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岩小舎 9 |
西上州・大桁山 |
11月 |
松浦寿治 |
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多くの人が入る山は、踏み跡、赤布、道標あるいは先行パーティ、などによって地形の読みにくい所でもわりと簡単に行く道がわかります。ところが、人にあまり知られていない低山は、登山道を寸断する林道、別荘への舗装路、登山道自体も整備、未整備が交互に現れる、などの理由でルートファインディングがとても難しいものです。難しさを乗り越えることは山登りの魅力の中で大きなウエイトを占めていると思います。今回の大桁山行で、人知れずの低山を行く時のそういう意味でのおもしろさがわかったように思います。「事前の偵察などせずにメンバーみんなが知らないルートに迷い込むこと・・・、それが楽しい。」というだれかさんのことばに大きくうなずけるようになりそうです。
上信電鉄「千平」の駅でメンバーを確認、羽柴さん、鈴木さん、斎藤さん、高橋さん、細谷さん、それに私松浦の六人パーティがそろいました。準備体操の後九時十分に出発。駅近くに酒屋を発見「降りたらビールじゃ」とだれかが叫ぶ。踏みきりを渡ったところで三叉路に出会う、ガイドブックの記述ともう違う、メンバーのアドバイスに従って中央の道を行く。ここでルートファインディングに並以上の神経を使うことを思い知らされたリーダ松浦は以後エアリアマップ、二万五千図ガイドブックの概念図をごちゃまぜにしつつ気合いで先に進む。途中何回か休憩を入れ、舗装路、工事、棒杭の階段に悩まされつつ、それでもどうにか一二時三十分大桁山山頂着樹木が視界をさえぎって展望絶好とは言えないが、快晴、無風のぽかぽかと暖かい山頂で一時三十分まで大休止、鈴木さんからおいしいコーヒーをごちそうになる。
下りはたのしいそして迫力のある細谷さんのお話を集中して聞いていたら、「あれー、こんな所来なかった。」と言うことになってしまった。みなさんに申し訳なく思いつつ、ここは基本に返って、現在地のわかる所まで登り返し。見落としていた分岐までもどって一安心、後は往路を忠実に辿る。時間にゆとりがあったので途中で鍬柄山をピストン、三級下の岩場があるところだが、ワイヤーがあるのでそれほど心配はない。それでも、もし次に行く人がいるとしたら、使わなくてもザイルを持っていったほうが良いと思う。
五時千平駅着、乾杯、たのしい山行を作って下さったみなさんに感謝しつつ、列車の人となる。ぼくらしかいない小さな駅、夕日と三日月がきれいでした。
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