自主の記録

2004/6/6(日)
谷川岳・一ノ倉沢衝立岩 中央稜

◆メンバー 横川秀樹(L)、伊藤幸雄(SL)
◆記録 横川秀樹


 前日同様3時20分起床。ギアをつけて3時50分出発。テールリッジ末端は4時10分。残置ロープを頼りに雪渓から滑りやすいスラブ状の岩へ乗り移る。
 すぐ前を行くパーティーは、どうやらガイドと3〜4人の客らしい。途中で抜かして、4時50分に中央稜取り付きへと着く。が、そこには既に先客が4人いた。
 30分ほど準備をしながら待ち、5時20分頃、登攀開始。
 1P目。私のリード(以下、つるべ式)。「上部は逆層」とガイドブック等には書いてあるが、逆層というより、岩の節理が縦に走っている状態だ。(これも逆層というのだろうか?)いずれにしろ、やや登りにくいのは事実。
 2P目。左のルンゼに回り込んで、意外に立っている岩を登っていき、最後は右にトラバースしてビレイ点へ。このピッチでかなりの待ち時間。
 3P目。第2フェースといわれる部分。「近年一部崩壊」とトポにあって、あまり強引な登り方はしたくなかったため、上部でヌンチャクをつかんでA0とした。
 4P目。上部のチムニーが中央稜の核心部。たしかにキッチリとしたホールドがなく残置スリングのお世話になる。
 5P目。凹角を登って、途中のテラスでビレイ。本来はその上まで進むらしいが、前がつかえていてここで切る。
 6P目。さらに凹角から、カンテ状だったか。この辺から、前後のパーティーと差が付いたのかどちらも見えなくなった。
 7P目。岩通しに行こうとするが、何となく間違っているような気がして、一旦クライムダウンし、左の泥のルンゼへ回り込んで登る。結構進んだところで右にテラスがあり、のぞき込むとビレイ点発見。
 8P目から。まず出だしは2mほど岩を登るが、その後はほぼ階段状だったり草付きだったり。最後の岩場は直登せず、右下へ回りこみ、もろい岩のルンゼを登り稜線に出る。9時ちょうどに登攀終了。
 ゼリー状飲料で栄養補給後、すぐに下降開始。稜線を右に30m進んだところが北稜の懸垂ポイントだ。3ピッチほぼ真下へ降り、その後2ピッチ、傾斜の緩い草付き帯をいく。さらに空中懸垂1ピッチ。残置ロープでバンドを10mトラバースしてもう一度空中懸垂。これでコップスラブに着いた。時間は11時半になっていた。
 略奪点を過ぎ、沢(雪渓)を一本越えて衝立前沢へ入るが、この雪渓が急斜面で手強い。何度も滑り落ちそうになり、その度にハンマーを雪に打ち込んで滑落停止をした。
 衝立前沢の下降も気が抜けない。最後は1ピッチの懸垂下降で、すぐに本谷の雪渓に出た。出合到着は12時55分。ちょうど雨が降り出した。


【行程】
一ノ倉沢出合3:50〜中央稜取り付き4:50〜登攀開始5:20〜登攀終了9:00〜略奪点11:30〜一ノ倉沢出合12:55