|
|
岩小舎 9 |
倉沢谷・塩地谷報告 |
7/18(金) |
矢田 実、荒井正光 |
|
■第一章 なんだか水が多いぞ!
7/18(金)8:30奥多摩駅日原行きバス停で荒井さんと待ち合わせ倉沢のバス停を目指す。天気は雲時々雨。そんな天気にもかかわらず、車内は中高年登山者で満員、改めて登山ブームを実感する一コマだ。今回の沢は、倉沢谷本谷の一部と塩地谷を遡行、長沢背稜の一杯水に突き上げる約5時間の行程だ。本科の講習でもお馴染みの、逆川の隣に位置するが、訪れる遡行者は少なく、手応えある沢登が楽しめる。下降点はまでは、バス停より50分程度林道を歩く事となるが、勾配も緩く、ちょうど良いウオーミングアップになる。途中、倉沢本谷を右に見ながら進む。連日の雨のせいか水の量が多く、川が青く濁っている。「なんだか水が多いぞ!」と荒井さんと話しながら、内心「やばいな!」と不安がよぎる。魚留橋と地蔵橋の間より下降、赤テープの目印があり発見しやすいが、急なうえ足場が悪いので注意してもらいたい。
■第二章 やっぱり水が多い!
身支度を整え10時15分出発。すぐに現れる長尾谷との分岐から塩地谷に突入。連続する4mの小滝を越えると、5mの滝を前衛とする塩地谷最大の地蔵の滝(15m)が現れる。残念ながら登る事は出来ないので、右岸の仕事道を利用し高巻く。岩尾根を越えた所から沢に向かって急な斜面を下降、遡行図では沢床へ5mの懸垂下降となっていたが、ロープが張って有り問題なく降りられる。地蔵の滝上部は深いゴルジュが続きなかなか手強い。とにかく水量が多い。腰までのゴルジュが、今日は胸まである、6mの滝、6mハング滝と高巻きが連続する。特に6mハング滝は、遡行図では、ハーケンを打った倒木を利用しチムニー状の岩を登ると有るが、かなり状態が悪く高巻きとなってしまった。この沢は、滝を登りたい人には物足りないかもしれないが、変化に富み楽しい。久しぶりの奥多摩の沢を満喫する。
■第三章 と!止まらない!
左に、茅尻沢分け小屋跡、棒杭沢分岐と小滝を越え快調に進む。やがて8mの滝が現れるが、この滝も右岸岩場を登り、滝の上部をトラバースする。この部分はかなり危険なので初心者がいる場合はザイルをフィクスしたい。滝を越えると、コース上で特に問題となる所はない。このあたりより水が徐々に少なくなる。5mの滝を越えた後、先頭を行く荒井さんの後から、倒木の根を利用し小滝を乗り越えようとした時、事件が起こった。倒木に上がった時バランスを崩し、体制を立て直そうと足場を変えた瞬間、倒木が崩れた。なす術べなく80cmぐらいの岩棚を転げ落ちる。一撃目は、ヘルメットをかぶった頭から落ちる。プロレスのパイルドライバーを受けた様だ!二撃目「と!止まらない」どうする事も出来ない。三撃目、背中から落ちようやく止まる。衝撃で息が詰まる。ザックがクッションになり事なきを得た。止まった瞬間わりと冷静だった。右腕に6cm程の切傷、左手の肘に擦り傷、数カ所の軽い打ち身。首は少し痛いが特に異常はなく、ほっとする。全くの油断だった。ヘルメットをかぶっていて本当に良かった。
少し休憩してから、一杯水を目指す。藪のない涸沢を進むと、だんだんとゴミが目立ってくる。登山道が近い証拠だが、少し残念だ。まもなく水場が見え、ハプニングは有ったが無事遡行が終了(14:45)した。避難小屋で、傷の消毒と身支度を整え、ヨコスズ尾根を日原のバス停へ下山。登山道は良く整備されている。
奥多摩日原川 倉沢谷・塩地谷 グレード:2級
水平距離:2000m 標高差:700m
滝のグレード :3級 水量:多
行程
7/18:奥多摩駅→倉沢バス停→地蔵橋→出合→遡行→倉沢谷・塩地谷
→一杯水→一杯水避難小屋→ヨコスズ尾根下山→日原→奥多摩
駅
※パーティー 矢田 実、荒井正光
|
|
|
|岩小舎9トップ|無名山塾文書集トップ|無名山塾ホームページ| |
|
2002 Company name, co,ltd. All rights reserved. |