもぜひぜひ行ってみたいです。
【角谷道弘(かどやみちひろ)氏】
登山教室ビスタリクラブを1995年に設立。2000年4月から無名山塾大阪校代表。
1996年キリマンジャロ、アコンカグアにガイド登山。1997年ヒマラヤ・チョーオユー無酸素登頂。1999年チベット・リャンカンカンリ初登頂。2000年日本テレビ・ウッチャンナンチャンのウリナリ「マッターホルン登頂部」コーチ。
【鈴鹿 御在所岳の岩場】
三重県と滋賀県の県境を南北に走っている鈴鹿山脈の中間部に御在所岳(1210m)がある。
東海・関西地方の登山者にとって格好の練習場であるこの岩場は、御在所岳頂上の北側の山腹、藤内沢の周辺に広がるいくつかの花崗岩の尾根、壁からなっている。
(記:黒田記代)
【行程】
9月11日 湯ノ山温泉駅〜登山口〜日向小屋〜クライミング講習〜日向小屋
9月12日 クライミング講習〜日向小屋〜登山口〜湯ノ山温泉駅
9月23日(木)
基本ステップ/日和田(2)
◆メンバー:金沢和則(講師)、坂口理子、伊藤幸雄、山野美香、田中治男、福島彰男、池田松野、
松永己幸、神森揮要子、伊藤稔、シニア1名、みどる1名、ゲスト2名
◆記録 :田中治男
曼珠沙華もやや時期を過ぎた日和田山で通例どおり開催された。子供岩は遠足倶楽部の日和田1で使われていた為、最初から男岩、女岩で参加者の習熟度にあわせて行われた。
季節もよく、休日という事で大変込んでいる中、トップロープでの岩登り、ロワーダウン、ビレイの技術確認をした。スピードよりも確実なビレイ、登リ方を心がけるとのことだった。
登るとき、目一杯まで手を伸ばしてしまうと岩にくっついてしまい、足元が見えなくなってしまうという事を教えてもらった。
この夏、山から遠ざかっていた為、久しぶりの岩は私にとっては少し緊張感をともなうものだったが、何回か繰り返すうちに少しずつスムースにできるようになってきたように思う。覚えた技術を自分のものにするには定期的な練習が必要だと改めて感じた。
その他トップロープの設定の仕方、懸垂下降の講習が行われた。
【行程】 高麗駅(8:40)〜日和田山/女岩・男岩にてクライミング、懸垂下降等トレーニング(17:00)
9月25日(土)〜9月26日(日)
マスターステップ/小川山フリークライミング
◆メンバー:加藤泰平(講師)、木村、新井、中村(サポート)、横川秀樹、伊藤幸雄、山野昭人、山野美香、福田洋子、木之下悟、阿出川忍、伊藤栄子、小林幸恵、福島彰男、池田松野、松永己幸
◆記録 :池田松野、小林幸恵
9月25日(土)−池田松野
24日夜、集合場所の池尻大橋は雨だった。合羽を着てテントを張るのはイヤダナア。24期生の3人は横川さんの車に乗せてもらって廻り目平へ。雨もいつしか止んだ。深夜なのに美香さんがランタンを持って出迎えてくれた。その上お二人で我々のテントを張るのまで手伝ってくれた。こんなにしてもらったからには2日間ガンバルゾー。
25日8:00に山荘前あずま屋に集合。講師の加藤さん、木村さん、新井さん、中村さんに挨拶して西股沢対岸のマラ岩へ。東面のレギュラー(5.10b)と川上小唄(5.7)に分かれてトレーニング開始。レギュラーは技術・体力ともとても大変そうで、あんなルートによく登ろうと思うものだと感心する。川上小唄は下から見ていると何とか登れそうだが、登り始めの2mがポイントだと思った。どうにか登ってロープを緩めてもらい反対側をのぞく。スパッと切れ落ちていて高度感満点。爽快ダァー。
次に南面に回って屋根の上のタジヤン(5.9)を。緊張しながらも出っ張りやへこみを一つ一つ見極めながら登る。ビレイしてくださる人と、岩と、私の世界。楽しいっ。
東面に戻りクラックの登り方を教えていただく。みんな上手なのに私一人ジャムがきかない。木之下さんにビレイしてもらって3度トライ。(苺ジャムは好きだけど、このジャムは苦手だどー。26日の高い窓(5.10b)では1ヵ所ばっちりフットジャムがきいてよかった!)
さらにレギュラーをトライしていた横川さんはイレギュラー(5.10d)にチャレンジ。私は唯、口をあけて見守るばかりだった。
午後は妹岩に移動して、カシオペア軌道(5.10b)組と愛情物語(5.8)のクラック登り組に分かれてトレーニング再開。クラックを斜上していって壁に乗り移るところに思い切りが必要だった。カシオペア軌道を登る諸先輩のねばり強さ、愛情物語を終えてカシオペア軌道にチャレンジする先輩のタフさに脱帽。
8:40から16:30まで、みっちりトレーニング。今日で帰る4人にさようならし、スーパー/ナナーズで買い出し後、横川さんの大きな蚊帳状タープの中で夜が更けるのも忘れて歓談を。実り多き一日だった。
【行程】 廻り目平キャンプ場 山荘前あずま屋(8:00)〜マラ岩・妹岩にてトレーニング(16:30)〜解散(17:10)
9月26日(日)−小林幸恵
この日は、天気予報の雨の予告と裏腹に、曇り時々晴れのクライミング日和でした。時々青い空なんか見えちゃって、気分最高。やっぱりフリークライミングって楽しい!
集合場所の金峰山荘前のあずま屋から、加藤さんのきのこ談義、アプローチの際の履物のお話に楽しく耳を傾けているうちに、スラブ状岩壁に到着。ここはあの有名なガマスラブのお隣さんです。そう、今日はスラブをガンガンに登ろうと言う企画でした。
ルートでは、『かわいい女』から『高い窓』間で汗を、いや正確には冷や汗を流し、その後、『風と共に去りぬ』の右横の、“どスラブ”の2ルートで大いに盛り上がりました。
いろんなところから聞こえてくる「小川山の岩は花崗岩で、岩の結晶が指を削る。」というお話。それがどうも今回スラブで大いに発揮されたみたい。次回はクライミング能力や、面の皮だけでなく、指の皮も厚くして挑戦しようと思います。
【行程】 廻り目平キャンプ場 山荘前あずま屋(8:00)〜スラブ状岸壁にてトレーニング(15:00)〜解散(15:30)
10月2日(土)
応用ステップ/丹沢水無川 新茅ノ沢
◆メンバー:工藤寿人(講師)、南谷やすえ、福島彰男、池田松野
◆記録 :池田松野
集合新茅荘8:30。工藤さんの車に乗せてもらった福島さん、池田は8:00少し前に到着。道路工事の為通行禁止の看板で歩かなくてはならなくなった南谷さんは汗だくで新茅荘に。お疲れ様でした。(看板出ていなかったよ。でも、それでよかった。車で帰れたもん。)
新茅荘出発10:40、新茅ノ沢は橋の上から見ると暗くて陰気な沢に見える。入渓は水無川に向かって新茅橋の左手の踏み跡から。橋の下をくぐるとすぐの3mの滝は左を登る。次のF1-7mのルートやビレイの支点を福島さんと話し合っていると、工藤さんが「リードする?」と言う。丁重にお断りする。セカンドはランニングビレイを外さなくてはと思っていると、南谷さんが登りながら外してくれた。福島さんがラストで登るとすかさず工藤さんがラストがザイルを束ねること・手早い束ね方・解きやすい結わえ方を教えてくれた。福島さんと交替でラストを登り、ザイルを束ねて持つことにした。
F2-7mもザイルを出してもらい、F3・F4は水流の右側を登り、いよいよF5-12mの大棚だ。巻き道は左側にあるが少人数なので直登とする。水量が多く滝の音で声は聞こえない。笛と手で合図をかわす。流れの右側を水流側に斜上していき上部は真っ直ぐ上にぬけるが、登る程シャワーが強くなりホールドも見えない状態になる。全身ずぶ濡れで寒かった。A0で登るため南谷さんが残してくれた工藤さんのシュリンゲとカラビナの回収がうまくいかなくてなさけなかった。通過に55分かかった。参加者が多かったら巻いただろうなぁ。登れてよかったよぉ。エヘヘ。
F5のすぐ上の日当たりのよい所で昼食をとり遡行再開。その後のF6〜F9は概ね流れの右側を快適に登る。4つの堰堤を過ぎ大岩の下で10分休憩。F10-5mも左側を難なく通過。C.Sが出てくる。2個の大岩が幅12mのくの字になっていて、上に大岩が頭をおさえている。ザイルで確保されて身体をくねらせ、腕力でずり上がった。
ルンゼ状の中を登って行くと右手に2ヶ所ピンクのリボンがついていた。烏尾尾根に行くには1つ目は踏み跡はなく、2つ目は確かにここだろうと思われた。コースガイドに「この道はそんなに快適でない。」と書いてあるので、源頭部をつめて烏尾山頂を目指すことにした。烏尾山頂は見晴らしがよかった。烏尾尾根を下山16:50、無事新茅荘前の駐車場に着いた。
プライベート山行のようで、丁寧にザイルの束ね方・解き方・現在地確認・滝の観察・足の乗せ方などを教えて頂き楽しく有意義な一日だった。
【行程】 入渓(10:45)〜F5大棚(11:50/12:45)〜昼食(13:20)〜C.S(14:45/15:10)〜烏尾山頂(15:40/15:55)〜駐車場(16:50)
10月16日(土)
基本ステップ/日和田(2)
◆メンバー:工藤寿人(講師)、田口浩昭、山野昭人、山野美香、福島彰男、池田松野、松永己幸、 みどる1名、遠足1名
◆記録 :山野美香
9時過ぎに岩場に到着すると、すでに2パーティがクライミングをしています。日和田の混雑はいつものことなので、早速男岩南面にトップロープを2本セット。24期メンバーは真剣な眼差しで支点構築方法やバックアップの取り方を観察していました。
数回日和田(2)の講習を受講済みのメンバーは、まだトライしていないルートを選んでまずはウォーミングアップ。参加人数が少ないこともあり、パワー系24期は午前中だけでも随分登り込んでいました。泣きの22期(なぜかそう呼ばれています)はただただ感心するばかり。若いっていいねぇ…なんて(ほんとはそれほどお若くない方もいらっしゃるのですが、あっ失礼!)、なんだか隠居を決め込んだお年寄りが渋茶を啜りながら目を細めて眺めている…そんな心境になってしまいました。おっと、そんなことではいけません。まだまだ若いモンに負けてはいられませんぞ。
午後になると男岩西面のリッジ、ステミングフェースと疲れを知らない24期は次々にチャレンジです。
私達が1年次生の夏、初めての自主山行が日和田の岩トレでした。うだるような暑さの中必死でトップロープをセットし、汗だくでトレーニングをしていました。その時は男岩西面のルートは私には難しくて登れずに、「いつかはステミングフェース登れるようになるかなぁ」と話していたことが懐かしく思い出されます。何度も通ってやっと登れるようになった記憶(ん、登れたっけ?)、しかし…Iさんはあっさりと片付けておりました。お見事!
今回日和田(2)に初参加の遠足会員Fさんは、午前中は女岩で工藤講師とマン・ツー・マンでトレーニング。午後から男岩南面で数本トライしていましたが、午前中の指導が良かったのでしょうか、足の置き方や重心移動など実にバランス良く登っています。思わず「本科に入りませんか?」という言葉が口から出てしまうほどに。
参加メンバーのレストタイムに何度か登らせて頂きましたが、見られていると緊張するものですね。工藤講師の応援(野次?)も加わり、なんともやりづらい。手に汗握り、頭の中は真っ白、そしてロボットのような動き…あはは、まだまだ修行が足りません(笑いごとではないですが)。そこで工藤講師の出番です。クライミングシューズに履き替えるまでもなく、華麗(?)なる技を披露して下さいました、お疲れ様です(笑)。
天気予報は晴れ….でもどんよりとした空は終日晴れる気配もなく、寒いくらいでした。このお天気のせいか、先週台風だったので今日はどこかの山へ行っているのか…結局その後日和田に来るパーティはほとんどなく、朝の2パーティも午後には帰ってしまったので貸切状態。これは超ラッキーでした。
帰りは定番のバスカレーに立ち寄り、一日を締めくくりました。
10月23日(土)〜10月24日(日) 」
基本ステップ/西上州 大ナゲシ、赤岩尾根
◆メンバー:工藤寿人(講師)、田口浩昭、黒田記代、阿出川忍、小林幸恵、田中治男、松永己幸、 福島彰男、池田松野
◆記録 :松永己幸
大ナゲシの名前の由来は天狗が大きな石を投げてできた岩だとか(請け売り)。
外気温10℃を下回る天候で霧が降りたりしていたが、天気予報では晴れなので、あまり心配は無い。今回は“ルートファインディングを学ぶ会”なので予習をしてから挑む。
廃道からの登り、踏み跡はあるものの早速たらの芽畑に入り込む。赤岩峠まで来ると紅葉が美しいが、風の通り道なのでひんやりする。
大ナゲシ山頂に向けて歩き出す。ルートファインディング講習なので小まめに磁石を見るが、周囲に赤テープやペンキで目印があった。岩壁に挑むが、一部トラバースする所は切り立っていて、スリル満点だった。
13:50山頂、周囲の山々の山座同定を実地で学習すると、確かにあの向こうの山は両神山である。下りは往きのトラバース部分を避け急な下りを懸垂下降する。
夜は星が落ちて来そうなほど瞬いてた。しかし落ちてきたのは、地震による岩でちょっと怖かった。落石注意!
二日目は同ルートで赤岩峠を目指す。今日は良く晴れていて、青い空と岩と紅葉が一段と美しいコントラストを描いていた。
赤岩岳を越え250m程来た所が、毎年間違えるという噂の地点、立派な踏み跡は途中で途切れていた。地図上では尾根づたいに行く所である。今年も間違った踏み跡を一層濃くして来たようである、次回は踏み跡をたどらないルートファインディングをしなくてはいけないなぁと思った。
1,583峰に向う所で2度ザイルを出し岩壁を登る。深川SCと日和田の成果?の見せ所なんて考える余裕もなく、ひたすら眼前の岩にとりかかる。高度感があるので美しい景色が見られない。
途中で沢の自主組と出会い合同昼食をとりいざP4へ。P4、P3は巻かずに薮漕ぎをする。とある本によると、雑木林を死に物狂いで越える岩峰と記されているが、秋で落葉したためと思われるが、予習したほどひどい薮漕ぎでは無くとても楽しいルートだった。P2ではルートを誤った様で巻き道?踏み跡の無い道?に入り込んでしまった。途中トラロープが張られており、以前は無かったそうだ。P1は巻き道を進んだ様であっという間に通過してしまった。八丁峠で集合写真をとりこれを下ると講習も終わってしまう思うと、物悲しい気持ちになった。
【行程】
10月23日 落合橋(11:00)〜小倉沢登山口(11:32)〜赤岩峠(12:57)〜大ナゲシ(13:50)〜赤岩峠(15:45)〜小倉沢登山口(16:21)〜落合橋(17:07)
10月24日 落合橋(05:45)〜小倉沢登山口(06:30)〜赤岩峠(07:28)〜赤岩岳(08:26)〜1583峰(11:18)〜P4(12:19)〜P3(12:27)〜P2(13:19)〜八丁峠(14:22)〜上落合橋(15:04)
11月7日(日)
基本ステップ/天覧山 救助訓練
◆メンバー:金沢和則(講師)、松本善行、矢田実、坂口理子、沢口千鶴子、渡部吉実、伊藤幸雄、 横川秀樹、山野昭人、山野美香、田口浩昭、福田洋子、久野眞由美、伊藤栄子、浅村和史、阿出川忍、黒田記代、田中治男、松永己幸、福島彰男、池田松野
◆記録 :福島彰男
飯能駅から此れほど近い所にこういう岩場があるとは本当にビックリしました。また、今回は大勢の方の参加に驚きました。講師以下総勢20名の方が参加です。今回の講習の目的は岩場や沢での負傷者発生、搬出が必要となった場合を想定して行われました。
最初は負傷者の搬送ということで、搬送方法がいろいろと紹介され、同時に各自実践してみました。●ロープを利用した搬送。ロープを使い、2人のそれぞれ片方の腕を1.2m程間隔を空けてその腕を利用してロープを巻き束ねます。そして、その巻き上げたロープの中心の所を10回位巻き締めます。そうするとロープの束の輪が仕切られて2つできます。その輪に負傷者の足を入れ、背負う人もその輪を肩に掛ける方法です。ポイントは輪のバラツキが無いようにロープを巻くようにすることと、輪が相手を背負った時、腿を支えた輪が自分の肩に上手く掛かるかどうかです。マッチすると結構楽に担ぐ事が出来ます。●幅広テープスリングで背負う方法。簡単ですが背負う人の方が辛いです。肩にかなりの負担が掛かり、長時間背負うのは苦しいのではと思いました。何か肩の所にテープが食い込まないようにすると良いのではと思いました。●ザックと雨具を使う方法。まずザックのストラップ下部の細い部分に、雨具の袖口をしばる。しばる際は、負傷者の足の腿の下側から、ザックのショルダー紐に結ぶ。次にザックと雨具で怪我人を挟み込むような状態にして、負傷者の左右の脇の下の雨具部分に、カラビナか石などを包み込みながら、スリングでインクノット結びで固定し、そのスリングをザックの首裏にくる部分のストラップと結ぶという方法です。この方法は比較的簡単で結構使えるのではないかと思いました。
又、歩けない場合は担架にして運ぶ方法として、●ロープを編んでハンモックのようにし、その上にシートを敷き担架を作って運ぶ方法。5〜6人で運ぶ。負傷者には良さそう。ただ編む人がいないとこの方法は出来ないことになる。又編むのに慣れないと時間が掛かりそう。●デイジーチェーンとカラビナ、スリングを使って梯子状にして、その上にシートを敷いて担架を作り運ぶ方法。●ザック3個を結び担架を作り運ぶ方法。この方法は結構時間が掛からず、負傷者も楽と思われます。自分はこの方式が気に入りました。
次に、懸垂の仮固定練習を何度も、納得いくまで行いました。そのあと壁からの搬送の講習として、●介助懸垂下降、●背負い懸垂下降等が行われました。なかなか咄嗟の場合に出来るかどうか、特に背負い懸垂下降は負傷者が大きい、重い人は大変、それなりに訓練が必要だと思いました。また少人数の場合の方式として、2人とザイル1本の場合を想定し、●カウンターラッぺル下降も行われました。更に、負傷者を引き上げる方法として、●3分の1システムによる負傷者の引き上げも学びました。
いろいろ初めての体験が多く覚えるのが大変ですが、岩場や沢で緊急時の救助法としてとても大切なことなので、今後自分のものになるよう繰り返し練習をしておく必要があると思いました。大変勉強になった一日でした。
【行程】 天覧山(9:10)〜講習開始(救助訓練)〜終了(16:00)
11月13日(土)
基本ステップ/日和田(2)
◆メンバー:宮下裕史(講師)、横川秀樹、福島彰男、神森揮要子、松永己幸、遠足5名
◆記録 :神森揮要子
■9:30〜11:50 子供岩
シットハーネスの着け方、クローブヒッチ、ハーフクローブヒッチ、フィギュアエイトノット、プルージック結び、ダブルフィッシャーマンなどの結び方の練習。それを使っての実技。
肩がらみによる懸垂下降と確保、登る時の体重移動、足、手の位置の取り方
■12:30〜15:45 男岩
パートナーへのビレイの方法、セルフビレイの取り方、エイト環の使い方や確保の方法、懸垂下降、など時間をフルに使っての練習でとても有意義な1日でした。寒さもそれ程ではなく、ビレイや岩との格闘に汗が吹き出るほどで、苦手なビレイの練習で肩、腕、背中が痛くなりました。
岩は、下から見上げている時と、実際に取り付いた時ではホールドの大きさ、形が全然違うということが判りました。身体全体をうまく使うことや、腕、足の位置などを何度も参加して身に付けたいと思います。宮下さん、横川さんありがとうございました。
11月21日(日)
基本ステップ/岳嶺岩 A1クライミングを学ぶ会
◆メンバー:小林英男(講師)、向原侑希、松本善行、久野眞由美、小林幸恵、松永己幸、福島彰男、池田松野、神森揮要子
◆記録 :松永己幸
“小林講師のアブミはとても美しく登るのでよく学習してくるといいよ”とアドバイスを頂いてのA1チャレンジです。
まずは岩にボルトを打ち込む事から始まりました。アブミの種類と基本的な使用方法、レストの仕方を学習し、いざ垂直壁へ!A峰東面に2本 C峰西面に1本。
午後からは小ハングに挑戦です。講師とCUの模範アブミの後、研究生に続きレッツトライです。24期パワー系という応援を背に受け、無我夢中で支点までたどり着きましたが、もっと美しく登ってほしいという講師の一言で、次のアブミの課題は脱パワーと美しい登攀になりました。
【行程】 岳嶺岩(10:30)〜A1クライミングトレーニング〜終了(16:30)
11月23日(火)
応用ステップ/藤坂ロックガーデン
◆メンバー:金沢和則(講師)、伊藤幸雄、横川秀樹、山野昭人、山野美香、田中治男、黒田記代、小林幸恵、阿出川忍、斉藤典子、福島彰男、池田松野、神森揮要子、松永己幸、遠足1名
◆記録 :田中治男
9時半頃岩場に到着し、トレーニング開始。小春日和の中、汗ばむようだった。9月のつづら岩が雨の為に中止だったので、日和田からのステップアップとして、マルチピッチ・ダブルロープについて学んだ。
習熟度に従い、 23期主体のグループは南壁・南稜、24期主体のグループは南西壁を登った。私は24期に混ざって基本から学んだ。
まずシングルロープでクイックドローのクリップの仕方、ロープワークの確認、ビレイポイントでのセルフビレイ、セカンドのビレイについて学んだ。「教わった事あったよな。」と思う事もあったが、なにひとつはっきりと覚えていない自分にあきれる。それにひきかえ他の23期の人達が颯爽と数十メートルの懸垂下降で降りてくるのには感心した。
午後には南稜に移動してダブルロープでの流れについて学んだ。ATC、ルベルソを使ったビレイを行った。支点があまりない、岩が脆いといった中トップをやったが、同じところを登るにしてもセカンドとは大違い、必死の思いだった。
しかし昼飯を食べたら午前にやった事をもう少し忘れている。本を見ても学べない、いつものことながら実践の繰り返しが重要である事を再認識した。あと山野(昭)さん曰く「大変なところに行けば忘れないよ。」とのことであった。時間の関係でこの後、懸垂下降にて終了した。
次回は間を空けずに岩登りに行きたいと思う。
【行程】 佐野駅(8:40)〜藤坂ロックガーデン(9:00)〜南壁・南西壁にてトレーニング〜終了(16:30)