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岩小舎 9 |
東沢釜の沢増水&カモシカ山行? |
9月26日、27日 |
鈴木敏浩 |
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題名:東沢釜の沢カモシカ藪こぎ下山報告
お世話になっております。すずきです。
遅くなりましたが、9月26日、27日の山行報告をいたします。
とりあえず、事故もなく全員無事に下山できたのでほっとしております。
当初の予定は下記のようなものでした。
場所:東沢 釜の沢東俣
26日:西沢渓谷→釜の沢遡行→広河原付近幕営
27日:釜の沢遡行続行→甲武信岳山頂→戸渡尾根下山→西沢渓谷
26日朝は小雨がぱらつき、空の一部分に晴れ間が除いていたり、ばらばらと大粒の雨が降る、そんな不安定な天気でした。
前線がちょうど通過するかしないかというような状況でしたので。晴れることは期待できないが、翌日は少し良くなるかもしれないと思いとりあえず沢におりるまでの登山道を出発することにしました。
登山道は途中に徒渉をせざるを得ない場所があるためこの場所を通過できるかどうかで先に進めるかどうかを判断しようともしていましたが、幸か不幸かさほどの問題もなくこの場所は通過することができました。
その後何度か増水を感じながらも徒渉と高巻きを繰り返しなんとかテン場になりそうな釜の沢分岐付近まで到着したのがPM2:30くらいでした。予定では、この先の広河原付近まで動いてから幕営するはずでしたが、ここまでの行程で徒渉に結構手間取っていたので、通常であれば1時間から1時間半程度でぬけられると思われる行程に手間取った場合のことを考え、分岐付近で幕営することにしました。ひょっとしたら、この日のうちに無理をしてでも広河原に抜けていればもう少しはやく下山できたかもしれません。
晩飯の間は雷雨におそわれ、沢の水の色は見る見るコーヒーあるいはみそ汁を彷彿とさせる色に変わっていきました。沢の水がこんなに変わるなんていうのを初めて見た我々の胸には翌日の下山に対する不安がかなり募ってきました。
翌朝5:00起床、散らかったテン場を片づけて7:30出発。釜の沢の分岐を過ぎ、魚留滝、曲がりの滝、千畳のナメ、とすべて高巻くことになり、高巻きも周辺の山がスラブのためすべて大高巻きとなってしまいました。何度目かの高巻きでかなり大きく巻かざるを得なくなり尾根まで登り切った段階で、このまま沢におりてもまた巻くことになるだろうということで、沢の遡行を断念し、鶏冠尾根を目指すことにしました。午前中の遅い時間だったと思いますが、時間は覚えていません。そこからは鶏冠の山頂付近の方向を見定め延々とシャクナゲとシラビソの密林をかき分けて登ったり降りたり迷ったりを繰り返して進みました。
午後4:00ちょっと前、やっと鶏冠の山頂かと思われるところに到着しました。周辺は霧に包まれていたためはっきりとはしませんが、おそらく山頂だったと思います。そこからは登山道らしきものをたどって甲武信めざしてまっしぐらのはずだったのですが、途中道が崩落していたり、岩を巻いたりしているうちに道を見失ったりしたために思ったより時間を食ってしまい、甲武信の山頂付近登山道に出たのは夜9時過ぎでした。
鶏冠の途中からリーダーである私はシャリバテを起こしてしまい、以後のルートファインディング等の判断は全て山路氏、滝沢氏に任せてしまいました。なんともなさけない話で、反省しております。以後は戸渡尾根、トクチャン新道をずるずると滑り落ちるようにひたすら降り続け、林道にでたときが午前2:15、そこから西沢渓谷の駐車場にたどり着いたのが20分後くらいでしょうか。
いやはや、まったく朝の7:30から深夜2:30過ぎまで約19時間の長時間行動でした。誰も怪我もなく下山できて本当によかったと思うと同時に、リーダーとしての経験の無さと不明を恥じ入るばかりです。あの日はそもそも天候を考えれば沢にはいるべきではなかったのかもしれません。沢に入ったのなら、その日のうちにできるだけ上流にいくべきだったかもしれません。翌日水量の増加で遡行が無理そうだと判断したら、もっと早く尾根にとりつくべきだったのかもしれません。自分でも答えの出ない疑問は残りますが、以後このようなことのないようによく考えていきたいと思います。
関係者の方々、一緒に沢に行かれた皆様にはご迷惑をおかけしました。深くお詫びいたします。でも、また懲りずに沢にいきましょう。では。
PS:この山行はカモシカ山行として認められますでしょうか?
…山塾サポートRE:脱出決定からは、適格に判断が下され。良い経験になりましたね。カモシカの単位にという貪欲な精神は買いますが、主旨が違うので認められません。
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