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岩小舎 9 |
滝子山・滝子沢報告 |
8月31日(月) |
坂口理子 |
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日程:8月31日(月)
メンバー:松浦・金沢・工藤・坂口
8月30日夜、八ヶ岳小同心の講習が終了した後、中央線で初狩駅へ向かう。初狩駅着20:30ごろ。松浦さんと金沢さんが待っていた。これから来るはずの工藤さんは、大雨のため電車がSTOP!明朝合流することになる。松浦さん、金沢さん、坂口の3人は、滝子山登山口近くにテントを張る。明日はゆっくりなので、駅前のコンビニで仕入れた酒をつらつらと飲む。つらつら飲むうちに、松浦さんうつらうつら、やがて沈。
31日8:30、初狩駅に工藤さんを迎えに行く。車を登山口において、入渓地点を目指して歩きはじめる。炎天下の国道20号を歩くことほぼ1時間。体中から、汗が、滝、滝、たき・・・滝子沢はまだか・・・。林道に入ったところで、ついに松浦さん、山下清になる。(ランニング姿がまぶしかった。)
10:00ごろ、ようやく入渓。ほてった体に待ちに待った水だが、水量は少ない。緑が濃く、土っぽい沢だ。下部はほとんど沢幅も開けることなくゴーロが続く。岩崎先生が紹介文を書いていながら、これまで講習会に使われなかったワケが少しわかったような気がする。少々たいくつ・・・なんて思っていたら、なんと!水が消えていた!伏流になってしまったのだ。しまった、水をくんでおけば良かった!と思ってもあとの祭り。工藤さんの水筒にお世話になった。初めての沢は何があるかわかりません、沢だからと安心せず、水はキチンと持ちましょう(教訓)。
さて、2回ほど、かなりのんびりした休憩をとり、ゴーロ脱出。水もまた戻ってきた。二又を右へ、いよいよ滝の連続だ。3m、5m、とスラブ状の滝が続く。わーい、滝だ!楽しい、楽しい。なかには30mなんていうのもあるが、傾斜がゆるいので、ザイルは必要ない。もちろんスラブなので、しっかりしたスタンスやガバはあまりない。松浦さん、工藤さん、金沢さんはフリクションをきかせながら(ちなみに私はすごーく苦手)軽快に越えていく。不思議だ。足の裏に吸盤でも生えているのではないかしらん?
やがて、本日の核心(?)、20mのスラブ滝が出てきた。ゆるやかに傾斜したスラブの一枚岩にクラックがひとすじ。そのクラックにそって水がサラサラと流れている。ここは開けていて、明るく、なかなかキレイだ。ただ目を凝らしてもピンは見えない。・・・さて、リードするのは誰でしょう?
工藤さん「やっぱり、さりげなく前に出てきた金沢さんでしょう。」
金沢さん「いや、代表をさしおいて。」
松浦さん「・・・ここは、研究生の出番ですね!」
ひええ!というわけで坂口がリードすることとなりました。みなさん、ありがとうございます。ビレイヤーは工藤さん。クラックに足を入れ、注意深く登っていくと、ほどなくクラックの陰にハーケンが打たれているのを発見!さびて折れ曲がってグラグラ動くボロハーケンだが、ないよりまし、とラン
ナーを取る。さらに登ると、今度はもう少し信用できそうなハーケンを見つける。ここでランナーをとれば、あとひといき細かくゆっくり登っていく。登りきったところで、潅木にザイルをインクノットで固定。残る3人は次々とブルージックで登ってきた。工藤さんに、インクノットより八の字で輪をつくってカラビナに掛けたほうがいいと教えてもらう。なるほど、インクノットでは、ずれる可能性もあるわけだ。さらにいくつかの滝を越え、たったひとつ登れない滝を右岸から高巻き。左岸からも簡単に巻けそうだったのだが、越えてみると左岸からは沢に下りられない。「きっと左岸は上も岩壁が続いていると思う」という金沢さんのいうとおり。さすがです。遡行図にある最後の滝がどれだかよくわからないうちに、源頭部につく。
かなり上まで水がチョロチョロと出ている。源頭部に至って、二又、四又と複雑に分かれ、ちょっと判別が難しい。遡行図、地形図、磁石と実際の地形から見当をつけてつめる。松浦さん、金沢さん、工藤さん、の3人は「ふんふん、じゃ、こっちだね」とスラスラと行ってしまったが、自分ひとりだったら、迷うだろうなあ・・・。
踏みあとをたどって登るうち、松浦さんが「イグチ」を発見!食べられるキノコだと聞いて、工藤さん、坂口、両名狂喜。「わー!そこにも!あそこにも!」とイグチ取りに熱中する。・・・と、それまで最後尾で静かに微笑んでいた金沢さんが、ざっくっざっくと猛然ダッシュ!あっという間に見えなくなってしまった。「ぶっちぎりかなくんが出た!」と松浦さん。さんざんイグチを収穫して登山道に出ると、「ぶっちぎりかなくん」はもとの金沢さんに戻って静かに微笑んでいた。
登山道をたどってほどなく滝子山山頂。そんなこんなで15時すぎ。11月のプレ歩荷の壮烈な舞台となるであろう滝子山登山道を下っていった。17時すぎ、初狩駅着。インスタント味噌汁を仕入れ、駅前でイグチの味噌汁を堪能!大変おいしゅうございました。
・・・しかし、月曜日の夕方に駅前で味噌汁をすする四人の姿は、ちょっと異様なものではあった。
講習山行とはまた一味違う、偵察山行でした。
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