自主の記録
2004/6/5(土)
谷川岳・一ノ倉沢烏帽子沢奥壁 南稜
◆メンバー 横川秀樹(L)、伊藤幸雄(SL)
◆記録 横川秀樹
前夜23時過ぎに一ノ倉出合まで入る。既に駐車場は3分の2以上が埋まっていた。6月最初の土日は谷川を登ろうとするクライマーにとって待ちに待った日なのだろう。
朝3時20分起床。パンを食べ、ハーネス等装着し、3時55分出発。出合付近の雪渓が一部切れているところは、右岸を進むと数分で再び雪渓に戻ることができた。
4時20分頃テールリッジの末端に着くが、ここは左側から取り付くものと思い込み、烏帽子スラブに向けて進んでいく。雪渓がなくなったところでアンザイレン。伊藤さん先行で、テールリッジの尾根の部分を目指してコンテで斜上していく。いやなスラブと草つきを越え本来通るべき尾根部についた。
自分達がトップだと思っていたのに、既に10〜20人近くに先行されていることに気付きあせって登る。コンテで登っている人は他に見かけないが、かまわず登る。
中央稜取り付きには誰もいない。通過。
中央カンテ取り付きには一組(山塾出身の佐藤さん)。挨拶をして通過。
変形チムニーの取り付きには一組。挨拶せず通過。
南稜テラスに到着。4〜5人ぐらいが準備中。リーダーはどこかで見た人だが誰だか思い出せない。「失礼ですが・・・」「和田ですけど」「えっ、和田さん!? お久しぶりです。山塾の横川と伊藤です」
山塾の講師でもある(最近はちょっとご無沙汰だが)『山人ノマド』の和田さんだった。こうなると話は早い。既にロープを結んでいる我々を見て「先どうぞ」の一言。ありがたく一番に登らせてもらうことにする。
5時40分。1P目。私のリード(以下、つるべ式)。上部のチムニーは、右の壁から行きたくなったが、思い切ってチムニーに突っ込むのが正しいようだ。
2P目。フェースから草つき。
3P目。岩まで歩き。
4P目。ハング下を左へ。一段上のテラスへ行くべきだったが、手前のテラスで切る。
5P目。凹角から馬の背リッジへ。ここも少し上でビレーができたようだ。
6P目。リッジから烏帽子沢奥壁側へ回りこむ。最高の展望。最高の高度感。
7P目。振り返ると後ろはスッパリと切れ落ちた壁を登り、続いて核心部の垂直フェース。とはいってもここもさほど難儀することなく終了。
ガイドブックとは多少、ピッチの切り方が違ってきたが8時10分に登攀を終える。その後、終了点の3m左上にある懸垂支点から6ルンゼを下降。3Pで降りて、南稜ルートに戻り、登ってくる人に注意しながら、10時半南稜テラス着。途中、ロープが回収できずに登り返すトラブルがあったのが反省点だ。
このあと、来た道を戻るのだがこれが非常にいやらしく、南稜を登るよりはるかにコワイ。とにかく慎重に降りて、テールリッジでは懸垂下降も1回し、出合着は12時半。
最高の天気のもと、きょう一番に南稜を登った充実感を胸に乾杯。