第三回 be supposed to, the whole, common, the rest of the〜


1. be supposed to (発音注意)

意味:
(1) to have a duty or responsibility to do something by law, policy, rule, etc.
(2) intend to do something
(3) to be generally considered to be; have the reputation

これも日本人が使いこなせない句だ。しかし、米人が使いまくっているのはよく見る。英語が中級レベル以上に達した日本人が使っているのもみかける。つまり、これはただ単に適当な英語を話すレベルから、ちょっと一目置かれるレベルにまで達した英語学習者が使える言葉みたいだ。てなわけで、何とか使いこなせるようになりたい。

さて、初級者にとって、このbe supposed toは、何となくbe going toに似た性質をもっているイメージがある。つまり、未来のことを言うような感じだ。確かに、そんなイメージはあるものの、米人は上記の2つの意味で用いる。

意味(1)だが、これは完全な規制対象の事実を述べる際に用いる。例えば、こんな例文。

You are not supposed to smoke here.

ここでタバコを吸ってはならんという意味。Don't smoke here.でもよいし、You are not allowed to smoke here.でも同じ意味だろう。でも、会話ではbe supposed toを用いるのですね。

(2)にでは、ロングマンにはこう載っている。

This law is supposed to help the poor.

intendというのだから、何らかの意図の下でthis lawが制定されたと考えられるが、まあこんな用法でも使うのですね。

それから最後、(3)について。これは普通に用いるより、次のように用いる方法があまり日本人には知られていない。てか、私も知らなかった。

be supposed toをwas supposed toとすると、to以下にfail, failure事項が来る。で、意味はどうも仮定法過去みたいになるようだ。

It was supposed to rain, because weather forecast said so.

「天気予報で雨になると言ってたから、雨が降るだろうと思ってた。でも、降らなかったんだよ。」てな感じの意味。つまり、to以下のことが予測されたのだが、実際は起きなかったというのだ。これを言うとき、米人は頻繁にwas supposed toを使うらしい。覚えておこう。また、使用上の注意点は、必ず理由を入れることだそうです。「〜だったから、…だと思ったのに、起きなかったんだよね。」とするのだ。まあ普段から米人はclearな理由を要求する。別にこれに限らず、相手が知らんことには理由をつけましょう。

2. the whole (theを忘れないこと)

意味:
(1) the full amount of
(2) complete

all of theと区別のつかない日本人が多い。普通に言えば全体のなのだが、全体の対象が違う。よく使うのはthe whole timeとかthe whole thingなどである。これは、バナナを例にとって考えよう。

I ate all of the bananas.というと、バナナ一房全部を食らうことになる。で、I ate the whole banana.というと、バナナ一本丸ごと食らうということになる。てなわけで、all of theとなると、何らかの集合体を意味する単語が来るのだが、the wholeがくると、ある一つのもの全体という意味になるみたい。不可算名詞であるtimeなどが来るのも頷ける。山崎パンの「まるごとバナナ」は、the whole bananaであって、all of the bananaではない。しっかり区別すること。

例文は以下

I spent the whole time on studying.
I spent the whole vacation in Paris.

など。

3. common

意味:
(1) found or happening often and in many places; usual
(2) can see or experience everywhere

「共通の」という直訳が、日本人一般のイメージであるだろう。ただ、本来のニュアンスとしては「お馴染みの」とか、もっと言うと「典型的な」に近い(近いだけで、その意味は無い。「典型的な」はtypicalですからね)。例文としては、

Sushi is a common food in Japan.

などが挙げられる。中学校で習う単語だが、実はよく実態がわからないので、使うのは難しいと感じている単語の一つ。英文を読んでいる際に出てくると、意味を取るのは簡単だが、実際に話すとなると、使いづらい単語である。英英辞典に載っているような、米人が持っているニュアンスの違いに目を向けることが肝要とのこと。

4. the rest of the〜

意味:
what is left; ones that still remain

上にあげた意味は、"rest"の意味なのですが、慣用表記では常にthe rest of the〜のカタチで使われます。このthe rest of the〜ですが、日本語だと「〜の残り」と訳せるので、何でもかんでも「残り物」と言う意味で使いがちです。しかし、この句の使い方は限定されています。まず間違った使い方から見ると、以下の使い方はthe rest of the〜として間違い。というより、通じない。

The rest of the milk is still in the bottle.

「牛乳の残りがビンにまだ入っている」と意味したいところですが、米人には通じないみたいだ。眉間にしわを寄せられて"I cannot understand you."と言われてしまった。この時の正しい表現は、次のように訂正される。

The milk is still left in the bottle.

残っている物を主語として、動詞部に"be left"を使う。これが正しい、というより米人が普段使う使い方だ。このように、「ただ単に残っている」ことを言うときは、the rest of the〜は使わないことに注意しろとのこと。

では本題。the rest of the〜はどう使うのか。先生の話によると、the rest of the〜は、何らかのactionと連動して使うとのこと。具体的には「牛乳の残りを飲んだ」とか「所持金の残りを使い果たしてしまった」など、残り物が目的語になるときにthe rest of the〜を使うらしい。まとめると、主語としてはthe rest of the〜は使わないと言うことです。

I drank the rest of the milk.
I have run out of the rest of the money.

英会話の講義で、ここであげている会話頻出語句を使った例文を喋ることを、復習として毎回やらされるのだが、私や同期はいつもこのthe rest of the〜で注意される。奇異な英語というより、native speakerには理解できない英語らしいので、十分注意したいと思います。

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