岩小舎 9
野呂川・扇沢の山行報告
9月19日(土)〜20日(日)
宮崎章人
行 程:南アルプス・扇沢(野呂川)〜小太郎山〜北岳
日 程: 9月19日(土)〜20日(日)(前夜発1泊2日)
参加者: 宮下 裕史、矢田 実、緒方 靖典、宮崎 章人

 23:00時集合の甲府駅から広河原までのタクシー料金は深夜割増を含めて16,000円弱で、距離が短いためか時間の長さ(約2時間)にしては結構安い。帰りの渋滞その他を考えるとマイカー利用をやめて正解だった。
 広河原では、早朝に着くバスや車に起こされる事を避けるため『広河原山荘』にテントを張り、短時間ながら十分な睡眠を取る。

 翌朝7:00発。出合までは単調な南アルプススーパー林道を約1時間30分。対岸を見ながら進むとそれらしき沢が見つかるが、予定より30分も早いため、彼方に見える北沢橋まで緒方さんが確認に走ってくれた。消去法で間違いなしと確信。林道から野呂川へと踏跡を3分程下る。初秋の多雨による増水を心配したが大した事もなく、膝程度の本流を徒渉し扇沢出合に立った。ここが標高1,750m。わずかに覗く小太郎山頂(2,725m)まで標高差約1,000m、水平方向に1,750m。

 9:00遡行開始。最初の数分だけ緩やかな河原を歩くとすぐに短いゴルジュとなって最初の滝が現れが、右壁が簡単に登れる(はずだった)。ここに始まり、後はただひたすら両手両足を使って斜め上に向い攀じ登って行くだけ。横方向に距離を稼ぐといった所は皆無で、1段数メートル〜十数メートルの階段が源頭部まで続くというような感じだ。ここが核心部というような困難な登攀はない(悪い側壁や高巻きを除きロープを使うことは無かった)が、最後まで息の抜けない、飽きることのない遡行が続く。特に8段150mの連瀑帯は下から眺めて素晴らしく、登っても非常に楽しい。振り返れば仙丈岳が間近に望め南アルプスの沢を実感する。その名のとおり沢はすっきりとした扇型で、ルート判断に戸惑いそうなところは無い。水流の切れる源頭部もガレることなく硬質な岩で快適にツメて行くことが出来、続くヤブこぎも高度の恩恵でハイマツだから不快感はなかった。水が切れて約1時間、尾根筋に出ることなく、そのまま小太郎山頂上へ抜けた。

 16:00予定を約2時間オーバー。生憎の雲に眺望は無いが、無事遡行し終えた安堵と満足感に浸った。小太郎尾根をのんびり辿り、18:00北岳肩ノ小屋着、テント泊。

翌朝7:00発。秋晴の下、太郎(北岳)へ登頂後、八本歯ノコルより大樺沢を下降。途中、取材帰りの西川さんに出会い、温泉経由で甲府駅まで同乗させていただき山行終了。
 
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