本科生、研究生、同人会員への手紙
(2001年4月)
前略
 1981年11月4日、無名山塾は誕生しました。当時、本科という言葉はありませんでしたが、岩登り、沢登り、雪山登山の基本を学んで頂くというコンセプトは、現在の本科に引き継がれています。
 本科こそが無名山塾のコアであるということは、会員諸賢には確と認識しておいて頂きたいことです。本科であるということは本格的登山を真剣に修行中の者であることの証明であり、研究生・同人であるということは、登山力が養成されていることの証明、と、登山界で評価されるような登山者育成をめざしたいと考えています。
 登山力とは、岩登りがうまいとか、アイスクライミングがうまいとかいう技術的な視点ではありません。山の中では当然として、山で学んだことが一般社会でどれだけ活かすことができて、キャパシティーのある、存在感のある、魅力的な人間として生きていけるか、その度合い、その力のことです。
 この10年間、岩崎は中高年登山にシフトして「中高年のための登山学」に代表される活動を続けてきました。その活動を通じて「安心登山の10ヶ条」「山でバテないゆっくり歩き5つのポイント」「生涯の趣味として山を続けるには、シナイ3原則」など安心安全登山の方法論を分かりやすい形でまとめてきたりもしました。
 NHKを卒業して、登山全般に目が届くようになっていま、思い出したことがあります。無名山誕生間もない頃に考えたこと、それは、「山に学ぶもの、企画力、行動力、忍耐力」というものです。
 無名山塾本科では、岩登り、沢登り、雪山登山の基本を学んでいただくと同時に、企画力・行動力・忍耐力をも学んで頂きたいと考えています。
 登山全般に目が届くようになって最初にやったことは、無名山塾の構成の明確化です。無名山塾は本科(登山学校)と山の遠足科(遠足倶楽部)とで構成されるということです。本科は冒険登山を学んでいただく場、山の遠足科は趣味登山を学んでいただく場です。よろしくご理解下さい。
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