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6月28日から30日にかけて北海道、ニセコへ行ってきた。昨年の雨竜沼と比べると1週間遅く標高も低い、また今年は季節が早いので、昨年よりひと月遅れくらいの花を見ることになった。昨年の雨竜沼はすばらしかったが、今年のニセコもまた別の感動を味わうことができた。その感動を写真をめいっぱい使ってお伝えしたい。
出発前デジカメにするか、一眼レフにするか迷った。去年はDiMAGE7がなかったので迷わず一眼レフだったが、今年は対抗馬となるデジカメがある。デジカメは軽量だが電池やフラッシュメモリの関係で、撮影枚数に制限がかかる。ノートパソコンを持ってゆく必要もでてくる。一眼レフはフィルムさえもってゆけばいくら撮っても電池切れの心配はない。しかし重いし、帰ってからデジタル化の作業も発生する。
とりあえず最近さわっていないので電池だけでも変えておこうと一眼レフを引っ張り出し、点検をしていると「やっぱりこれをもってゆくべきだよなー」という気になってきた。手になじんだ重量感というか、シャッター音というか、なぜ一眼レフでなければならないのかは自分でも説明が出来ない。結局一眼レフをもってゆくことにした。
結論は正解だったと思う。何よりもピントスピードが早い。また90mmマクロも大いに活躍してくれる。デジカメの200mmマクロでは手ぶれが多くなってしまうからだ。温泉撮影用には銀塩ではなく、デジカメのRDC200Gを持っていった。
写真、特に断りがないものは一眼レフ
カメラ:Nikon F90 フィルム:Kodakゴールド100
スキャナー:Nikon COOLSCAN III 2700dpi
フォトレタッチソフトで色調濃度の調整を行い200×134ピクセルにサイズ変更後、1/18JEPGで圧縮。
写真をクリックすると300%拡大写真になります。
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2002年6月28日(金) 東京曇り、千歳雨、伊達晴れ、ニセコ晴れ
失敗続きの初日
ツアーの集合は羽田に6時、5時に家を出てタクシーで恵比寿に行き、品川から京浜急行に乗った。この時間のフライトだとレンタカーを借りて千歳を9時前に出れるので、朝食は苫小牧でホッキ天丼と決めていた。カーナビに住所をセットして苫小牧へ向かう。苫小牧はホッキ貝の水揚げが日本一で、家庭ではホッキのカレーなども作るらしい。ガイドブックをきちんと調べたつもりだったのだが…
朝7時からやっているという店は閉まっていた。しかも、「5月6月は禁漁のためホッキ貝はありません」の張り紙。ガイドブックを見直してみるとやっぱり「5月6月は禁漁」とかいてあった。何たる失態!
あせる気持ちを抑えて回転寿司のちょいす伊達店の電話番号をカーナビにセットした。伊達まで行かずに室蘭あたりで食べたい(この店は室蘭にもある)ところだが、伊達店の電話番号しか持ってきていなかった。伊達に行く途中でわかさいも本舗(回転寿司ちょいすはわかさいも本舗の経営)を見つけて室蘭店の場所を聞くつもりだった。
カーナビに従って車を走らせていると、何か様子がおかしい。当然海沿いに36号線を行くものと思っていたのだが、なぜか車は山のほうへ。「おかしいぞ」と思い車を停めてルートを確認すると、カーナビは支笏湖をぬけて伊達に行くルートを選択していた。あせる気持ちが二つ目の失敗を呼んだ。到着予定時間は1時30分。車の中では「おなかすいた」という話題でもちきりになった。
引き返すよりはこちらの方が早いようなので、カーナビに従って車を走らせた。苫小牧はどんよりとした曇り空で時折雨も降っていたが、支笏湖付近に来ると青空が広がりだした。支笏湖の向こうに恵庭岳が見えてくると車内の雰囲気も好転してきた。後は伊達まで急いで車を走らせるしかない。
カーナビの到着予定は時速25Kmくらいで計算しているので、車を走らせるとどんどん到着予定時刻が早くなってきた。ちょいす伊達店には何とか12時前に到着することができた。
ちょいすはインターネットで「苫小牧 おいしい」で検索して探しただけに本当においしかった。ねたは新鮮で豊富、シャリもおいしくて大満足。この店はお奨め。
おなかもいっぱいになったところで北海道へ来た一番の目的であるシロヨモギをさがす。
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| ハマエンドウ |
ハマエンドウ |
ハマヒルガオ |

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| シロヨモギ |
シロヨモギ |
アルトリ岬 |
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シロヨモギは先生の押し花の材料として欠かせない。北海道では雑草だが、これを押し花の作品にするとオランダで金賞が取れるほどすばらしいものになる。作品を作りすぎて、昨年採取したものはもうなくなってしまったらしい。
シロヨモギは浜辺の砂地に多く見られる。昨年は鵡川で採取したが、このあたりで採れるだろうと踏んで今年は伊達市で探すことにした。もう慣れたもので国道から海岸へ出られそうな道を選び、シロヨモギを発見することができた。 |
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おなかもいっぱいになったし、シロヨモギも採れたし後は温泉ということでニセコへ向かった。国道37号から豊浦で道道32号へ。途中意外にも砂利道だった。カーナビに新見温泉をセットしてまっすぐ新見温泉へ。
新見温泉は透明なお湯で気持ちのいい露天風呂だった。
明日は土曜日で混むといけないということでもう一軒、薬師温泉もこの日に入ることにした。
薬師温泉は土色をした鉄分の多い濃い温泉だった。ガイドブックで見たのは露天だったが、行ったところは混浴の内湯。札幌から来たという人の話では、濁り湯の露天はあまり使われていないらしく入る人はいないとのことだった。内湯はほてって苦手なので早々に退散した。この温泉も一度はためしてもいいかもしれない。薬効効果が高いらしく、それを目的に通ってくる人も多いようだ。ちなみにこの内湯は湯船の下からお湯が沸いていて、あちらこちらでポコポコと泡があがってきた。
写真はRDC-200G |
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| ホテル新見本館の露天風呂 |
薬師温泉外観 |
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宿泊はニセコワイス高原温泉山荘緑館。オプション1000円でつけた料理は、1000円という値段を考えれば満足の行くものだ。このあたりは何もないので、ホテルで夕食にするのが妥当だと思う。
夜、月が出ていないので星を見に外に出てみた。電線にふくろうがとまっている等、やっぱり山の中であることを実感した。星は見えたが天の川が見えるといったほどではない。上空にうす雲があるのだろう。
羊蹄山がシルエットで見えていたのだが、すこしするとその脇からオレンジ色の月があがってきた。なんとも神秘的でいい光景だった。
このホテルは風呂が自慢で、露天風呂も気持ちがいい。朝早かったこともあり、この日はビールもそこそこに早めの就寝となった。 |
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2002年6月29日(土) 晴れ
感動の目覚め
外が明るいので目がさめた。時計を見るとまだ4時30分、北海道の夜明けは早い。何気なく外を見てみると「ワーォ!!!!!!」ホテルは雲海の上にあった。 |
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| いつもはずぼらなカメラマンだが、ホテルの窓からの雲海を見て「もっといいポイントがあるかもしれない」と思い、車で撮影に出かけた。ところどころで車を停め写真を撮りまくった。雲海のS字カーブが気にいっている。雲海に浮かぶ羊蹄山も「順光だったらもっとよかったのに」と思うのだが… |
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五色温泉お花畑
朝食前にお花畑を見に行った。ここは駐車場からすぐのところで高山植物を見る事が出来る。ツガザクラが可憐に咲いていたのと、モウセンゴケのいい写真が撮れたので満足。 |
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| チセヌプリ? |
アンヌプリ |
エゾイソツツジ |
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| エゾノマルバシモツケ |
コメバツガザクラ |
コメバツガザクラ |
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| マイヅルソウ |
モウセンゴケ |
モウセンゴケ |
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モウセンゴケ |
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鏡沼まで散策
昭文社の山と高原地図では「鏡池」となっているが、現地の看板が「鏡沼」だったので鏡沼でゆこう。
ガイドブックによると「訪れる人は少ない」ということなので、鏡沼を訪れることにした。入口(山道の)付近には車を停めるスペースも少ない。それでもこの日は土曜日ということで何台か車が止まっていた。歩いていても、人とすれ違うことはほとんどなかった。ちょっと暑かったが快適な山歩きだった。地図によると35分の道のりを、ゆっくり写真を撮りながら1時間くらいかけた。
このあたりでは根曲がりだけの筍はもう終わりということで、伸びきった筍が道の両側を覆っている。竹の花が咲いていた。60年に一度しか咲かないとか、この花が咲くと悪いことがあるとか聞かされたが、珍しいので写真に撮った。
オオバミゾホオズキの黄色い花が山道を楽しませてくれたのだが、日陰に多かったので写真としてはあまり良い出来ではない。ユウレイダケと言われるギンリョウソウをはじめて見た。葉緑素を持たない植物ということだが、真っ白なので、花が咲いているのかどうかもわからない。 |
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| 竹の花 |
コウリンタンポポ |
コウリンタンポポ |
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| シロニガナ |
ニガナ |
オオバミゾホオズキ |
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| オオバミゾホオズキ |
オオバミゾホオズキ |
オオバミゾホオズキ |
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| タヌキラン |
タニギキョウ |
コモチミミコウモリ |
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| ギンリョウソウ |
ギンリョウソウ |
ウツギ |
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鏡沼周辺
鏡沼には何組かの人たちが景色を楽しんでいたが、静かな雰囲気でとてもよい。ワタスゲの綿が大きくこんなのははじめて見た。この後行った神仙沼のワタスゲもこんなに大きくはないので、種類が違うのだろうかと思う。
ツルコケモモはカタクリを小さくしたような花だったが、とても小さいので撮影に苦労した。天気がよかったので、鏡沼を中心とした風景が最高だった。 |
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| ワタスゲ |
ワタスゲ |
アンヌプリ |
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| ワタスゲ |
只今名前を調べています |
アンヌプリ |
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| ツルコケモモ |
ツルコケモモ |
ワタスゲ |
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| ワタスゲ |
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ワタスゲ |
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神仙沼
神仙沼自然休養林休憩所の駐車場から神仙沼までは、木道が整備されていて歩きやすく、15分くらいとお手軽だ。そのため人が多く、鏡沼のような静寂は得られない。
神仙沼は鏡沼よりひとまわり大きく、その回りには池塘がある湿原を備えている。2週間早ければこの湿原でもさまざまな花を見る事が出来たと思う。沼のミツガシワは終わってしまっていたが、池塘にわずかに残っていた。
神仙沼では鴨の親子のお出迎えがあった。沼の近くではツマトリソウを発見し、湿原では綿毛となったチングルマもきれいだった。このあたりは鏡沼より標高が100mくらい高く、近くでは車を停めて根曲がりだけの筍を採っている人がたくさんいた。 |
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| シダの新芽 |
神仙沼 |
神仙沼 |
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| 鴨の親子 |
ツマトリソウ |
ツマトリソウ |
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| シャクナゲ岳 |
アヤメ |
チングルマ(綿毛) |
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| チングルマ(綿毛) |
チングルマ(綿毛) |
ミツガシワ |
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| エゾゼンテイカ |
マイヅルソウ |
松の実 |
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五色温泉
汗だくだったので昨日入った新見温泉のような透明なお湯の温泉に入りたかったが、やっぱり有名な五色温泉は見逃せないということで五色温泉に行った。五色温泉旅館は車がいっぱいだったので、向かいの山の家に行った。五色温泉は硫黄泉で濃い。混んでいると思いカメラを持ってゆかなかったが、露天風呂は先客が一人だけだった。
この日の夜に来たパジャマは、東京に帰ってきてからもマッチのような硫黄の匂いが消えていなかった。やっぱり評判がいいだけのことはある。この温泉ははずせない。 |
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京極ふきだし公園
羊蹄山の裾野を回りながら札幌へ向かう途中にある「京極ふきだし公園」に寄った。羊蹄山の伏流水が湧き出しているのだが、その量がすごい。みんなタンクを持って汲みに来ているので、我々も負けずにお茶のペットボトルに入れてもって帰ってきた。ここで顔を洗ったらとても気持ちがよかった。 |
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| 中山峠、定山渓を経由して札幌に入った。ニセコから札幌までは100Km程度で、去年行った支笏湖といい、札幌はその周辺にいいリゾート地をたくさん持っている。仕事があれば住むにはとてもいいだろうとおもう。でも冬は大変なのかな? |
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北の味 のつけ 南三条店
札幌での夕食は当然居酒屋。北海道の海の幸は回転寿司ちょいすで食べたけど、今日は海の幸を存分に食べて、焼酎を飲んで。
欠食児童がそろっているもので、写真を撮る前に食べちゃうんですよね。これだけ食べればさすがに良いお値段で、三人で約18000円でした。
写真はRDC-200G |
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| 焼筍 |
海鮮サラダ |
ホタテとうに |
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| 活イカの造り |
八角焼 |
あわび |
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| 北海シマエビ |
イカの沖漬け |
ポテトのチーズグラタン |
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2002年6月30日(日) 曇り
去年は最終便で帰り、さすがに疲れが翌日に残ったので、今年は早めの12時40分の便で帰ることとなった。帰る前にお土産をと思い二条市場へ行ったが、ここは観光客相手のようで、デパート並に高い。やっぱり土産は千歳のサティに限るな。来年からは間違えないようにしよう。でも二条市場で買った塩水に入ったうにはうまかった。
レンタカーを返してから空港へ向かうのだが、その前にレンタカー会社の近くで最後の採取作業。なぜかこの周辺(南千歳)にだけミヤコグサが群生している。その数は半端でない。
しかし千歳はいつ来ても天気が悪い。(いつ来てもといってもこの時期しか来ないのだが)前に「三沢の夏はヤマセという霧が出て寒い」という話を聞いたことがあるが、このあたりも同じことなのだろうか?
この天気ではどうも写真が映えない。
たくさんあったが写真に撮らなかったフキと、往復お世話になったJASの飛行機もついでに載せておこう。 |
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| ミヤコグサ |
ミヤコグサ |
イタドリ? |
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| ムシトリナデシコ |
ナワシロイチゴ |
フキ |
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大変重いページに最後までお付き合いいただきありがとうございます。花の名前が間違っていたり、知っている方がありましたら、メールにてご一報いただきたいと思います。
やっぱり写真は良いですね。また一眼レフを抱えて、写真を撮りにゆきたいと思います。 |