自主の記録

2004年1月31日(土)
アイスクライミング・乙女の沢


◆メンバー 横川秀樹(L)、伊藤幸雄(SL)
◆記録 横川秀樹


 西沢渓谷の駐車場に朝5時過ぎに着く。朝飯のパンを食べ、準備を済ませて6時ちょうどに出発。30分ほど歩いて吊り橋を渡ったぐらいでようやく明るくなってきた。清兵衛沢を7時20分に通過。眼下に見えるF1(30m)が面白そうだが、きょうの目的地は乙女の沢なので、先を急ぐ。
 山ノ神を8時5分に過ぎ、そこから30分で乙女の沢に到着。出合にかかる滝(50m)が見事に氷結している。ギアを身に付けロープを結ぶ。スケールの大きな滝が多いので、きょうは8.5mm×50mをダブルで使用。そして、アックスは伊藤さんがシャルレのクォークを2本。私は左手にクォーク、右手には今回初めて使用するブラックダイヤモンドのフュージョンを持つ。
 登り始めてみると、ところどころ氷から水が垂れてきている。よく見ると、ほぼ全面が水氷という感じだ。エバードライとは言え、なるべくロープを濡らさないようルート取りに気を使う。一本目のプロテクションは、念のため、下のほうで取り、二本目からは状況に応じて5〜10m間隔で取る。途中、テンションで休んだりしながら、何とか50mを登って、アイススクリュー3本でビレーポイントを構築。続いて伊藤さんが登ってきて、とりあえず最初の滝を終えた。しかし、ここで早くもふくらはぎが疲れていることに気が付いた。まだ先が長いのに・・・と、ちょっと不安を感じる。
 ここからしばらくは歩き。緩斜面の氷上ではフラットフッティングとフロントポインティングを適度に組み合わせて進んでいく。20〜30分ほどで80m大滝下に着いた。
 この大滝は下から見上げると、傾斜はそれほどでもないが距離は長い。とりあえず滝をバックに記念撮影をしてから登り始める。まずは私がリードし、一旦ピッチを切って、次は伊藤さんがリード。これで大テラスに出た。それにしても、ここから上もかなりの長さだ。(あとで分かったが、この大テラスから上が80m大滝だった。下の段は、別の40m滝だったようだ)
 気合を入れなおして、再度私がリードするが半分も行かないうちに完全にバテてしまい、残りをパートナーに託す。50代とは思えないパワーでグイグイと登る伊藤さんに助けられ、結局、二人が大滝上に着いたのは14時45分だった。
 ちょっと休んで下降開始。巻き道があるとのことだがどこだか分からないので、右岸のルンゼを少し登り、藪気味のところを懸垂で降りることにする。しかし、下降中にロープが絡まって、ここで1時間近くをロスする。藪の中の懸垂では、新保講師に教えてもらった左右の腰にそれぞれのロープをぶら下げる方式がベストなようだ。これは、準備に多少時間がかかるが、それを面倒がると、もっと時間を無駄にすることを身をもって体験した。
 5〜6回の懸垂下降と歩きを交え、出合の滝上に着いたのは18時前。あたりは真っ暗となっていた。この滝さえ下降すれば、とりあえずは一段落だが適当な潅木やボルトがなく、しかも、日中の陽気のせいで氷の上をかなりの水が流れている。一体どうやって降りようか・・・と、途方に暮れそうになったが、先行の3人パーティーが使ったVスレッドを発見。彼らは直前に降りているので、信頼性はOKと判断する。残置スリングをそのまま借りて、初体験のVスレッドによる懸垂下降。これでようやく出合に戻ることができた。
 カラカラに渇いた喉を潤し、18時半に帰途に着く。駐車場に戻ったのは21時10分だった。
 今回の反省点は、@ふくらはぎの消耗が激しく、それによる登りのスピードダウン。A下降での時間のロス、この2点が挙げられる。次回、再チャレンジするときには、もう少しスピードアップを目指したい。

 


【行程】(時刻は当初の予定)]
西沢渓谷駐車場5:30〜乙女の沢出合8:30/9:00〜80m大滝上13:00〜乙女の沢出合14:30〜西沢渓谷駐車場17:30